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前田デザイン室・前田高志に直球質問!「デザインってセンスがなくても楽しめますか?」

前田デザイン室・前田高志に直球質問!「デザインってセンスがなくても楽しめますか?」

業界のプロに悩みをぶつけ、解決していく企画「その道のプロに聞く」。今回は、元・任天堂デザイナーで、クリエイターコミュニティ「前田デザイン室」室長の前田高志さんに、デザインに関する悩みをぶつけてみました。仕事の資料づくりなどで「自分ってデザインセンスないな……」とため息をつきがちな「おかねチップス」編集部が、どうやったらデザインを楽しみ、センスを磨くことができるのかをインタビュー。クリエイティブな仕事をする人だけでなく、すべての仕事人に刺さるアドバイスをいただきました!

中学の美術から、デザインセンスのヒエラルキーが生まれる

おかねチップス編集部
今日はデザイン業界の第一線で活躍されている前田さんに、デザインに関する悩みや疑問に答えていただきたくやって参りました。

実は、仕事や日々の生活を通じて、デザインに対するコンプレックスがありまして……。私たちの自論を聞いてもらってもいいですか?
前田
さん
えっ、何でしょうか(笑)。もちろんいいですよ。
おかねチップス編集部
デザインってサッカーや野球などの球技と同じくらい、できる人とできない人の差が激しいジャンルだと思うんです。
前田
さん
!!!
詳しく聞かせてもらえますか?
編集部員の偏屈な考えにも、「おもしろいですね」と笑顔で応答してくれる前田さん
おかねチップス編集部
だって、センスがある人は簡単に本質を掴んで習得できるのに対して、センスがない人は教えられてもまるでダメじゃないですか。だから後者は自然とデザイン以外の道に進むわけですが、仕事で資料を作ったり、SNSを投稿するなかで、デザインセンスがない自分に直面する(笑)。

デザインのヒエラルキーの底辺にいる自分を認識せざるを得ないんですよ……。
前田
さん
なるほど。たしかにデザインのヒエラルキーはありますね。

ただ、僕はもう麻痺してしまっていて。デザインってサッカーや野球のスタメン争いみたいに、スキルを比べられるんですよ。僕の時代は、予備校で鉛筆デッサンや色彩構成の試験結果が提示され、高得点の人だけ褒められましたしね。

しかも僕は高3のときに関西の芸術系大学の受験をすべて失敗して(苦笑)。浪人中は予備校で人と比較され、切磋琢磨して何とか美大に入学したんです。
おかねチップス編集部
前田さんほどの一流のデザイナーでもそんな過去があったとは。それはシビアですね……!
前田
さん
でも、幼稚園のときはたいていお絵描きが好きだから、本当はみんなクリエイティブが好きはずなんですよ。それが、中学校から美術という科目が始まり、ヒエラルキーが生まれる。上手・下手という物差しで測られて、一部の絵が描ける人がアートやデザインの道に進み、その他の人は「自分はセンスがない」となる。これが大人になっても尾を引いてる感じがしますね。
おかねチップス編集部
デザインって、それこそ野球でいうキャッチボールみたいな初心者ができるライトな取り組みがないと思うんです。そうしたなかで、初心者にとってデザインの糸口となるのが前田デザイン室なのかなと。
前田
さん
たしかに、前田デザイン室は、草野球チームに近い感じかもしれないですね。デザイン経験のない人も気軽に入れる、ものづくりできるクリエイターコミュニティなので。

今年8月にコミュニティの仕組みをリニューアルして、今はクリエイティブ経験がある「クリエイター枠」と、経験のない「チャレンジャー枠」の2枠でメンバーを募集しています。
前田デザイン室は2018年3月に開設。デザインを楽しめる場の環境をより整えるため、今年8月にリニューアルをした
おかねチップス編集部
そもそも、なぜ前田デザイン室を始めたんですか?
前田
さん
以前、編集者の箕輪厚介さんのオンラインコミュニティ「箕輪編集室」に所属してデザインをやってたときにすごく楽しくて、自分もコミュニティを運営したいと思ったんです。

任天堂勤務のとき、土日に副業したことがあるんですけど、本業以外のデザインが全然できなくて。怠惰な性格だから、全然モチベーションが上がらなかった。でも、箕輪編集室では、人の反応があったから楽しんでできたんです。「このデザインすごくいいですね」とかメンバーがいちいち反応してくれるから、うれしくて自然とやる気になったんです。
おかねチップス編集部
へぇ。実際のオンラインコミュニティの体験を経て、自分でもデザインにまつわるコミュニティをやろうと思ったんですね。
前田
さん
それに僕自身、みんなで何かをやってワイワイするのが好きなんです。任天堂時代に、ゴルフ部とかモンハンやるだけのサークルみたいなのをやっていたし。その流れで前田デザイン室を作った感じですね。
おかねチップス編集部
デザインってデスクに向かってひとりで頭や手を動かすなど、孤独で孤高な時間帯が多いじゃないですか。その反動から、みんなで反応し合いながらものづくりがしたかったんですか?
前田
さん
う〜ん……。恥を忍んで言うと、僕がただ寂しがり屋なだけかもしれません(笑)。内弁慶なので、任天堂のときも内輪ではワイワイやりながらも、対外的には上司の横で無口にしている職人タイプでしたから。

