【5分で学べる財テク】減価償却の計算方法について5分で解説!
「減価償却って、どうやって計算すれば良いの?」
そんなお悩みをスッキリさせる減価償却の計算方法について解説していきます。
この記事を読むことで減価償却の全てがわかり、税理士を使わなくても自分で減価償却を計算できるようになります。
減価償却の概要
減価償却は、固定資産の取得時にかかった費用を耐用年数に応じて分割計上するための勘定項目です。
この減価償却では、資産の価値を減少させて費用を増やすため、損益計算書では費用の増加として扱われます。
ただし、時間が経過しても価値が減少しないもの、事業の運営に用いられるものは減価償却資産の対象にはなりません。
減価償却できる資産は、有形固定資産と無形固定資産に分かれます。
・有形固定資産
機械装置(パソコンなど)・建物・車両・構築物…etc
・無形固定資産
商標権・ソフトウェア・意匠権…etc
上記のような資産に加えて、「時間経過によって劣化する資産、業務内で使用している資産」が条件となります。
減価償却できない資産は、「土地・骨董品・借地権・稼働停止中」などの資産になります。
これらに加えて、「時間経過によって劣化しない固定資産、業務に関わりのない固定資産」となります。時間が経過しても劣化しない土地や、歴史的な価値がある骨董品、稼働していない資産は基本的に減価償却することはできません。
減価償却する目的とは?
減価償却目的は、分割計上することによって、毎期の損益計算を適正に行うことです。
定められた減価償却方法によって、計画的に実施することができます。
これを正規の減価償却と言いますが、この考えでによって経営への影響を考慮して減価償却を任意に増減させることは認められなくなります。
減価償却が与えるメリットとしては、減価償却に相当する資金が手元で留保できることです。
減価償却費は資金の流出を伴わない費用項目であるため、減価償却を実施することにより資金が手元に留保できるというメリットがあります。
売上に応じて掛かった費用が、減価償却費のみと仮定した場合、「売上高-減価償却費=利益」となりますが、減価償却費を転換すると、「売上高=利益+減価償却費」となります。
税前利益に対して、資金流出のない減価償却費を加えてキャッシュフローを算出します。資金が流出しない減価償却費分の資金が回収されることから、内部留保が生じると言われています。
減価償却の計算方法
この減価償却の計算で必要となってくるのは、「法定耐用年数・定額法or定率法」となります。
これらのポイントを抑えることで減価償却費を算出することができます。では、どのような場面で必要になってくるのか?徹底解説していきたいと思います。
法定耐用年数
法定耐用年数とは、その対象となる資産を使用できる期間のことを指します。
時間が経過するごとに、使用していくごとに、劣化したり価値が落ちる資産を本来の価値として分割で経費計上していくものです。耐用年数が3年の場合は3年かけて減価償却を計上します。
カテゴリとしては、
・建物、建物付属設備の耐用年数
・構築物、生物の耐用年数
・車両・運搬具、工具の耐用年数
・器具・備品の耐用年数
・機械・装置の耐用年数
に分かれています。
詳しい耐用年数表については、以下の国税局公式ホームページのものをご確認ください。
「定額法」と「定率法」って?
・定額法
特徴:償却費の額が原則として毎年同額となる
計算方法:取得価額×定額法の償却率
・定率法
特徴:償却費の額は初めの年ほど多く、年とともに減少するただし、定率法の償却率により計算した償却額が「償却保証額」に満たなくなった年分以後は毎年同額となる。
計算方法:未償却残高×定率法の償却率。ただし、上記の金額が償却保証額に満たなくなった年分以後は次の算式による。改定取得価額×改定償却率
注)
◼︎資産を年の中途で取得又は取壊しをした場合には、上記の金額を12で除しその年分において業務に使用していた月数を乗じて計算した金額になります。
◼︎償却保証額とは、資産の取得価額に当該資産の耐用年数に応じた保証率を乗じて計算した金額をいいます。
◼︎改定取得価額とは、調整前償却額が初めて償却保証額に満たないこととなる年の期首未償却残高をいいます。
◼︎改定償却率とは、改定取得価額に対しその償却費の額がその後同一となるように当該資産の耐用年数に応じた償却率をいいます。
引用元:国税庁
定額法の方が計算が容易なため将来の計画が立てやすいというメリットがあります。
一方で、定率法は年数が経過するごとに減価償却費が減少していきます。初年度の減価償却費が1番多くなることが特徴です。
減価償却の計算のポイント
ここからは、減価償却の計算方法について、定額法と定率法で解説したいと思います。
・【定額法】減価償却の計算
「取得価額×定額法の償却率」
定額法の減価償却費は上記の式で求めることができます。
減価償却費を毎年、同額計上していくと最後は0円になってしまいますが、事実上すでに固定資産を使用している状態なので最後の年は備忘価格として1円を残して計上することになります。
定額法償却率(平成19年4月1日以降取得)
耐用年数/償却率
2年/0.500
3年/0.334
4年/0.250
5年/0.200
6年/0.167
7年/0.143
8年/0.125
9年/0.112
10年/0.100
…etc
詳しい償却率はコチラ(焼却率等表):
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_02.pdf
カテゴリ別耐用年数:
・【定率法】減価償却の計算
「未償却残高×定率法の償却率」
定率法は、基本的に「建物・建物附属設備及び構造物」に関するものを計算します。
計算式の金額が償却保証額に満たなくなった場合、以降は「改定取得価額×改定償却率」で計算します。
耐用年数・定率法によって金額が異なります。定率法の償却率は以下のように大きく分類されます。
・250%償却率(減価償却資産の取得時期が平成19年4月1日以降平成24年3月31日まで)
・200%償却率(減価償却資産の取得時期が平成24年4月1日以降)
・旧定率(減価償却資産の取得時期が平成19年3月31日以前)
詳しい償却率はコチラ(焼却率等表):
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/pdf/2100_02.pdf
カテゴリ別耐用年数:
税理士に任せるにしても最低限の知識はしっかりつけよう
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