電子帳簿保存法対応のクラウドサービスはどれ?比較ポイントと選び方
電子帳簿保存法では、特定の要件を満たしたクラウドサービスを利用して電子帳簿・書類を保存することが義務付けられています。
要件を満たす機能が揃っているサービスを利用すれば、それだけで電子帳簿保存法における正しい管理体制に大きく近付けるでしょう。
法体制への対応を検討しているのであれば、ぜひ要件に合ったクラウドサービスの利用を検討してください。
今回は電子帳簿保存法に対応したクラウドサービスについて紹介します。
法に対応したクラウドサービスの選び方についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
電子帳簿保存法のクラウドサービスの選び方
電子帳簿の保存において検討したいのが、クラウドサービスの導入です。
クラウドサービスのなかには、保存するだけで法に則った形で書類・帳簿を保存できるものもあり、少ない手間で保存体制を整えられるでしょう。
以下では電子帳簿保存法に対応するために検討したい、帳簿保存目的のクラウドサービスの選び方を解説します。
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タイムスタンプは付与できるか
電子帳簿保存法では、スキャナ保存した帳簿・書類にタイムスタンプを付与する必要があります。
タイムスタンプは書類の改ざんがないことを証明する目的で発行されるシステムですが、書類の修正・削除履歴が残るクラウドサービスを利用することでも要件を満たせます。
そのため、クラウドサービスを選ぶ際は以下の要素のいずれかを満たしたものを選びましょう。
・アップロードすればタイムスタンプを発行してくれる
・アップロードした書類の修正・削除の履歴が残る
どちらを選ぶかは、扱う電子帳簿の量などにより変動します。
両方を検討したうえで、よりコストを抑えられる方法を選ぶことが大切です。
OCR機能の有無
OCR機能とは、データの自動入力を行うためのシステムです。
OCR機能があればアップロードされた電子帳簿の内容を認識し、自動的に検索要件を付与します。
電子帳簿保存法では保存した電子帳簿をすぐに検索するための検索要件を満たす必要があります。
OCR機能があれば、膨大な書類・帳簿に手動で検索要件を付与することなく、帳簿保存体制を築けるでしょう。
JIIMA認証
JIIMA認証とは、公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が実施している認証制度です。
JIIMA認証は電帳法スキャナ保存ソフト法的要件認証制度の略で、取得しているクラウドサービスが電子帳簿保存法の保存要件を満たしていることが証明されます。
つまりJIIMA認証されているクラウドサービスを利用すれば、電磁帳簿保存法に則った保存体制をよりスムーズに築くことができるでしょう。
対応できる書類の範囲を確認する
クラウドサービスによっては、電子帳簿の保存要件は満たしているもののスキャナ保存には対応していないなど、一部の書類しか要件を満たしていないサービスもあります。
そのため電子帳簿保存法対応のキャッチコピーだけを見てクラウドサービスを選んでしまうと、自社が扱う帳簿には対応しておらず、別途保存方法を検討しなければいけない可能性も。
そのため自社が扱う書類すべてに対応するクラウドサービスを選ぶことが大切です。
電帳法対応クラウドサービスには種類がある
電子帳簿保存法に対応するクラウドサービスを導入するなら、サービスの種類についても知っておきましょう。
以下では電子帳簿保存法に対応するクラウドサービスについて解説します。
全ての書類対応型
電子帳簿保存法では、損益計算書や仕訳帳をはじめ、あらゆる会計書類も対象書類に分類されます。
そのため会計書類・電子取引における請求書や領収書など、電帳法の対象となるあらゆる書類に対応したサービスを利用する方法が注目されています。
電帳法に対応したクラウドサービスにまとめて対応させたいと考えているのであれば、まずはすべての書類に対応したサービスの導入を検討しましょう。
請求書特化型
請求書は事業内容が大きくなればなるほど分量が膨大です。
大量に受け取った紙の請求書を一元管理したいと考えているのであれば、請求書特化方のクラウドサービスを導入するのもおすすめです。
請求書特化方のクラウドサービスのなかには、OCR機能により読み取った請求書の内容を自動的に認識し、検索要件を付与するほか会計ソフトに自動反映させられるものもあります。
領収書特化型
大量の領収書の処理に悩まされているのであれば、領収書特化のクラウドサービスを利用するのもおすすめです。
領収書特化型のクラウドサービスは経費精算システムの機能として導入されていることが多く、導入すれば電子帳簿保存法の保存要件を満たせるだけでなく、経理業務の負担も減らせます。