その後、退社して独立起業したりクリエイターコミュニティを主宰したり、どんどんオープンになって。昔の僕を知る人は信じられないみたいで、「どうしたんですか!?」って驚きますね。
おかねチップス編集部
なぜ、オープンマインドになったんですか?
前田
さん
30代の終わりに父親が認知症になって、生命の最期を感じ取ってしまい、「この先悔いのない人生を生きたい」と思ったからです。

その頃、匿名でブログをやっていたんですけど、見向きもされなくて。「このままだと40歳過ぎちゃう」と危機感を覚え、「名前も顔も出して、前田全開で行くしかない!」と活動し始めたら、デザインのモチベーションもパフォーマンスも上がったんです。
おかねチップス編集部
自分の「楽しい」や「好き」をどんどんオープンにしたことで、より力を発揮できるようになったんですね。前田デザイン室の立ち上げにあたって、どういう人たちに楽しんでもらおうと思われたんですか?
前田
さん
最初は、5人くらいの仲間たちと仕事以外で楽しくものづくりができたらいいなって、自分のために作った感じです。集まらないだろうと思いつつ20人募集したら、すぐ満席になって驚きましたね。今、会員は250人にもなりました。

任天堂時代はコンプレックスが強く、ずっと舌打ちされている気分だった(笑)

おかねチップス編集部
前田デザイン室では主にどんなことをやるんですか?
前田
さん
大きなプロジェクトを立ち上げて、みんなでそれに取り組みます。定期的にZoomを開催して、メンバーが立ち上げたテーマで交流することもありますね。おすすめのものを語り合うなかで、食事会を開催する流れになるメンバーもいたりして。

あとは、前田デザイン室でしか読めない僕の投稿、たとえばプレゼン資料とか仕事のノウハウなどを配信しています。
おかねチップス編集部
メンバーみんながデザインをするんでしょうか? それとも、それぞれ別の役割分担があるんですか?
前田
さん
後者ですね。文章を書く人、イラストを描く人、写真を撮る人がいて、進行管理をするプロジェクトマネージャー的な人もいます。あと、みんなのモチベーションを上げるために欠かせない応援だけする人も。自由に参加してもらっています。
「前田デザイン室」の話をするとき、前田さんはとても楽しそう!
おかねチップス編集部
おもしろいですね。デザインに特化したコミュニティなのに、実際に手を動かす以外の参加方法もあるなんて。
前田
さん
そうそう、忙しい人なんかは、プロジェクトが進む様子を見るだけの場合もあります。どういうふうにものづくりがされるか、読書するような感じで疑似体験したいと言って参加する人もいますね。
おかねチップス編集部
いろいろなメンバーがいるんですね。では、今までに達成感の大きかったアウトプットには何がありますか?
前田
さん
粗いドット絵をダウンロードできるサイト「DOTOWN(ドッタウン)」をオープンしたことですね。
今年2月にオープンした「DOTOWN(ドッタウン)」
前田
さん
ここに掲載している「粗ドット」って、ゲームグラフィックにおける「逆進化(=究極の抽象化)」を遂げていて、ちょっとヌケた雰囲気なのが特徴。だから、スキルの差は関係なく誰でも作れるんですよ。

例えば、こんな感じ。
可能な限り低い解像度で、究極に抽象的な表現をしたドット絵。食べ物や乗り物、人物、動物、建物、植物、季節イベント系などが用意されている
おかねチップス編集部
どれも味があってかわいい〜。これ、ダウンロードフリーなんですね!
前田
さん
そうなんです。SNSでめちゃくちゃシェアされました。前田デザイン室のみんなですごく楽しんで作って、世のなかにインパクトを与えることもできたので、プロジェクトとして大成功だったと思います。
おかねチップス編集部
成功の要因ってなんだと思いますか?
前田
さん
仕事じゃないからこそ、ここまでおもしろいものを作れたってことなんだと思います。

