リブランディング成功事例10選から学ぶ!企業成長を加速させる秘訣

現代のビジネス環境は目まぐるしく変化しており、企業が持続的に成長するためには、市場や顧客ニーズに合わせて常に進化していく必要があります。
その手段の一つとして、リブランディングは非常に有効な戦略です。しかし、単にロゴやデザインを変更するだけでは、真の成功とは言えません。
この記事では、リブランディングを成功させ、企業価値を飛躍的に向上させた10の具体的な事例をご紹介します。これらの事例から、どのような背景でリブランディングが行われ、どのような戦略が功を奏したのかを学ぶことで、自社のリブランディングを成功させるためのヒントを見つけられるでしょう。
さらに、リブランディングを成功に導くための重要なポイントについても解説します。
リブランディング成功事例10選
1. 株式会社ZOZO(旧 株式会社スタートトゥデイ)

会社URL:https://corp.zozo.com/
・リブランディング前に抱えていた課題
2018年、ファッション通販サイト「ZOZOTOWN」を運営するスタートトゥデイは、かねてより議論されていた社名変更を決定しました。当時、「ZOZOTOWN」というサービス名が広く浸透していた一方で、「スタートトゥデイ」という社名は一般的に認知されていないという課題を抱えていました。
・リブランディング概要
この状況を打破し、企業とサービスのブランドイメージを一体化させ、さらなる成長を加速させるため、同社はサービス名である「ZOZO」を冠する「株式会社ZOZO」への社名変更を断行しました。これは、単なる社名変更にとどまらず、新たな事業展開への意思表示でもありました。
社名変更と同時に、プライベートブランド「ZOZO」の展開や、体型計測スーツ「ZOZOSUIT」の導入など、ファッションテック企業としての姿勢を強く打ち出し、顧客体験の向上とデータ活用による新しい価値提供を目指しました。
これにより、企業としての方向性を明確にし、より先進的なイメージを確立しました。
・リブランディング後の結果
結果として、「ZOZO」というブランドが企業とサービスの双方で強力に認知され、ファッション業界におけるリーディングカンパニーとしての地位をより一層強固なものにしました。
このリブランディングは、企業のビジョンと事業戦略をブランドに反映させ、市場に明確に伝える成功事例と言えるでしょう。
2.株式会社メルカリ

会社URL:https://about.mercari.com/
・リブランディング前に抱えていた課題
フリマアプリのパイオニアとして急成長を遂げたメルカリは、国内での圧倒的なシェアを確立する一方で、海外展開や新規事業への挑戦を進める中で、企業としての次のステージを見据える必要がありました。
・リブランディング概要
同社は、これまでの「個人間の取引」というイメージに加え、「新たな価値を生み出すプラットフォーム」としての企業像を確立するため、2019年にCI(コーポレートアイデンティティ)を刷新。ロゴデザインの変更だけでなく、ブランドメッセージやステートメントを再定義しました。
新しいロゴは、多様な価値観が交錯し、循環する様子を表現しており、単なるフリマアプリに留まらない、より広い「価値交換」の場を提供する企業としてのビジョンを打ち出しました。また、社内への浸透にも力を入れ、従業員一人ひとりがブランドの体現者となるよう意識改革を促しました。
・リブランディング後の結果
このリブランディングにより、メルカリは単なるフリマアプリ企業から、社会全体における「新たな価値循環」を創造する企業へとブランドイメージを向上させ、新規事業への展開やグローバル市場での競争力を強化しました。
3.ソニー株式会社

会社URL:https://www.sony.com/ja/
・リブランディング前に抱えていた課題
ソニーは長年、エレクトロニクス企業としての強力なブランドイメージを確立していましたが、2000年代以降のデジタル化の波と競争の激化により、事業構造の転換を迫られました。特に、家電事業の低迷が課題となっていました。
・リブランディング概要
同社は、エレクトロニクスだけでなく、エンタテインメント(ゲーム、音楽、映画)、金融など、多角的な事業を展開する「クリエイティブエンタテインメントカンパニー」としての方向性を明確にするリブランディングに着手しました。これは、過去の栄光にとらわれず、新たなソニー像を築くための挑戦でした。
具体的には、各事業間の連携を強化し、ユーザー体験全体をデザインする「One Sony」戦略を推進しました。PlayStation®やソニーミュージック、ソニーピクチャーズといった各分野の強みを連携させ、総合的なエンタテインメント体験を提供することで、ブランド価値の向上を図りました。
・リブランディング後の結果
このリブランディングは、単なる製品の提供者から、感動と体験を提供する企業へとソニーのブランドイメージを転換させました。
これにより、不安定だったエレクトロニクス事業への依存度を下げ、多角的な収益源を持つ強靭な企業体質への変革に成功しました。
4.株式会社良品計画(無印良品)

