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投資信託の手続きのギモン!万が一の時の手続きの仕方を伝授

投資信託の手続きのギモン!万が一の時の手続きの仕方を伝授

もし投資信託の利用者が亡くなった場合、金融商品の相続や所有者はどのように手続きされるのか、気になっている方もいるのではないでしょうか。

現金資産や邸宅・土地であれば多くの相続例がありますが、投資信託は近年その利用者が増えつつある資産運用方法のため、相続の方法についても知っておくことが大切です。

投資信託は注文取引や運用・保有を本人のみに限っている証券会社も多く存在します。

だからこそ、自分が相続する可能性がある方の保有する資産に投資信託があれば、その手続き方法について正しく把握しておきましょう。

今回は亡くなった方の投資信託の相続手続きについて解説します。

投資信託の相続の仕組みについてお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

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亡くなった人の投資信託は遺産分割の対象になるの?

投資信託は遺産分割の対象となります。

遺産分割とは、遺言状がない限りは相続人が全員で財産の分け方について協議し決定する手続き方法を指します。

基本的には被相続人の続柄をもとに判断されますが、話し合いの結果次第では続柄に依存しない割合や方法で分割することも可能です。

投資信託については、もともと遺産分割の対象となるか否かが専門家の間でも意見が分かれていました。

しかし2014年2月に行われた最高裁での判例において、投資信託についても遺産分割の対象となる判決が下されたことから、現在では多くの場合に投資信託も遺産分割されています。

投資信託の相続に必要な手続きは?

