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役員報酬には税金が掛かる!節税の方法を知ろう

役員報酬には税金が掛かる!節税の方法を知ろう

1つの企業に所属して働いていると、納税はすべて会社に任せてしまえるため、あまり税金について気にする機会は多くはありません。

しかし、会社役員の場合は異なります。

会社役員は厳密には「従業員」ではなく、税金問題を自分で考える必要が生じます。

中でも考えたいのが、役員報酬にかかる税金と節税方法です。

出世に伴い給与から役員報酬に切り替わる方は、報酬の仕組みをよく知っておかなくてはいけません。

そこで今回は、役員報酬を受け取る場合に発生する税金の仕組みと節税対策について解説します。

役員報酬には税金が掛かります

会社役員も従業員も、1つの企業に務める社員であることは共通しています。

しかし、会社への所属方法には違いがあり、賃金の受け取りも従業員は「給与」、会社役員は「役員報酬」として扱われます。

従業員の場合は会社がまとめて納税してくれるため、あまり気にしたことがないかもしれません。(従業員であっても年収1千万円を超える場合は確定申告の必要があります)

しかし、役員報酬の場合は自分で税金を計算し確定申告する必要があるため、通常業務のほかに納税のための準備も行う必要があります。

住民税と所得税が掛かる

税務上の分類は、従業員の給与も役員報酬も同じ「給与所得」に分類されます。

そこで役員報酬で支払う必要があるのは「所得税」と「住民税」の2種類。

所得税は基本的に、源泉徴収という形で受け取る役員報酬からすでに引かれており、引かれた額によっては確定申告に際して還付金を受け取れる場合があります。

対して住民税は住んでいる市町村に応じて納税額が変わり、確定申告した額に応じて支払額が決まります。

役員報酬にかかる住民税は基本的に「特別徴収」が義務付けられており、会社から支払うことになります。

そのため自分で納税する必要はありませんが、支払われた役員報酬に対していくら納税しているのか知っておくことは、お金を管理する上で大切なことです。

役員報酬とはなにか

そもそも役員報酬とは、その言葉の通り会社役員(取締役・監査役など)に支払う報酬を指します。

従業員と同じく「給与所得」に分類されますが、納税の仕組みに明確に違いがある理由は「雇用契約の有無」です。

従業員(正社員・非正規社員など)の場合は入社と同時に雇用契約を結び、納税にかかる業務もすべて会社が一括して行えます。

対して会社役員の場合は雇用契約が結ばれておらず、確定申告や納税にかかる業務を個人で行わなくてはいけません。

社会保険との関係は?

社会保険についても、役員報酬を受け取る場合は複雑な仕組みが存在します。

会社役員の場合、支払う必要があるのは健康保険料と厚生年金保険料の2つで、これらは納税において控除の対象になります。

それぞれの額は年収・年代により毎年変動するため、役員報酬を受け取る際は毎年いくら支払う必要があるのかチェックしておきましょう。

特に役員報酬の場合は、基本的に会社と折半して支払うことになるため、保険料をチェックする際は「折半額」を見ることになります。

また、先述の源泉徴収は役員報酬から保険料が差し引かれた額で変動します。

役員報酬を変更するときの注意点

役員報酬は状況に応じて増減させる必要があるケースも。

ただ、役員報酬の大幅変更は節税にもメリットがあるため、頻繁に変動させてしまうと税務署から監査が入る可能性もあるため、慎重に額を決定しましょう。

ただ、人事の入れ替えをはじめ変動が必要な場合、まず利用しやすいのが年度はじめ3ヶ月以内です。

株主総会で役員報酬の変更を議題として提出し、可決されれば変更できます。

このとき変動額に応じて、保険料の等級が変わる場合もあるでしょう。

特に2等級以上変わる場合は「被保険者報酬月額変更届」を提出し、支払額にも対応することも忘れてはいけません。

対して、年度途中(年度が始まって4ヶ月以降)の増額は、二重課税が生じてしまうため注意が必要です。

これは増えた役員報酬分は損金算入できないことが大きな原因です。

そのため、報酬として増額した分にも法人税が発生してしまい、結果的に納税額が増えてしまうため、増額は年度始めや人事異動をした際に行いましょう。

役員報酬の主な節税対策

役員報酬は税金の仕組みが異なるため、節税を目指すのであればその仕組みをしっかりと理解しておくことも大切です。

基本的に税金は収入が高ければ高いほど、納税額も高くなっていきます。

そのためシンプルに考えれば、役員報酬を安くすると納税額も抑えられ、節税に繋がるでしょう。

しかし、役員報酬を偽って申告することは違法行為であるのはもちろん、税務署や株主からも疑問を持たれてしまいます。

そこで、役員報酬は「会社の利益に対して正当な割合」を意識して決定しましょう。

一般的に、役員報酬は「利益の3割が妥当」と言われています。

もちろん業務内容や業種によってある程度の増減はありますが、この金額であれば企業の支払う法人税・個人の納税額ともに抑えられ、節税効果も期待できます。

シミュレーションをして対策しよう

役員報酬は従業員の給与とは雇用形態、ひいては税金の仕組みも異なるため、役員報酬を受け取る・支払う際は、その仕組みをよく理解しておくことが大切です。

最後に、役員報酬にかかる税金の仕組みをまとめます。

・役員報酬が支払うべき税金は基本的に住民税と所得税の2種類
・個人で申告する必要があるものの特別徴収される
・役員報酬の増減は年度始め・人事異動のタイミングがベスト
・利益の3割を意識して役員報酬を決めれば節税効果を望める

会社の利益・役員の人数などにより、税額は大幅に変動します。

そのため、役員報酬を決定する際は「いくらに設定すればいくら納税する必要があるか」を徹底的にシミュレーションして最適解を見つけましょう。

法を守った納税は大切ですが、会社の利益・役員や社員のモチベーション管理を考えて税額をチェックすることも大切です。

自社にとってベストな役員報酬額を定めることで、より良いビジネスに繋げてください。

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