会社URL:https://ryohin-keikaku.jp/
・リブランディング前に抱えていた課題
無印良品は、もともと「わけあって、安い。」というコンセプトでスタートし、シンプルなデザインと高品質な商品を展開していましたが、消費者ニーズの多様化や競合の増加により、ブランドの独自性を再定義する必要がありました。
・リブランディング概要
同社は、単なる商品の提供にとどまらず、「これでいい」ではなく「これでいい」と感じられる「気持ちのいい暮らし」を提案するブランドへの進化を目指しました。これは、消費者の生活全体を豊かにするライフスタイルブランドとしてのポジショニングを明確にするものでした。
具体的には、商品のラインナップを家具、衣料品、食品、さらには家づくりまで拡大し、店舗デザインも「暮らしの提案」を意識したものへと変更しました。また、地域との連携や環境配慮といった社会的な価値の提供にも力を入れ、ブランドの哲学を深く浸透させました。
・リブランディング後の結果
このリブランディングにより、無印良品は単なる雑貨店から、多様な生活シーンを提案する「ライフスタイルブランド」として確固たる地位を築きました。顧客からの高い支持を得ることで、国内外での事業拡大を成功させています。
5. 株式会社CAMPFIRE

会社URL:https://camp-fire.jp/
・リブランディング前に抱えていた課題
国内最大級のクラウドファンディングサービスであるCAMPFIREは、様々なプロジェクトの資金調達を支援してきましたが、サービスが拡大する中で、「資金集めの場」という認識に留まり、その先の「夢の実現」や「社会貢献」といった価値が十分に伝わっていないという課題を抱えていました。
・リブランディング概要
同社は、単なるプラットフォームではなく、「挑戦を後押しする」という企業としてのミッションをより明確にするため、2020年にCIを刷新しました。ロゴマークの変更に加え、「一人ひとりがもつ可能性を信じ、カタチにする」という新たなブランドメッセージを掲げました。
新しいロゴは、無限の可能性と成長を象徴する「円」と、多様な人々が共鳴し合う様子を表す「重なり」を表現しています。また、プラットフォーム上でのコミュニティ形成支援や、プロジェクトオーナーへの伴走支援を強化することで、資金調達だけでなく、挑戦そのものを支える姿勢を打ち出しました。
・リブランディング後の結果
このリブランディングにより、CAMPFIREは単なる資金調達の場から、「挑戦する人々の夢を育み、社会に新たな価値を生み出す」という、より大きな存在意義を持つブランドへと進化しました。
これにより、利用者のエンゲージメントを高め、より多様なプロジェクトを支援できる基盤を確立しました。
6. 株式会社ユーグレナ

会社URL:https://www.euglena.jp/
・リブランディング前に抱えていた課題
ユーグレナは、微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)の研究開発から事業化に成功した企業として知られていましたが、その事業が食品、化粧品、燃料など多岐にわたる中で、一般消費者への企業としての全体像や社会貢献性が十分に伝わっていないという課題がありました。
・リブランディング概要
同社は、「健康」と「環境」という二つの軸をより明確に打ち出し、企業としての社会的使命を再定義するリブランディングを実施しました。これは、単なるミドリムシの企業ではなく、地球規模の課題解決に貢献する企業としてのブランドイメージを確立する試みでした。
コーポレートメッセージを「Sustainability first.」とし、持続可能な社会の実現に貢献する企業としての姿勢を強く打ち出しました。食品事業では栄養改善、燃料事業ではバイオ燃料の開発など、各事業が地球の未来にどう貢献するのかを明確に示しました。また、社内への啓蒙活動も積極的に行い、社員一人ひとりがブランドの体現者となるよう意識を共有しました。
・リブランディング後の結果
このリブランディングにより、ユーグレナは単なる特定の素材を扱う企業から、地球と人類の未来に貢献するサステナブルな企業へとブランドイメージを向上させました。
これにより、投資家や消費者からの信頼獲得に繋がり、企業価値の向上と事業の多角化を加速させました。
7. 株式会社LIFULL(旧 株式会社ネクスト)

会社URL:https://lifull.com/
・リブランディング前に抱えていた課題
不動産情報サイト「HOME’S」を運営していた株式会社ネクストは、住まい探しという領域を超え、人生のあらゆるフェーズにおける「LIFE」を支援する企業へと事業を拡大する中で、既存の社名がその事業内容と合わなくなってきているという課題を抱えていました。
・リブランディング概要
同社は、「あらゆるLIFEを、FULLに。」というミッションを掲げ、社名を「株式会社LIFULL」へと変更する大規模なリブランディングを実施しました。これは、不動産事業だけでなく、介護、地方創生、海外展開など、多岐にわたる事業を包括するブランドイメージを構築するためでした。
新しい社名「LIFULL」は、「LIFE(暮らし、人生)」と「FULL(満たす)」を組み合わせた造語であり、顧客の人生を豊かにするという企業理念を明確に表現しています。ロゴデザインも刷新し、事業の多角化と未来への広がりを視覚的に訴求しました。また、社内にもビジョンを浸透させ、従業員の意識改革を促しました。
・リブランディング後の結果
このリブランディングにより、LIFULLは単なる不動産情報提供企業から、「暮らしのあらゆる課題を解決し、人々の人生を豊かにする」という壮大なビジョンを持つ企業へとブランドイメージを転換させました。
結果として、多角的な事業展開への理解を深め、企業としての社会貢献性も高めることに成功しました。
8. 株式会社サイバーエージェント