投資信託の相続に必要な手続き方法は、場合によって異なります。

投資信託は遺産分割が可能な資産に含まれるため、当てはまるケースをもとに遺産の相続手続きを検討しましょう。

以下では投資信託の相続に必要な手続きについて解説します。

遺言状がある場合

被相続人が書いた遺言状があり、そのなかで投資信託を含めた金融資産に関する相続に言及があれば、遺言状に従って分割し相続します。

遺言状では遺産を分割する割合や相続人を指定できるほか、銘柄ごとに遺産を分割し相続させることも指定可能です。

ただし遺留分権利者以外に遺産が配られない内容だった場合は、相続について言及されていない利益・資産から遺留分侵害額として支払いを請求できます。

遺留分侵害額とは、被相続人が遺言状にて遺留分権利者以外に財産を相続してほしい旨が記されていた場合、遺留分権利者が請求できる遺留分に相当する金額を指します。

これは裁判所での請求調停にて手続きでき、認められれば遺留分に相当する金額が与えられるのです。

遺産分割協議をする場合

遺言状で投資信託の相続に関する言及がない場合は、相続人たちで遺産分割協議を行う必要があります。

遺産分割協議は相続人全員が参加すること、遺産の分割に関して全員の合意が取れる結果を話し合わなければいけません。

そして最終的には遺産分割協議書を作成し、全員の署名・押印が成されれば、遺産分割が決定されます。

遺産分割の方法として代表的なものに、以下の4つが挙げられます。

・現物分割:遺産をそのまま被相続人に引き渡す方法

・代償分割:遺産を売却し現金にしたうえで分割する方法

・換価分割:1人が遺産をそのまま受け取り、ほかの被相続人には相当する現金を渡す方法

・共有分割:邸宅など財産の保有権を相続人複数人で共同所有する方法

4つの相続方法のなかでも、投資信託は代償分割が採用されることが多い資産です。

投資信託は被相続人が亡くなったあとも、当然価値が変動し続けるもののため、換価分割や共有分割を選ぶと手続きや分け方が煩雑になるためです。

基本的には被相続人との続柄に応じた協議が成されますが、相続人の意思や被相続人の財産の内容をもとに、全員の合意を取れる相続方法を検討しましょう。

調停をする場合

遺産分割協議で合意が取れなかった場合、裁判所にて遺産分割調停を行うことになります。

相手方に取るのは協議にて頑なに合意を取らない1人であったり、ほかの相続人全員を相手取る場合もあります。

調停手続きを行えば、相続や民事裁判に携わる調停委員が話を聞いたうえで、具体的な解決方法を提示します。

しかしそれでも合意に至らなかった場合は、審判手続きを行い裁判官が遺産相続に関して判決を下すため、話し合いでは一向に結果が出ない場合に有効です。

相続人同士の意見や遺産の内容をもとに、遺産分割協議では相続方法が定まらなければ、調停を提案するのも良いでしょう。

売却・引き継ぎをするときの注意点

投資信託を相続する場合、特に注意しなければいけないことが解約する際の基準価額の変動です。

投資信託は日々価値(基準価額)が移り変わっており、突然価格が高騰することもあれば、暴落する場合もあります。

投資信託の運用額が大きければ大きいほど、日々の移り変わりによる金銭的価値も大きく変動するでしょう。

そのため基本的には、売却における現金的価値は相続人が手続きする日によって変わり、万が一暴落した日に売却したとしても批判はできません。

これは現金ではなくそのまま運用を引き継いだ場合も同様です。

もし1人が金融商品として相続しほかの相続人に現金で遺産を分割する換価分割を採用した場合、金融商品を相続した人は今後も運用によって利益を生み出せます。

最初に金銭を支払っても財産としての保有割合は基準価額の変化に応じて移り変わっていくでしょう。

投資信託の基準価額とは?移り変わる投資信託の価値について詳しく解説

相続人口座とは何か?

相続人口座とは、投資信託を被相続人からそのまま引き継ぐ場合の、相続人本人の名義で開設・所有する証券口座を指します。

投資信託をはじめとした投資では、現金資産を保有する普通口座ではなく、証券口座に入金した資産を使って運用していきます。

投資信託を相続する際は必ず被相続人口座から相続人口座に、投資信託を移管してもらったうえで売却または運用しなければいけません。

投資信託は基本的には本人の名義でのみ運用可能ですが、相続における移管手続きは各証券会社・金融機関が必要に応じて手続きを受け付けています。

被相続人の死亡を伝えると、被相続人の投資信託口座は凍結・取引停止処理が行われるため、必ず被相続人の利用する証券会社の相続手続きについても確認したうえで、相続の手続きを進めましょう。

運用益には税金が掛かる

投資信託は証券口座で運用されている金額をそのまま受け取れるのではなく、運用益に応じた税金が発生します。

税金は運用益に対して20.315%が発生するため、税金を差し引いた金額で遺産分割について考えておくことも大切です。

なお税金の差し引きについては特別口座で源泉徴収されている場合は別途支払う必要がないため、あらかじめどのような設定で運用されているか確認しておきましょう。

特に現金資産にしてから相続人同士で遺産を分割する代償分割を選択した場合、税金の差し引きについて遺産分割協議書に明記しなければ贈与税が発生する可能性もあります。

相続の際は投資信託に掛かる税金も把握したうえで、協議を行いましょう。

万が一の時の投資信託は他の財産とは異なるところに注意です

投資信託の相続手続きについて解説しました。

投資信託は遺産分割の対象であり、相続人全員で話し合ったうえで適切な分割方法を決定する必要があります。

基本的には続柄に応じた分割割合を決める必要がありますが、遺言状などがある場合は、それらも考慮したうえで分割方法を決めましょう。

分割における適切な配分は、投資信託以外にどのような遺産があるのか、相続人が何人いるのかによっても変わります。

万が一の際に対応に困らないよう、投資信託を利用する際は相続や手続きについて正しく把握したうえで運用してください。

文/おかねチップス編集部
監修文/おかねチップス編集部

おかねチップス編集部

おかねチップスは、毎月30件以上の記事配信と業界人へのインタビュー記事等を多く取り上げており、創刊1年で月間25万PVと22万UUの購読者数へと成長。
20代後半から40代後半にかけた、ビジネスマンがメインであり、フリーランス、パラレルワーカー、スタートアップ等の読者層が多数。数多くの著名人にも登壇頂いていると同時に各種専門記事については、記事の信頼性を最新性を担保するために、税理士や各業界のプロフェッショナルを監修に迎えたうえで、各記事を編集・校閲・確認を経て制作。

おかねチップス:https://okanechips.mei-kyu.com/

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