【知っていますか?】個人事業主が加入する国民健康保険組合の知識
「独立して個人事業主になるけど、健康保険はどうすればいいの?」
「会社の健康保険が継続できるって聞いたけど・・・」
このようにお悩みではないですか?
皆保険制度の日本では、国民は健康保険に必ず加入しなければなりません。
会社に勤めていれば会社の健康保険に入れますが、退職して個人事業主になる場合は国民健康保険に入る必要があります。
しかし、条件によっては会社の健康保険を続けることも可能です。
この記事では、個人事業主が加入する国民健康保険の制度概要や国民健康保険組合に加入する前の注意点などについて解説します。
記事を読んでいただき、あなたに合った健康保険を選択してくださいね。
個人事業主になったら加入できる国民健康保険とは
会社勤めの方にはあまり馴染みのない国民健康保険ですが、個人事業主になると加入する必要が生じます。
ここでは国民健康保険の制度概要について解説します。
国民健康保険(国保)
国民健康保険は、会社の健康保険や後期高齢者医療保険など、他の医療保険に加入していない人が対象になります。
つまり、後期高齢者ではない自営業者やフリーランスが対象です。
国民健康保険に加入すると国民健康保険証が発行され、病院を受診したり薬局で薬を処方されるときに提示することで支払額は自己負担分だけで済みます。
会社の健康保険に任意継続する選択肢もある
個人事業主になったときには会社の健康保険から国民健康保険に切り替える必要がありますが、会社の健康保険を継続する方法もあります。
これが任意継続です。
会社の健康保険について、被保険者期間が2ヶ月以上あれば任意継続の選択が可能になります。
任意継続のメリット・デメリットは以下のとおりです。
●メリット
・国民健康保険に切り替えたときに比べて保険料が安くなる場合がある
・会社の健康保険に基づくサービスが受けられる
・健康保険の未加入期間発生を防げる
●デメリット
・負担額が多いように感じる(退職前は会社と折半だったが、退職後は全額自己負担となるため)
・原則2年間は継続する必要がある
・保険料を滞納した時点で資格を失ってしまう
家族の健康保険の被保険者になる
会社を退職したときの健康保険には、国民健康保険への切り替えと会社の健康保険の任意継続の方法があることを説明してきました。
このほかに、家族の健康保険の被扶養者になる方法もあります。
具体例を挙げると、配偶者が勤務先の健康保険に加入している場合にその健康保険に被扶養者として入る形です。
年間収入が130万円未満であることなど条件がありますが、被扶養者には保険料が発生しないことからメリットの大きい方法といえます。
ただし、家族が国民健康保険の加入者であればこの方法は使えません。国民健康保険には扶養の考え方がないためです。
家族が会社の健康保険に入っているときには、被扶養者になる方法も検討してみましょう。
国民健康保険組合(地域別健康保険)
国民健康保険には市区町村が保険者となる地域別健康保険と、業種ごとに組織されている国民健康保険組合があります。
地域別健康保険は収入に応じて保険料が決まるのに対し、国民健康保険組合では給与は関係なく職種や家族構成によって保険料が決定します。
団体が提供している保険制度がある
ここでは2つの国民健康保険組合と保険制度を1つご紹介します。
文芸美術国民健康保険組合
文芸美術国民健康保険組合は、デザイナーやライター、フォトグラファーなどクリエイティブな仕事に従事する個人事業主が対象です。
また、組合員になるには文芸美術国民健康保険組合に加盟している団体の会員になる必要があります。
加盟団体は、いけばな協会や日本映画監督協会、日本漫画家協会など非常に幅広いのが特徴です。
文芸美術国民健康保険組合に入ると、保険料は収入に比例することなく組合員や家族構成で定められた額になります。
このため、一定額以上の収入がある個人事業主にとって加入するメリットは大きいです。
東京美容国民健康保険組合
東京美容国民健康保険組合は美容師のための国民健康保険組合です。
加入の条件は以下の2つです。
●東京都内の事業所で美容の業務に従事している
●東京都(島しょを除く)、 神奈川県、千葉県、埼玉県、茨城県、及び山梨県の区域に居住している
※後期高齢者医療保険制度の対象者については対象外
葬祭費や入院手当金の現金給付など、保険給付の内容も充実しています。
プロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会
略してフリーランス協会と呼ばれるプロフェッショナル&パラレルキャリア・フリーランス協会では、一般会員になると以下のような保険内容が受けられるようになります。
・賠償責任保険
・弁護士費用保険
・収入・ケガ・介護の保険
このほかにも、健康診断など福利厚生に関するサービスを受けることができるため、個人事業主になる人はぜひ加入を検討してみてください。
国民健康保険組合に加入前の注意点
市区町村国民健康保険に比べて保険料が安く抑えられる可能性のある国民健康保険組合ですが、加入前に注意すべきことがあります。
まず、加入条件を満たしているかをしっかり確認しましょう。
文芸美術国民健康保険組合のように、加盟団体への加入が条件になるなどそれぞれ異なる条件があるため注意が必要です。
また、自分の所得では市区町村国民健康保険と国民健康保険組合のどちらが得なのかを確認するようにしましょう。
あなたに合った健康保険を選択しましょう
国民健康保険や国民健康保険組合について解説しました。
個人事業主は市区町村の国民健康保険への加入が一般的ですが、職種によっては国民健康保険組合を選択することができ、保険料を安く抑えられる可能性があります。
できる限り節税できるよう、自分に合った健康保険を選択するようにしましょう。
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個人事業主やフリーランスとして独立したばかりの方や、新しい仕事を探したい方にもおすすめです。
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文/おかねチップス編集部
監修文/おかねチップス編集部
おかねチップス編集部
20代後半から40代後半にかけた、ビジネスマンがメインであり、フリーランス、パラレルワーカー、スタートアップ等の読者層が多数。数多くの著名人にも登壇頂いていると同時に各種専門記事については、記事の信頼性を最新性を担保するために、税理士や各業界のプロフェッショナルを監修に迎えたうえで、各記事を編集・校閲・確認を経て制作。
おかねチップス:https://okanechips.mei-kyu.com/
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