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終身雇用は崩壊したの?今後考えておくべき働き方やキャリア形成

終身雇用は崩壊したの?今後考えておくべき働き方やキャリア形成

ほんのひと昔前の日本の企業では、終身雇用が当たり前でした。

終身雇用とは、採用した社員を定年退職まで長く雇用し続ける制度のことで、国内では学校を卒業して新卒入社し、その企業で定年退職を迎えることを意味します。

しかし、働き方は徐々に変革され、国内の終身雇用制度は崩壊したともいわれています。

そこで今回は、現在の終身雇用が崩壊したといわれている理由とともに、終身雇用制度の長所・短所についてご覧ください。

終身雇用が崩壊したのは嘘なの?いつから?

「終身雇用制度が崩壊した」といわれている理由として、仕事の評価基準が変わってきていることが挙げられます。

終身雇用制度が当たり前だった数十年前では、社員を採用し、社内で教育し年功序列で出世させていくスタイルが通例でした。

しかし、現代では「成果主義」の企業が増えてきており、年齢に関わらず、仕事ができる人を評価する仕組みが当たり前になりつつあります。

特にIT業界では、どんどん技術が移り変わってきているため、人生経験を積んだ先輩社員よりも、勉強熱心でやる気のある社員の方が仕事ができる傾向にあります。

そのため、年功序列で出世させるより、勤務年数に関わらず仕事ができる社員を出世させていく方が、会社として利益になるケースが珍しくありません。

これはIT業界に限らず、あらゆる企業で起きていることです。

そのため、時には企業が求める評価基準に達せられず、何年働き続けても給料が上がらない社員や、どんどん後輩に先を越されていく社員も出てきます。

そのため、終身雇用で働き続ける「うまみ」が損なわれつつあり、終身雇用が崩壊しつつあるといわれているのです。

終身雇用制度の長所と短所は?

終身雇用制度には長所と短所それぞれが存在します。

これから就職・転職活動するのであれば、終身雇用制度を大切にしている企業を選ぶか、それとも成果主義の企業を選ぶか悩んでいる方もいるでしょう。

それなら、終身雇用制度の特徴について知っておくことが大切です。

ここでは、終身雇用制度の長所と短所を、それぞれ解説します。

長所

・長期的に働き安定した収入を確保しやすい
・長期的な目で見た社員育成を受けられる

終身雇用制度の何よりもの魅力は、定年まで安定して働き続けられるところです。

会社が倒産しない限りは同じ企業で仕事に携わることができ、収入も安定するでしょう。

また、年功序列制度を導入している企業であれば、働いていく中で徐々に収入も上がり、それがやりがいに繋がるケースも少なくありません。

企業側からしても、雇用した社員が定年退職まで働いてくれる可能性が高いことから、長期的な目で見た社員育成を行えます。

教育・育成には一定以上のコストが掛かるため、すぐに辞めてしまう社員にも教育・育成に時間を掛けては会社の損失は増えるでしょう。

しかし、終身雇用であれば社員の定着率が高く、行き届いた教育・育成を実現できます。

短所

・社員の向上心・努力意識を保てない
・さまざまなスキルを持つ人材を確保しづらい

終身雇用制度は「安定した収入を得られる・年功序列で給与が上がっていく」ことが魅力ですが、言い方を変えれば「頑張らなくても働き続ければ給料が上がる」です。

これは企業側から見れば大きな短所で、社員の向上心や努力意識を保つことができず、求める労働生産性を確保できない可能性があります。

そのため、より高い労働生産性を求めるなら、終身雇用制度は短所になりうる場合もあるのです。

また、終身雇用制度は基本的に、学校を卒業した新卒社員を採用し、そのまま定年退職まで勤めてもらう制度のため、中途採用の機会は極端に減ります。

中途採用社員は、他の企業や業種でスキルを蓄積し、自社では育成できない素養を持つ社員を取り入れられることも魅力の1つです。

しかし、その機会が少ない終身雇用制度の企業では、さまざまなスキルを持つ社員を確保しづらいため、この点も短所だといえます。

終身雇用制度を守っていくのはトヨタですら難しいこと

終身雇用制度は、労働生産性向上の観点においてデメリットも多いです。

2019年5月には、トヨタ自動車社長・豊田章男氏が「終身雇用の維持は難しい」と発言したほどです。

日本を代表する大企業でさえ、終身雇用の維持が難しいと考えていることは、当時大きな話題となりました。

その原因の1つとして、長引く不況が挙げられます。

終身雇用制度は、あくまでも好景気を前提とした雇用制度です。

つまり、同じ仕事をしてもその金銭的価値が上がり続けることを前提に作られた制度のため、年功序列の給料制や終身雇用を選んでも、安定した給与を支払えました。

しかし、現在は20年以上にも渡る不景気が続いています。

そのため常に向上心を持ち新たな時代に即した仕事を覚えていかなくては、すぐに優秀な人材や機械の労働生産性に追い越されてしまうでしょう。

この時代背景から見ても、今後劇的に国内景気が好転しなくては、終身雇用制度の維持は難しいことが考えられます。

終身雇用制度は今後どうなっていくのか

終身雇用制度は、不景気の昨今崩壊しつつあることが事実です。

現在の日本では、国内企業のおよそ半数が終身雇用制度を導入しているといわれていますが、あと数年はその数字が下がっていくことが予測されます。

終身雇用制度が崩壊していくのか、またその数字を取り戻していくのかは、専門家の間でも意見が分かれるポイントです。

そこで考えたいのが、新たなキャリアデザインです。

自分が得意な仕事・やりたい仕事を今一度見直した上で、時には転職やキャリアチェンジを考えながら、上手く仕事を渡り歩いていくことが求められます。

定年の引き上げに伴い、労働年齢はどんどん長くなっている今だからこそ、やりがいがある仕事・自分が続けたいと思う仕事を見つけて、時代に合わせた働き方を目指しましょう。

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