【3分で回答】人気のプロダクトマネージャーになるにはどうすればいい?にお答えします。
社会構造が変化し既存のものづくりの在り方が通用しなくなった今、企業には顧客ニーズを取り込んだ新たな事業展開が求められています。
プロダクトマネージャーは、これらのニーズを的確に把握し、商品開発を指揮するプロフェッショナルです。
プロダクトマネージャーになるには、ある程度の経験と実績が必要になります。
この記事では、プロダクトマネージャーの仕事内容やプロダクトマネージャーのなりかたなどについて解説します。
プロダクトマネージャーってどんな仕事?
プロダクトマネージャーの仕事を一言でいえば、企業の経営者がどのような製品を作りたいのかを理解し、その製品をユーザーに支持されるように商品化したうえで、ビジネスとして成功に導くというものになります。
プロダクトとは通常、ユーザーに販売する製品をいいますが、目に見える製品だけに限らず、広く「価値の提供」と定義することもありますので、その意味ではデータやソフトウェアなどの無形資産や、製品の商品化プロセスそのものをプロダクトという場合もあります。
プロダクトマネージャーの仕事には「立案」「生産」「フィードバック」という3つの工程があります。
仕事の発注者である企業の経営者が世に問いたいプロダクトに形をつけるのが立案工程、ユーザーに支持されるように商品化するのが生産工程、ビジネスとして軌道に乗せるのがフィードバック工程です。
立案工程
企業経営者の意向を受けたプロダクトマネージャーは、立案工程で売ろうとする製品の商品化や達成しようとする事業スキームのたたき台を作ります。
こういう方向で製品を作れば売れるのではないか、こういう取り組みを行えば目指している経営目標が達成できるのではないか、という試作案を作り、プロジェクトの関係者やユーザーに意見を聞いて、改善を重ねたうえで最終計画案にもっていくという段階にあたります。
生産工程
最終計画案がまとまると、プロダクトマネージャーは次の工程として商品化に向けたロードマップを作成します。
これは、たたき台を通じて明確になったターゲット層にどのようなニーズがあるのか、どのような特色を持たせれば支持してもらえるのかといった具体事例を定め、その実現に向けて工程ごとにスケジュールを立てていく作業です。
製品の完成をめざすには、そこに至るまでの途上で作業の進捗状況を確認して、時々軌道修正を加えながら、全体の足並みをそろえることが必要になりますが、そのためには「この時点でここまで全体工程を進めよう」という中間目標の設定が必要になります。
このような進捗状況の俯瞰図をロードマップといい、このロードマップに沿ってプロジェクトを推進することが、全体の進行に責任を持つプロダクトマネージャーの重要な仕事になるわけです。
フィードバック工程
ロードマップに定められた中間目標の達成度は、一般的に事前に設定したKPI(重要業績評価指標)で確認していくことになります。KPIとは、設定した中間目標に対して、プロジェクトがどこまで達成できているか、その度合いをはかるための指標です。
指標に沿って工程の進捗を確認し、改善点があれば適宜取り入れるようにしながらプロダクトの完成度を高めていきます。
完成度が高まれば高まるほどビジネスとしての安定基盤が築けたことになりますので、この時点でプロダクトマネージャーとしての仕事が完了することになります。
プロダクトマネージャーに求められるスキルとは?
ユーザーのニーズを把握し、プロダクトの商品化を企画するのがプロダクトマネージャーの仕事です。
生産工程では中長期ビジョンの策定のほか、市場調査なども取り入れながら提供するプロダクトの価値を高めるといったマーケティング戦略などを行う必要もあります。
このように、プロダクトマネージャーに求められるスキルは広範にわたりますが、仕事をするにあたって最低限求められるスキルには次のようなものがあります。
マネージメント能力
設定した目標に沿ってチーム運営を行うのがマネージメントですが、そのためにはチームがめざす目標や成果、プロセスを適切に管理しながらプロジェクトを推進させる力量が求められます。
目標完遂に向けた意欲や責任感はもちろん必要ですが、プロジェクトの推進に携わるすべてのスタッフと円滑に意思疎通を行うためのコミュニケーション能力、状況の把握力などは欠かせないスキルといえるでしょう。
マーケティング能力
ユーザーに受け入れられるプロダクトを商品化するためには、ユーザーのニーズを的確に把握するための情報収集力、課題がどこにあるのかを察知する理解力が不可欠で、ニーズ把握に向けた調査力なども身につけておきたいスキルとなります。
具体的な調査方法としてはユーザーへの聞き取り調査、アンケート調査などがありますので、集計作業も含め基本的なマーケティング戦略に対応できるようにしておく必要があります。
技術・開発能力
業務のIT化は、時代の流れの中で避けて通れない課題であり、企業にとってユーザーニーズをいかに取り込めるかが勝負の分かれ目になっているといっても過言ではありません。
そのため、プロダクトマネージャーにはIT技術の動向に目ざとく、プロダクト開発に応用すべきかどうかといった判断を的確に行い、応用すべきだと判断した場合は、そのニーズをプロダクトに反映するだけの技術・開発能力が求められます。
プロダクトマネージャーになるための方法は?
プロダクトマネージャーになるには、「この資格が絶対に必要」といった特別な条件があるわけではありません。
とはいえ、未経験ですぐに仕事ができるという職種でもありません。
これまで確認してきたように、プロダクトマネージャーは企画、管理、調査といったあらゆる分野に精通し、全体を見渡してチームをコントロールする知見と実行力が求められる仕事ですので、ある程度の経験は必要になってきます。
そのため、まずは関連業種で事業企画やサービス企画・開発などのビジネス感覚を身につける、あるいはエンジニアやUIUXデザイナーを経験して技術力をマスターする、WEBディレクターやプロジェクトマネージャーなどを経験して、マーケティング感覚を養うなどした後、プロダクトマネージャーの求人に応募してみるというルートを考えてみてはいかがでしょうか。
プロダクトマネージャーには特別な資格は求められない一方、キャリアアップを図るうえで役に立ちそうな資格もあります。
たとえば「基本情報技術者試験」です。
これは、高度IT人材に必要な基本的知識・技能や実践的な活用能力を持つ者を対象とする試験で、年間約10万人が受験しているものです。「ITストラテジスト試験」は、情報システムの分析や評価、経営戦略に沿った情報戦略の立案などの能力が試され、情報処理技術者試験の中でも最難関試験とされています。
「プロジェクトマネージャー試験」も受験者の多い資格です。
プロダクトマネージャーとよく似た表記ですが、プロダクトマネージャーが開発全体の最高責任者であるのに対して、プロジェクトマネージャーは現場の責任者をさし、プロダクトマネージャーの指示を受けながら仕事をします。
試験では、業務内容の理解度や管理手法、関連法案などといった内容が問われます。
プロダクトマネージャーになるには、個別の仕事経験に培われた総合的なマネージメント力が必要
プロダクトマネージャーとは、企業のプロダクトに対するビジョンを策定し、ビジョンの実現に向けてチームを動かし、プロダクト全体に責任を持つ人をいいます。
企画、管理、調査といった仕事上のあらゆる分野に精通することが求められるため、プロダクトマネージャーになるには、個別の分野である程度仕事経験を積み、総合的なマネージメント力を養うことが必要になります。
文/おかねチップス編集部
監修文/おかねチップス編集部
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