グローカリゼーションって一体なに?聞き慣れない言葉を丁寧に説明します
ビジネスの現場において、「グローカリゼーション」というワードが登場することが増えてきました。
しかし、グローカリゼーションとは何を意味する言葉なのか、知らない方は多いのではないでしょうか。
グローカリゼーションとは、企業の活動戦略における考え方の1つで、国内外の企業がこの考え方を取り入れはじめています。
そこで今回は、グローカリゼーションの意味を語源から解説するとともに、この考え方を取り入れた企業戦略の成功事例・メリットデメリットを解説します。
グローカリゼーションとは
グローカリゼーションとは、「グローバリゼーション(世界的な)」と「ローカリゼーション(地域的な)」の2つの英単語を組み合わせた単語です。
グローバルとローカルは真逆の意味を持つように思われますが、この2つの観点を同時に備えることが、近年求められています。
具体的には「物事を世界的な観点で考えつつ、地域に根ざした活動をする」戦略が、グローカリゼーションの意味するところです。
例えば、全国的に展開しているスーパーやコンビニもその一例です。
同じ企業が運営しているスーパーやコンビニでも、地域によって品揃えが大きく異なります。
この品揃えの違いは、地域によって食品や日用品の需要が異なるからです。
この考え方は日本国内ではなく、国内外にビジネス進出する際に使われることが多いです。
世界中に店舗を展開している有名飲食チェーン店も、国によって経営方針や展開しているメニューは異なり、その地域に合った形で運営し、成功を納めています。
グローカライズの意味
広くビジネス展開しつつ、地域ごとに合わせた経営戦略を考えることを、「グローカライズする」と表すことがあります。
スーパーやコンビニの例でいえば「その地域ではどんな食品や日用品の需要が高いのか」「どのメーカーと契約を結べば費用を抑えて仕入れられるのか」を考えることです。
1つの運営スタイルに統一するわけではないため、グローカライズは決して簡単なことではありません。
ときには臨機応変な対応も求められるため、経営について学ぶことはもちろん、その地域について深く理解する力も求められるでしょう。
グローカリゼーションの成功した実例は?
グローカリゼーションを用いて成功する事例は、世界中に多く存在します。
ここでは、日本企業がグローカリゼーションを用いて成功した実例を、2つご覧ください。
ドン・キホーテ
日本ではディスカウントショップとして全国展開しているドン・キホーテですが、実はタイやシンガポールなど、アジア圏を中心に店舗を拡大しています。
ドン・キホーテは日本では食料品や日用品を安く購入できることで有名です。
しかし、海外では「安い」ことをウリにするのではなく、高品質な日本製品を購入できる高級スーパーとしての位置付けで展開しています。
東南アジア周辺と日本では物価が大きく異なり、海外基準での「安い」価格で日本製品を提供することは難しいでしょう。
しかし、日本製品の販路を安定して確保できることを強みにブランディングすることで、海外でも成功するに至りました。
任天堂(ほかゲーム製作会社)
日本のゲームやアニメは世界中でも根強い人気があります。
しかし、海外の方が日本のゲームやアニメを楽しむには、字幕が必要なため、その点を理由に敬遠する方も少なくありません。
しかし、任天堂は海外市場も視野に入れ、翻訳に力を入れておりゲーム内の言語をすべて外国語に設定して遊べるタイトルが豊富です。
例えば『ポケットモンスター』は、ゲームの設定を変えれば10種類の言語で遊べるようになっており、キャラクター名などの固有名詞もその国の言語に即したものに変わっています。
また『ファイアーエムブレム』は外国語版テキストだけでなく、海外声優を起用し外国語版のボイスも用意しているなど、海外の消費者がより言葉の壁を気にすることなく遊べるよう工夫されています。
これにより、市場規模が格段に広がり、今や世界トップレベルのゲーム会社へと成長しました。
グローカリゼーションのメリットとデメリット
グローカリゼーションを企業戦略に組み込むには、メリット・デメリットを知っておかなくてはいけません。
ここでは、グローカリゼーションについて多角的な視点で考えてみましょう。
メリット
・市場規模を広範囲に広げられる
・経済活動におけるコストを抑えられる
・顧客の定着率を向上させられる
グローカリゼーションの大きな魅力は、市場規模の拡大です。
人口減少や他社との競合が加速化する昨今、特定の地域だけでビジネスを続けていては、いずれ経営が破綻するでしょう。
しかし、市場規模を広げ別の地域での経済活動にも参入できれば、その限りではありません。
市場規模を広げ、別の地域でも利益を出せるよう考えることは、グローカリゼーションにおいて重要な考え方です。
デメリット
・すぐに利益が出るわけではない
・不安定な情勢を正確に読み解かなくてはいけない
グローカリゼーションはすぐに結果が数字で現れる経営戦略ではありません。
他地域に進出すれば利益が増える可能性はありますが、その基盤作りやリサーチのため、相応のコストを掛ける必要があります。
さらに、グローカライズしてビジネス展開を計画しても、不安定な情勢を読み間違えば損失が出る可能性も否めません。
そのため、グローバリゼーションは利のある経営戦略ではありますが、慎重に計画を進める必要があることも理解しておきましょう。
グローカリゼーションを取り入れて広域でのビジネス展開を目指しましょう
グローカリゼーションとは「グローバリゼーション」と「ローカリゼーション」を組み合わせた造語です。
広域でビジネスを展開しつつ、各地域ではその土地の需要に合わせてビジネスの形を変えることを指します。
成功すれば広域でのビジネスが成功し、より大きな利益を目指せるでしょう。
しかし、特定の地域に合わせて既存のビジネス戦略を変えることは、そう簡単なことではありません。
グローカリゼーションを取り入れたいと考えているのであれば、慎重に展開地域・経営戦略を慎重に検討しながら計画を立てましょう。
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