プロジェクトマネージャー試験とはどんな内容なの?難易度や取得のメリットまで解説
プロジェクトマネージャー試験とは、IT業界で活躍するプロジェクトマネージャーに必要なスキルや考え方を問う資格試験です。
IT知識やプロジェクトの管理・進行における理論体系だけでなく、実務における考え方やチーム指導・人材育成に関する問いも出題され、広く深い知識体系について対策しておく必要があります。
そのためIT系職種に関する資格試験としては非常に高難易度で、取得するには念入りな準備が求められます。
そこで今回は、プロジェクトマネージャー試験の内容について詳しく解説します。
難関として知られるプロジェクトマネージャー試験を取得するメリットや合格のコツについても解説するので、プロジェクトマネージャーを目指している方はぜひ参考にしてください。
プロジェクトマネージャー試験とは
プロジェクトマネージャー試験とは、IT分野で活躍するプロジェクトマネージャーに必要な知識・思考能力・管理能力を問う国家資格です。
試験は情報処理推進機構(IPA)が主催しており、IT業界でプロジェクトマネージャーを目指す方はもちろん、現在プロジェクトマネージャーに配置されている方も受験する場合もあります。
以下ではプロジェクトマネージャー試験の概要や合格難易度についてご覧ください。
試験内容
プロジェクトマネージャー試験について、IPAでは以下のように定義づけられています。
プロジェクトを取り巻く環境変化やステークホルダの多様な要求に柔軟に対応しながら、プロジェクトを確実に成功に導くマネージャを目指す方に最適です。
IPA 情報処理推進機構|プロジェクトマネージャ試験(PM)
プロジェクトマネージャー試験では、IT開発におけるプロジェクト設計・計画進行における知識のほか、人材教育やメンバーの管理・マネジメントに至るまで、幅広い知識や理論体系が問われます。
また試験方式は以下のように構成されています。
午前I:四肢選択式問題(出題数30問)
午前II:四肢選択式問題(出題数25問)
午後I:記述式問題(3問中2問を選択し解答)
午後II:論述式問題(2問中1問を選択し解答)
以上のように試験は1日かけて行われるため、念入りな対策はもちろん午後II試験まで頭を働かせるための体力も万全にしておくことが求められます。
合格率
プロジェクトマネージャー試験の合格率は以下の通りです。
平成29年度:13.1%
平成30年度:13.2%
平成31年度:14.1%
令和2年度:15.1%
令和3年度:14.4%
参照:IPA情報処理推進機構|情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 推移表
合格率は例年IPA情報処理推進機構により発表されており、過去5年分の数字をチェックしてみると合格率は13〜15%と狭き門です。
プロジェクトマネージャー試験は午前2枠・午後2枠の4つの試験で構成されており、すべての枠で合格ラインをクリアしなければ合格できません。
問われる知識を網羅的に押さえておく必要があることも、難関試験といわれている理由の1つです。
難易度
プロジェクトマネージャー試験は高難易度で、IPA主催の資格試験のなかでも最も難しいとされるレベル4に分類されています。
試験では広く深い専門知識が問われるだけでなく、午後試験には論述問題や小論文も用意されています。
小論文では出題に対する知識や理論だけでなく、受験者の論理的思考能力も評価基準です。
小論文は採点者により評価ランクA(具体的な評価基準は非公開)を獲得しなければ合格にはならないため、非常に難易度が高い試験であることがわかります。
以上により、プロジェクトマネージャー試験は偏差値に換算すると69と非常に高く、プロジェクトマネージャーとして実務経験がある方でも、念入りな対策が必要な資格試験です。
プロジェクトマネージャー試験を取得するメリット
プロジェクトマネージャー試験は難関試験であることは事実ですが、取得することにはさまざまなメリットも存在します。
ここではプロジェクトマネージャー試験を取得するメリットについてご覧ください。
知識とスキルの証明になる
プロジェクトマネージャー試験は、IPAが主催する国家資格の1つで、難関資格であることも広く知られています。
