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ボクが「稼ぐ」を意識するようになった話 | 澤円コラム -時間とお金の稼ぎ方と使い方-

ボクが「稼ぐ」を意識するようになった話 | 澤円コラム -時間とお金の稼ぎ方と使い方-

元日本マイクロソフト業務執行役員で、「プレゼンの神様」とも呼ばれる澤円さんによる新連載がスタート。この連載では、2020年に企業人を卒業し、独立した澤さんが「稼ぐ」について紐解いていきます。第1回は、稼ぐことを意識しはじめた話。会社員時代、「稼ぐ=給料をもらう」としか考えていなかったという澤さんが、稼ぐことを捉え直したきっかけとは——。

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みなさんはじめまして、澤円と申します。
株式会社圓窓の代表取締役をしています。といってもボクしかいない会社なんですけどね。
元々マイクロソフトという会社の日本法人で業務執行役員をやっていましたが、2020年の8月に独立して、それから一人でのんびりコンサルティングや講演などの仕事を行っています。

現在、9社の法人と契約をしていて、エバンジェリストを名乗っていたり、社外取締役を任されていたり、デジタル領域のアドバイザーをやったり、マネジメント育成をお手伝いしたりしてます。あとは、武蔵野大学の専任教員(=教授)や、琉球大学の客員教員などもやっております。

※IT業界の新しい職種、またはその役割を担当する専門人材のこと。

「おかねチップス」との関わりは、運営会社TIME MACHINE のCEO・石澤秀次郎さんと、テレビ番組の収録でご一緒したことがご縁ではじまりました。ボクはそのような場面でのご縁で独立した後の仕事をあれこれもらっている身なので、本当にありがたい機会だなと思っております。

さて、今回ボクはどんな立ち位置でこの連載をさせてもらうかというと……。

「企業人を卒業して活動する澤が『稼ぐ』をどのように捉えているのか」

こんなテーマにしようかと思います!
というのも、ボク自身が「稼ぐ」ということをある程度意識するようになったのは、ここ数年の話であり、もしかしたら多くのサラリーマンは「稼ぐ」に関する解像度があまり高くないのではなかろうか……という仮説を持っているからです。

「円安や原料不足で物価が上がる一方で、ビジネスパーソンの賃金が上がらない」と、最近盛んにメディアで報じられていますよね。
確かに、会社勤めをしている人が、会社からの給料だけを収入源にしている場合、給与が上がらずに生活コストだけ上がるとしんどいですよね。ボク自身も会社員だった時は「稼ぐ=給料をもらう」としか考えていない時代が長く続きました。

最初に勤めた会社は、生命保険会社のIT子会社だったのですが、とにかく給料は安かった印象があります。これは無理もない話で、儲けるための会社ではなくてあくまでも親会社から見ればコストセンター的な位置付けだったので、給料が安く抑えられるのは自然なことだったのです。でも、若くて無知なボクはそんなことを全然理解していませんでした。なので、「転職すれば給料が上がるに違いない」となんとなく思っていました。

※コストのみが集計され、利益が集計されない部門のこと。

そうしたら、なぜか転職の話が降ってきたのです。いやこれ、本当に「降ってきた」と表現するのが一番しっくりくるんですよね。

都心から遥かに離れた情報処理センター的なところに勤める、エンジニアとしては全く使い物にならない当時27歳の若い男のところに、複数の転職のオファーが来たのです。考えてみたら、ぶっちゃけこれは運が良かっただけなんですよね。

とあるITの見本市に出かけたときにエージェントに出会って、そこから話が盛り上がって紹介してもらった会社が、マイクロソフトの日本法人でした。別のヘッドハンターさんからも魅力的なオファーをもらっていたのですが、いろいろ考えた結果として、当時は世界トップの株式総額を誇っていたマイクロソフトに入社しました。ほんとよく雇ってくれたなぁ……(遠い目)。

プレゼンをするマイクロソフト時代の澤さん

でも、給料が爆上がりしたかというと、全然そんなことはなく。そもそも、エンジニアとしてのポンコツぶりに自分でも呆れていて自己肯定感がめちゃくちゃ低かったせいもあり、最初に提示された金額をそのまま受け入れてしまって、ほんの少しだけアップした程度でした。なので、「外資系企業に勤めるエリートビジネスパーソン」なんてものとはかけ離れた状態でした。

外資系は一般的に給料が高いと思われていますが、これは「人による」というのが事実じゃないかなと思います。ただ、最近は人材の獲得競争が激しいので、外資系を中心にベースの給料はアップしている気がします。いい時代になったもんだ。

さて、ボクの話に戻しましょう。

ポンコツなりに必死に働いていたら、いろいろと仕事で結果が出るようになり、また会社そのもので給与テーブルの見直しが行われたこともあり(当時のボクの給料は、同じ会社の新卒採用の人たちよりも安いことが判明したw)、かなり給料がアップしました。これは企業人として「努力が報われた状態」なので、なかなかに理想的です。実際、かなり生活にも余裕が出ました。

とはいえ、会社から与えられる給料が上限であることには変わりはありません。なので、「稼ぐ」というよりは「労働の対価を受け取っている」という範疇は出ていないのです。さらに「稼ぐ」を意識するのであれば、もう少しの冒険が必要になります。

ボクの場合、自分自身が「稼ぐ」を意識する前に「社外での活動をする」方が先に始まって、それが結果として「稼げる」という状態になっていったというラッキーな展開でした。ちなみに、会社の外で行った最初の活動は、とあるチャリティ団体のプレゼン講座でした。有料の講座で、参加者は一定の参加費を支払うのですが、それは全てチャリティに回され、ボクへのギャラは、その団体のメンバーが焼いてくれた手作りケーキでした。美味しかったなぁ……。

でも、これがきっかけになって、どんどん社外での活動が増えていき、「稼ぐ力」がついていったのも事実です。

組織に属していて、そこからのお給料だけでやっていくのはちょっと不安だな……という方、まずはなんでもいいので外での活動をしてみてください。本当になんでもいいです。道のゴミ拾いでも、公園の雑草抜きでも、なんでも。行動するという体験は、そのまま自分をアップグレードしてくれるものです。

この連載では、「稼ぐためにどんな行動すればいいか」も今後はどんどん紹介したいなと思っています。楽しみにしていてください。

澤円(さわ まどか)

株式会社圓窓 代表取締役、元・日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 専任教員。

立教大学経済学部卒業後、生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、大手外資系IT企業に転職。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。最新のITテクノロジーに関する情報発信の役割を担う。2006年よりマネジメントに職掌を転換し、ピープルマネジメントを行うようになる。直属の部下のマネジメントだけではなく、多くの社内外の人たちのメンタリングも幅広く手掛けている。数多くのイベントに登壇し、プレゼンテーションに関して毎回高い評価を得ている。2015年より、サイバー犯罪に関する対応チームにも参加。2019年10月10日より、(株)圓窓 代表取締役就任。企業に属しながら個人でも活動を行う「複業」のロールモデルとなるべく活動中。また、美容業界やファッション業界の第一人者たちとのコラボも、業界を超えて積極的に行っている。テレビ・ラジオなどの出演多数。

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