あとは、「童心を取り戻せ」をテーマに、メンバー全力でふざけて制作した雑誌『マエボンvol.1』。これは佐渡島庸平さん(編集者・株式会社コルク代表取締役)に「素人出版革命だ」と言っていただきました。
メンバーの9割が雑誌制作未経験者だったんですが、その雑誌が青山ブックセンターや蔦屋書店で、落合陽一さんの本の横で売られたっていう(笑)。本屋に並ぶこと自体、想定していなかったので、みんなで喜び合いました。それこそ甲子園出場が決まった弱小野球部みたいな青春を味わえましたね。
2018年9月に発行された雑誌『マエボンvol.1』。クラウドファンディングやイベント、店舗での販売を経て、現在は前田デザイン室ECサイトで販売している
おかねチップス編集部
素敵ですね!
ただ、デザインやクリエイティブができる人とできない人が、コミュニティで共存するって難しくないですか? デザインができる人はできない人の取り組みや姿勢、クオリティ、アウトプットに不満を感じて、舌打ちしてるんじゃないかって不安になるんですよ……。
前田
さん
舌打ち(笑)。
そもそも前田デザイン室には、僕のデザインや発言に興味を持った人しかコミュニティのメンバーにならないので、何となく似たような人が集まってきているんです。いい意味で子どもっぽく、ほんわかした人というか。だから、うまいこと共存できているし、舌打ちなんて起こらないですね。
おかねチップス編集部
いい環境づくりができているんですね。
前田
さん
あと、リニューアル後はコミュニティマネージャーが、入会希望者全員と面談して、「こういうコミュニティですけど、大丈夫ですか?」って確認しています。「前田デザイン室ダサいっす、俺が全部変えますよ」みたいな超ストイックな人は、入ってもモチベーションが維持できないから入会しない方がいいですね。

というか、そもそも“デザインの楽しさを追求するクリエイター集団”と銘打っているからには、メンバーや制作物に対して舌打ちする人がいるのはダメですよね。
おかねチップス編集部
たしかにそうですね。でも前田さんこそ、元・任天堂デザイナーっていう超舌打ちできるキャリアがあるのに、なぜデザインできない人を許容できるんですか?
前田
さん
僕自身、ずっとデザインに対するコンプレックスがあったからですね。
前田さんのデザインに対するコンプレックスって?
おかねチップス編集部
えっ! 一流デザイナーなのにコンプレックスがあるんですか!?
前田
さん
僕は、日本の広告クリエイティブが熱かった2000年から2010年くらいのデザインが大好きで、ライトパブリシティや日本デザインセンター、電通、博報堂のクリエイターたちにコンプレックスがあって、ああなりたいって思ってたんです。

だから、任天堂でデザインしていたとき、「これでいいのか」と疑心暗鬼になって試行錯誤していました。任天堂って、遊びを商品にするプロではありますけど、デザインだけで商品にはしていないと、個人的には思うので。
おかねチップス編集部
なるほど。
前田
さん
だから、デザインの本筋の人たちからすると、僕はちょっと違うところにいる人間だと思います。むしろ、僕こそずっと舌打ちされている気分(笑)。もちろん思い込みですけどね。

多くのデザイナーが美しさやアートという上流を目指すとしたら、僕は下流に降りて普通のデザイナーがやらないおもしろいことをやろうと思っています。デザインをお茶の間に届けたいので。
おかねチップス編集部
デザインをお茶の間に届けるために、具体的にどんなことをしているんですか?
前田
さん
まさにその試みのひとつが、前田デザイン室ですね。仕事とは違う脳みそでものづくりするとどうなるかっていう社会実験なので。なかでもDOTOWNは、WEBサイトやチラシなど日常生活にドット絵を使ってもらえたので、デザインをお茶の間に届けられた成功例だと思っています。
DOTOWNは、2022年度グッドデザイン賞を受賞した

センスがなくても素直さがあれば、デザインの腕はどんどん上がる

おかねチップス編集部
前田デザイン室では、プロジェクトに対して金銭的な報酬を受け取らないそうですね。それはなぜなんですか?
前田
さん
報酬を受け取ると仕事になっちゃうからですね。前田デザイン室では、仕事から離れて脳みそを完全に遊びモードにしてデザインを楽しむことを目的としていので。
おかねチップス編集部
遊びでデザインをする醍醐味って何ですか?
前田
さん
感謝されたり、応援されることですね。このコミュニティにいると、見えないお金がずっと動いている感じなんです。めちゃくちゃ活躍している人は、やっぱり他のメンバーからすごく感謝される。そこにお金以上に価値を感じてくれている人は、前田デザイン室で一番熱量があると思います。
おかねチップス編集部
遊びのデザインって、仕事のときとアウトプットは変わりますか?
前田
さん
変わりますよ。遊びだと自分のフェチな部分が全開に出せので。僕はフェチがあるデザイナーの方が、長く生き残れると思っています。
おかねチップス編集部
どういうことですか?
前田
さん
仕事では自分らしさを全開で出すより、クライアントの意向を汲み取りデザインすることが多いですよね。だけど、遊びでデザインするとなると、自然とにじみ出るフェチが自分の個性や強みになる。こうしてフェチを解放することで、自分のデザインの幅が広がるんですよ。
おかねチップス編集部
のびのび制作できる環境ならではの、いいアウトプットができるんですね。
前田さんのデザインのメモ。自由な発想でデザインのヒントが書き込まれている
前田
さん
それから、仕事とは違う筋肉の使い方ができるのも魅力です。僕が箕輪編集室に所属していたとき、極端に短い時間でバナーやロゴを作りました。仕事ではわりと長時間かけて作っていたので、僕にとって初めての経験をしてみて、長距離と短距離ではそれぞれ違ういいものが生まれるとわかった。デザインをするための別の筋肉が鍛えられるのは大きなメリットですね。
おかねチップス編集部
自主制作をしたいけど、「仕事に追われて制作が楽しめない」というデザイナーさんをはじめとしたクリエイターはたくさんいると思います。そういう方々はどうしたらいいんですかね?
前田
さん
少し仕事とは離れて、好きなものを自由に作る時間を持つといいと思います。先ほど言ったように短時間で作ってみるとか、王道の作り方を変えてみるとか、ちょっと角度を変えるだけで、仕事がまた楽しくなるんですよ。