つまりプロジェクトマネージャー試験に合格すれば、プロジェクトマネージャーとして実務をこなすうえでの広く深い知識やスキルを備えていることの証明となるでしょう。
特に就職・転職の際は、自分のスキルを証明するうえで資格試験の合格歴は非常に役立ちます。
プロジェクトマネージャーとして転職・キャリアアップを考えているのであれば、プロジェクトマネージャー試験に挑戦・合格しておくことは大きな武器となるでしょう。
スキルアップになる
プロジェクトマネージャー試験は合格することでスキルがあることの証明になるだけでなく、試験勉強そのものもプロジェクトマネージャーになるうえで役立ちます。
試験ではプロジェクトマネージャーとして実務をこなすうえで必要な知識や思考能力が問われます。
だからこそ、試験勉強を通して得た知識や考え方は、プロジェクトマネージャーの実務にも役立つでしょう。
国家試験やITコーディネータ試験の一部で免除される
プロジェクトマネージャー試験を合格しておくと、ほかの資格試験を受験する際に受験項目の一部を免除できます。
プロジェクトマネージャー試験に合格して2年以内であれば、以下の免除を受けられます。
情報処理技術者試験の高度試験・情報処理安全確保支援士試験の午前I試験を免除
ITコーディネータ試験の一部免除
以上のように、IPAが主催するほかの資格試験や経済産業省推進のITコーディネータ試験では、試験項目の一部が免除されます。
試験項目が免除されれば、勉強の負担が減るだけでなく、長時間の受験による体力の消耗も軽減され、難関試験の受験ハードルがさらに下がるでしょう。
プロジェクトマネージャーの試験に合格するためのポイント
プロジェクトマネージャー試験の合格にはさまざまなメリットがありますが、一方で合格難易度は高く、合格するには念入りな対策が必要です。
ここではプロジェクトマネージャー試験に受験するなら知っておきたい合格のコツについてご覧ください。
試験勉強の学習計画を立てる
プロジェクトマネージャー試験の試験範囲は非常に広く、受験する際は膨大な試験範囲に対応するべく計画的な勉強が必要です。
試験当日までのすべての試験範囲を網羅できるよう、念入りにスケジュールを練って対策を進めましょう。
いつまでに試験範囲を確認するのか・過去問対策はいつから始めるのかを順序立てて考えることで、計画的な学習計画を立てられます。
もちろん勉強していくなかでスケジュールのズレが発生する場合もあるため、臨機応変に考えながら計画を立てましょう。
文章力を上げていくための小論文対策
プロジェクトマネージャー試験のなかでも特に難関とされるのが、午後IIの小論文です。
小論文では知識やスキルだけでなく、論理的思考力も問われるため、念入りに小論文対策を行いましょう。
特に小論文は、自分では採点が難しい分野のため、オンラインスクールを活用して小論文のポイントを押さえたり、小論文に特化した問題集や書籍を活用するのもおすすめです。
思考能力はもちろんそれを正確に伝えるための文章力も求められるので、念入りに対策して試験に挑みましょう。
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プロジェクトマネージャー試験に合格してスキルを上げていこう
プロジェクトマネージャー試験についてご紹介しました。
プロジェクトマネージャー試験はIT分野の資格試験のなかでも特に難易度が高く、受験する際は念入りな対策や試験勉強が求められます。
しかし合格すればスキルを証明する手立てができるだけでなく、ほかの難関試験の受験ハードルも下がるため、試験を通して仕事に必要な知識やスキルを身に付けたい方におすすめです。
受験の際は計画的な試験対策を行って、合格を目指しましょう。
またプロジェクトマネージャー試験に合格したら、勉強したスキルや知識を武器に転職を目指すのも選択肢の1つです。
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文/おかねチップス編集部
監修文/おかねチップス編集部
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