会社URL:https://www.cyberagent.co.jp/
・リブランディング前に抱えていた課題
インターネット広告事業で急成長を遂げたサイバーエージェントは、ゲーム事業やメディア事業など多角的な事業展開を進める中で、企業としてのアイデンティティや強みを改めて明確にする必要がありました。特に、ベンチャー企業としてのスピード感を保ちつつ、大企業としての信頼感を両立させる課題がありました。
・リブランディング概要
同社は、「21世紀を代表する会社を創る」というビジョンを掲げ、変化の激しいインターネット業界において、常に挑戦し続ける企業としてのブランドイメージを再構築するリブランディングを行いました。これは、採用活動においても強いメッセージとなることを意識していました。
具体的には、ロゴデザインを刷新し、シンプルかつ力強い印象を与えるものに変更しました。また、「挑戦と創造」「組織力」「人材」といったキーワードを軸に、企業文化を社内外に強く発信しました。特に、社員の活躍をフィーチャーしたコンテンツ制作や採用ブランディングに力を入れ、企業の魅力を多角的に伝えました。
・リブランディング後の結果
このリブランディングにより、サイバーエージェントは単なる広告代理店ではなく、多様なインターネットサービスを生み出し続ける「挑戦する組織」というブランドイメージを確立しました。
これにより、優秀な人材の獲得に繋がり、さらなる事業拡大を推進しています。
9. 株式会社ヤッホーブルーイング

会社URL:https://yohobrewing.com/
・リブランディング前に抱えていた課題
ヤッホーブルーイングは、クラフトビールの黎明期から「よなよなエール」などの個性的なビールを製造していましたが、大手ビールメーカーのクラフトビール参入や市場の拡大に伴い、多くの消費者にとって「クラフトビール」というジャンル自体がまだ特別な存在でした。
・リブランディング概要
同社は、「ビールに味を!人生に幸せを!」というミッションを掲げ、単に美味しいビールを提供するだけでなく、ビールを通じて「人生を豊かにする」という価値を伝えるリブランディングに着手しました。これは、クラフトビール市場全体の活性化と、自社ブランドの差別化を図るためでした。
具体的には、商品のパッケージデザインをより親しみやすく、物語性を感じさせるものに刷新しました。また、顧客との接点を増やすために、オンラインイベントの開催や、SNSでの積極的な情報発信、さらには「よなよなエール」の世界観を体験できるイベントスペースの展開など、多角的なブランド体験を提供しました。
・リブランディング後の結果
このリブランディングにより、ヤッホーブルーイングは単なるクラフトビールメーカーから、「ビールのある幸せな時間」を提案するライフスタイルブランドへと進化しました。
結果として、熱狂的なファンを獲得し、クラフトビール市場における確固たる地位を築き、企業としての成長を継続させています。
10. 株式会社DeNA

