【変わる決済】電子帳簿保存法でクレジットカード利用明細が不要になるの?
電子帳簿保存法におけるクレジットカード利用明細の扱いに悩む事業者は多いのではないでしょうか。
電子帳簿保存法では、請求書や見積書をはじめあらゆる書類の電子化ルールが定められています。
電子帳簿保存法に則った書類管理が成されていなければ厳罰を受ける可能性もあるため、管理体制は万全な状態で整えておかなくてはいけません。
なかでも扱いに疑問を持つ方が多いのが、クレジットカード利用明細です。
今回は電子帳簿保存法におけるクレジットカード利用明細の扱いルールについて解説します。
電子帳簿保存法により生じるクレジットカードを使った経費支払いのメリットも解説するので、ぜひ参考にしてください。
電簿法がクレジットカード利用で便利な理由
電子帳簿保存法が施行され、電子取引された書類・帳簿はすべて電子保存することが義務付けられました。
これにより非常に便利になるのが、クレジットカードを利用した経費の支払いです。
会計ソフトと同期できる
会計ソフトのなかには、法人向けクレジットカードと同期させられるものも存在します。
法人カードと会計ソフトを同期させれば、カードの利用明細が自動的に会計ソフトに保存されます。
なかにはPDF化してそのまま電子データの請求書として扱えるものや、作成した利用明細PDFをクラウド保存するソフトもあるため、そのまま電子帳簿として利用することも可能です。
これにより経理の負担が減るだけでなく、電子帳簿の作成・保存も非常にスムーズになるでしょう。
電簿法でのクレジットカードを使うメリット
電子帳簿保存法において、クレジットカードを使って経費を支払うことにはさまざまなメリットがあります。
クレジットカードを利用するメリット3つについてご覧ください。
紛失リスクが減る
クレジットカードの利用により、紙の請求書や領収書はなくなります。
特に会計ソフトと同期させれば、保存したいデータを自動的に所定のクラウドに保存できるため、紙で領収書を保存する必要はありません。
これにより、紙の書類を紛失するリスクが減るほか、ファイルに閉じたりスキャナで読み取る業務も削減できます。
コスト削減
クレジットカードを使い請求書や領収書の扱いをすべて電子化すれば、紙の書類を破棄したり、保管する必要がなくなります。
これにより紙の書類を保管するコストを削減でき、書類管理のために物理的なスペースを用意せずに済むでしょう。
また経理を担当する従業員が膨大な紙の書類を扱う必要がなく、会計ソフトを活用しながら自動的に業務を進められるため、人件費の削減も目指せます。
業務効率化
電子帳簿保存法に対応すれば、紙の書類を物理的に扱うのではなく、クラウド保存した電子帳簿にアクセスすることで帳簿を扱えます。
クレジットカードを会計ソフトと同期すれば、紙の明細はなくなり電子取引データとして扱うことになります。
そのため経理を担当する従業員の手間や負担を軽減させられるほか、クラウド保存の自動化、タイムスタンプ付与の不要化も実現可能です。
すべてクラウド保存すれば、自宅からクラウドにアクセスすることも可能なため、従業員のリモートワーク化も円滑に進められるでしょう。
クレジットカード利用明細は領収書として利用できる?
原則的には、クレジットカードを利用した支払いではクレジットカード利用明細と領収書のデータを保存することが求められます。
そのため基本的には領収書・請求書と利用明細は別の書類として考える必要があるでしょう。
しかし、万が一領収書をもらい忘れた・発行してもらえなかった場合は、クレジットカード利用明細で代用できます。
代用するには支払いに際して必要な取引情報が含まれていることが条件として定められています。
クレジットカード利用明細を利用する際は、要件を満たした利用明細を作成できるサービスであることにも注目して選ぶのもポイントです。
電子帳簿保存法とインボイスの消費税の仕入税額控除の対応
2023年10月より、インボイス制度が施行され仕入税額控除を受けるには適格請求書の発行が求められるようになります。
しかし注意しておきたいのが、クレジットカード利用明細では適格請求書の要件を満たせず、消費税の控除を受けられない点です。
仕入税額控除を受ける要件の1つに、取引相手が作成する請求書であることが定められていますが、クレジットカードの利用明細は取引先ではなく、カード会社が発行するものです。
そのためクレジットカードを利用した支払いで仕入れ税額控除を受けるには、取引先に請求書・領収書を発行してもらう必要があります。
電子帳簿保存法とインボイスは同時に導入を検討しよう!導入のポイントを詳しく解説
電子帳簿保存法で業務の効率化が見込めます
電子帳簿保存法におけるクレジットカード利用明細の扱いについて解説しました。
法人向けクレジットカードは、会計ソフトと同期させることで利用明細を自動的にクラウド保存でき、電子帳簿保存法に則った保存業務を大きく効率化できます。
一定の要件を満たせば領収書の代用として利用できるため、扱いについて把握しながら、クレジットカード利用明細を上手く活用しましょう。
ただし、インボイス制度の導入に伴う仕入税額控除の扱いについては注意が必要です。
仕入税額控除を受けるにはクレジットカード利用明細ではなく取引先から発行される領収書が必要になるため、引き続き領収書についても大切に扱いましょう。
クレジットカードをはじめ、電子帳簿保存の保存を効率化できる支払い方法を導入しながら、電子帳簿保存法に則った保存体制を築いてください。
文/おかねチップス編集部
監修文/おかねチップス編集部
おかねチップス編集部
20代後半から40代後半にかけた、ビジネスマンがメインであり、フリーランス、パラレルワーカー、スタートアップ等の読者層が多数。数多くの著名人にも登壇頂いていると同時に各種専門記事については、記事の信頼性を最新性を担保するために、税理士や各業界のプロフェッショナルを監修に迎えたうえで、各記事を編集・校閲・確認を経て制作。
おかねチップス:https://okanechips.mei-kyu.com/
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