実際、僕の会社のチーフデザイナーは、前田デザイン室に入って遊びのデザインを経験して、「デザインがおもしろいことを思い出せた」と言っていましたから。
おかねチップス編集部
前田さんの考えに触れてデザインとの距離が少し縮まってきました! だけど、デザイナーさんって、美大や芸大、専門学校を経てなる人が多いですよね。やっぱり、脱サラして40〜50歳過ぎてゼロからデザイナーを目指すのは無理ですかね?
前田
さん
いや、テクノロジーの進化で、徐々に誰でもデザイナーを目指せるような時代になると思いますよ。

僕だって、30年以上前だったらデザイナーになれてなかったと思います。印刷の大元になる版下用紙にきれいに線を引くとか、不器用な僕には無理なので。それが、DTPによって、パソコンがあれば不器用でもアイデアをかたちにできるようになった。2020年に、手描きしたロゴをラフをきれいに整えてくれるAIソフトの構想がAdobeから発表されましたし。今後もどんなテクノロジーが生まれるのか楽しみですよね。

※Desktop Publishingの略で、パソコン上で印刷物のデータを作ること。

前田さんの著書『勝てるデザイン』(幻冬舎)には、デザイナーはもちろん、デザインを武器にしたいビジネスパーソンにもぴったりの思考と技術が詰め込まれている
おかねチップス編集部
では、「自分にはセンスがない」と決めつけてデザインをあきらめてしまった人が、もう一度デザインに親しんだり楽しむためにやった方がいいことはありますか?
前田
さん
素直さを持つことですね。デザインにはセンスや技術も大事ですが、素直さがある人が一番伸びるんですよ。経験者に教えてもらったことを素直にやる。これを続けるだけで、自分の可能性はどんどん広がりますから。
おかねチップス編集部
すべての仕事に通じる話ですね! 歳を重ね、素直さがどんどんなくなっているのでハッとしました……。
前田
さん
歳を取るとだいたいみんな頑固になりますからね(笑)。ときどき素直さを意識すると、仕事のスランプも打破できると思いますよ。
おかねチップス編集部
デザインって、ある種の正解があって、それを外すとダサいって認定される世界だと思っていたんですが、前田さんのお話を聞いて、もっと肩の力を抜いて楽しんでみようという気持ちになりました。
前田
さん
僕は「死ぬほどある正解のなかから、自分なりの正解を選ぶ」という感覚でデザインしています。デザインの正解は、受け手がそれぞれ心に持っているものだから、ひとつではない。だから、いろいろな人に寄り添って、その気持ちを想像すれば、いいものを作り出せると思いますよ。
おかねチップス編集部
う、う、う(泣)。心に染みます。前田さん、本日はどうもありがとうございました!
前田
さん
こちらこそです。みなさんがデザインに興味を持ってくださって、僕も嬉しかったです。また何でも聞きに来てください!
「デザインは正解がないのではなくて、どれも正解なんですよ」と前田さん

前田高志(まえだ たかし)

デザイナー、株式会社NASU 代表取締役、前田デザイン室 室長。
1977年兵庫県生まれ、大阪芸術大学デザイン学科卒業後、任天堂株式会社へ入社。約15年プロモーションに携わったのち、父の病気をきっかけに独立を決意。 2016年2月からNASU(ナス)という屋号でフリーランスとしてスタート。2018年、自身のコミュニティ「前田デザイン室」を設立。 2020年1月よりレディオブック株式会社のクリエイティブディレクターに就任。著書に『勝てるデザイン』(幻冬舎)、『鬼フィードバック デザインのチカラは“ダメ出し”で育つ』(MdN)。

写真/久本晴佳
取材/おかねチップス編集部 
文/川端美穂

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