領収書の電子保存を目的にクラウドサービスを導入するなら、経理の負担も減らせるサービスを選びましょう。
電子帳簿保存法対応のクラウドサービス(全て)
電子帳簿保存法の対象となるすべての書類に対応したクラウドサービスを紹介します。
電子帳簿保存法の要件を満たしたクラウドサービスを手間なく導入したいと考えている方は、まずは以下の3つに注目してみてください。
invox電子帳簿保存
invox電子帳簿保存は、国税関連書類・帳簿のあらゆる種類に対応しており、導入するだけでスマートに電子帳簿保存体制を築けます。
検索要件の追加も99.9%以上の精度で追加できるため、経理の負担を減らしつつより正確な保存体制を目指せるでしょう。
サービスの機能にはタイムスタンプの付与のほか、従業員によるダブルチェック・承認体制に合わせた保管フローも設定できます。
自社に合った保存体制に合わせることも可能であるため、まず注目したいサービスです。
freee経理
freee経理は経理ソフトであると同時に、あらゆる電子帳簿の保存サービスにも対応しており、freeeソフトで経理業務を一本化できることが魅力です。
電子帳簿保存法だけでなく、インボイス制度の施行により必要となる適格請求書の電子発行・保存にも対応しているため、インボイス制度と合わせて要件を満たせます。
バクラク電子帳簿保存
バララク電子帳簿保存は、電子取引された書類・スキャナ保存した書類いずれにも対応しており、電子書類と紙の書類どちらも扱う可能性がある企業におすすめです。
タイムスタンプの自動付与機能のほか、OCR機能などスキャナ保存に求められる機能も搭載されているため、スキャナ保存業務の煩雑さを軽減できるでしょう。
電子帳簿保存法対応クラウドサービス(請求書特化)
請求書の電子保存に特化した電子帳簿保存法対応クラウドサービスを紹介します。
大量の請求書を負担なく処理できるサービスの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
マネーフォワードクラウド債務支払
マネーフォワードクラウド債務支払は電子帳簿保存法の要件を満たした請求書の保存体制を導入できるだけでなく、電子データでの請求書の作成・メール転送も一括で行えます。
また請求書のファイリング・電帳法の要件を満たした保存も自動で行われるため、大量の請求書も手間なく管理できるでしょう。
BtoBプラットフォーム請求書
BtoBプラットフォーム請求書は79万社以上もの導入実績を持つ請求書特化方のクラウドサービスです。
電子帳簿保存法の要件を満たした請求書の保存だけでなく、支払い通知書や督促機能も搭載されており、保存体制だけでなくミスのない経理・取引も目指せます。
電子帳簿保存法対応クラウドサービス(領収書特化)
経費引き落としのため大量の領収書を扱うなら、領収書に特化したクラウドサービスを導入しましょう。
領収書特化方の電子帳簿保存法対応クラウドサービスを紹介します。
楽楽精算
経理生産システムである楽楽精算は、添付された領収書や請求書をOCR機能で自動的に読み取って保存します。
タイムスタンプの自動付与をはじめ電子帳簿保存法の要件を満たした体制で保存されるため、細かな領収書もミスなく保存できます。
経費BANK
経費BANKは特に中小企業向けの経費精算システムで、小規模・少額なプランからクラウドサービスを導入できます。
AI-OCR機能が搭載されており、精度の高い書類の読み取りが叶うほか、法人カードや交通系ICカードと連携させて、支払いを自動的に帳簿として保存・仕分けデータへの反映も行われる点が魅力です。
電子帳簿保存法対応のクラウドサービス導入で作業効率化を図ろう
電子帳簿保存法に対応したクラウドサービスについて解説しました。
クラウドサービスにはさまざまな種類があり、サービスによりどのような書類に特化しているのか、どのような機能が搭載されているのかが異なります。
いずれのクラウドサービスにも違ったメリットがあるため、自社に必要な機能を検討して選びましょう。
文/おかねチップス編集部
監修文/おかねチップス編集部
おかねチップス編集部
20代後半から40代後半にかけた、ビジネスマンがメインであり、フリーランス、パラレルワーカー、スタートアップ等の読者層が多数。数多くの著名人にも登壇頂いていると同時に各種専門記事については、記事の信頼性を最新性を担保するために、税理士や各業界のプロフェッショナルを監修に迎えたうえで、各記事を編集・校閲・確認を経て制作。
おかねチップス:https://okanechips.mei-kyu.com/
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