会社URL:https://dena.com/jp/
・リブランディング前に抱えていた課題
モバイルゲーム事業で一世を風靡したDeNAは、その後、ヘルスケア、スポーツ、AIなど、多角的な事業展開を進める中で、「モバイルゲームの会社」という従来のイメージが、実態とかけ離れていくという課題を抱えていました。
・リブランディング概要
同社は、社会の課題を解決し、人々に新たな驚きと感動を提供する「Delight and Impact the World」というミッションを掲げ、企業としての事業領域と社会貢献性を明確にするリブランディングを実施しました。これは、多様な事業を包括するブランドイメージを構築するためでした。
ロゴデザインを刷新し、変化と多様性を表現する曲線を取り入れました。また、各事業における取り組みを積極的に発信し、社会にどのような価値を提供しているのかを具体的に示しました。特に、プロ野球球団「横浜DeNAベイスターズ」の運営を通じて、地域貢献やスポーツ文化の醸成にも力を入れ、企業イメージの向上を図りました。
・リブランディング後の結果
このリブランディングにより、DeNAは単なるモバイルゲーム企業から、「社会にインパクトを与える多様な事業を展開するIT企業」へとブランドイメージを転換させました。
これにより、新たな事業領域への参入がスムーズになり、優秀な人材の獲得にも貢献しています。
リブランディング成功の鍵を握る3つの要素
リブランディングを成功させるためには、ターゲット層の再定義、ブランドストーリーの明確化、そして社内への浸透という3つの要素が不可欠です。
これらの要素が欠けていると、リブランディングは表面的な変化に終わり、顧客にメッセージが届かなかったり、社員のエンゲージメントが低下したりする可能性があります。リブランディングは、企業の存在意義そのものを見つめ直すプロセスであり、これらの要素がブランドの核を形成するからです。
例えば、ターゲット層が曖昧なままリブランディングを進めても、誰に何を伝えたいのかが不明瞭になり、メッセージが響きません。一方で、ターゲットを明確にし、彼らが共感できるブランドストーリーを紡ぎ出すことで、感情的な繋がりを構築できます。
さらに、新しいブランドビジョンや価値観が社内で共有され、社員一人ひとりがそれを体現できなければ、顧客への一貫したブランド体験を提供することはできません。実際に成功している企業は、これらの要素を徹底的に追求し、社内外にブランドの哲学を深く浸透させています。
このように、戦略的なターゲット設定、魅力的なストーリーテリング、そして徹底したインナーブランディングが、リブランディングを成功に導くための重要な鍵となります。
リブランディングにおけるデジタル戦略の重要性
現代のリブランディングにおいて、デジタル戦略は不可欠な要素であり、特にウェブサイト、SNS、デジタル広告の最適化が成功を左右します。
デジタルチャネルは、顧客がブランドに接触する主要な接点となっており、ここでのブランド体験がリブランディングの成否に直結するからです。デジタル上での一貫したメッセージ発信と魅力的な表現は、新しいブランドイメージを迅速かつ効果的に広める上で欠かせません。
例えば、ウェブサイトは企業の顔として、新しいブランドメッセージやデザインを最初に体験する場所となります。ユーザーエクスペリエンス(UX)を考慮したUI(ユーザーインターフェース)デザイン、SEOに配慮したコンテンツ、そしてスマートフォン対応は必須です。
また、SNSは顧客とのインタラクティブなコミュニケーションを可能にし、ブランドへの共感を醸成する上で非常に強力なツールとなります。新しいブランドのトーン&マナーに合わせた投稿内容やキャンペーンを展開することで、フォロワーのエンゲージメントを高めることができます。
さらに、ターゲットに合わせたデジタル広告を戦略的に活用することで、新しいブランドの認知度を効果的に向上させることが可能です。
このように、デジタル戦略を綿密に計画し実行することで、リブランディングの効果を最大化し、現代の市場において競争優位性を確立することができます。
リブランディング後の効果測定と改善サイクル
リブランディングは、実行して終わりではなく、その後の効果を測定し、継続的に改善していくサイクルを回すことが成功への不可欠な要素です。
リブランディングはあくまで仮説に基づいた戦略であり、市場や顧客の反応は常に変化するため、想定通りの効果が得られない可能性も考慮する必要があります。PDCAサイクルを回すことで、効果の検証と改善を繰り返し、より強固なブランドを構築できるからです。
例えば、リブランディング後にウェブサイトのアクセス数、SNSのエンゲージメント率、顧客アンケートによるブランド認知度の変化、売上高や顧客獲得単価の変動といった具体的なKPI(重要業績評価指標)を設定し、定期的に測定します。もし、特定の指標が改善されていない場合は、ブランドメッセージの見直し、クリエイティブの再考、プロモーション戦略の変更など、具体的な改善策を講じます。
これにより、リブランディングの効果を最大化し、企業の持続的な成長に繋げることができます。
このように、リブランディングは一度の施策で完結するものではなく、継続的なモニタリングと改善を通じて、市場の変化に適応し続ける「生き物」のような存在として捉えることが重要です。
成功事例から学び、自社のリブランディングを成功させよう
リブランディングは、企業の未来を切り拓くための強力な戦略です。今回ご紹介した10の成功事例は、それぞれ異なる背景や目的を持ちながらも、共通して明確なビジョンと戦略、そして一貫性のある実行が成功の鍵となっていることが分かります。
これらの事例から得られる教訓は、単に外見を変えるだけでなく、企業の核となる価値を再定義し、それを社内外に深く浸透させることの重要性です。また、デジタルチャネルの活用や、効果測定と改善を継続的に行うことで、リブランディングの効果を最大化できることも示されています。
ぜひ、これらの成功事例を参考に、自社のリブランディング戦略を具体的に検討してみてください。適切なパートナーと共に、あなたの会社も新たな成長ステージへと飛躍できるはずです。
知識を皆に
シェアしよう!

リブランディング成功事例10選から学ぶ!企業成長を加速させる秘訣
この記事のシェアをする
こちらの記事は
役に立つはずだよ!
編集部のおすすめ記事