【起業するなら今でしょ】噂のインボイス制度の概要を詳しく解説!
昨今、消費税の引き上げに伴って話題に上がることも多くなっている「インボイス」という制度。
実は、フリーランスで働く人たちにも関係する重要な制度となっています。
一方、フリーランスの方の中には「インボイス制度が何かよくわからない」という方もいるでしょう。
今回はそのような方に向けて、インボイス制度とは何か、その概要からメリット・デメリットまで詳しく解説します。
インボイス制度とは?
インボイス制度とは、簡潔に言えば「記載義務を満たしている請求書をもとに消費税を計算し、正しい金額で納付するための制度」です。
正式名称は「適格請求書等保存方式」と言います。具体的な内容としては、売手側である登録事業者は買手から要求があった場合に適格請求書を交付しなければならず、買手側は適格請求書を保存することで「仕入税額控除」の適用を受けられることが定められています。
ではここからは、インボイス制度への理解を深めるためにも、ここまでに出てきた「適格請求書」や「仕入税額控除」が一体どのようなものなのか、詳しく見ていきましょう。
・「適格請求書」とは?
適格請求書とは「インボイス」の正式名称であり、インボイス制度の核となる請求書のことです。
現行の請求書には「区分記載請求書」というものが利用されていますが、適格請求書はそれに加えて登録番号・適用税率・消費税額等が記載された書類およびデータを指します。
消費税率は基本的に10%ですが、食品など一部商品については8%の軽減税率が適用されることとなっており、売手としては「この商品の税率はどっちなんだろう?」と悩みの種になることも珍しくありません。
もとより区分記載請求書はそういった税率の適用区分を明確にするために実施されたものですが、適格請求書はそういった税率の適用区分がさらに細かく、明確に記載するよう義務付けられます。
・「仕入税額控除」とは?
仕入税額控除とは、「仕入額の消費税が売上の消費税額から差し引かれる」という制度です。
仕入によって発生する消費税が控除されるため、売手にとっては利益を上げるために非常に重要な制度であると言えます。現行の区分記載請求書で仕入税額控除を受けることはできますが、インボイス制度の導入後はインボイス制度に要件が変更されるため、仕入税額控除を受けるためには適格請求書を保存することが必須となります。
・インボイス制度はいつから導入されるの?
インボイス制度が話題に上がることも増えていますが、実はまだ本格的に導入されているわけではありません。
令和5年(2023年)10月1日までは「区分記載請求書等保存方式」が続き、インボイス制度が適用されるのは令和5年10月1日以降となります。
区分記載請求書の請求書を利用しているという方は、令和5年10月に適格請求書に移行できるよう準備しておきましょう。
フリーランス・個人事業主にはどのような影響がある?
これまでの内容を見て「具体的にインボイス制度はフリーランス・個人事業主にどう影響するの?」と疑問を持った方もいるでしょう。
インボイス制度において問題と言えるのは、「一部のフリーランスの方・個人事業主は適格請求書を発行できない」という点です。
前提として、適格請求書を発行できるのは課税事業者だけであり、免税事業者は適格請求書を発行できないことになっています。年間の売上が1,000万円未満の方は消費税の免税事業者として扱うことから、多くのフリーランス・個人事業主は必然的に適格請求書の発行ができなくなるのです。
インボイス制度は買手・売手の双方が適格請求書を発行することで初めて仕入税額控除を受けられるため、当然ながら多くの企業は取引相手が適格請求書を発行できる立場かどうか重視するようになります。
つまり、適格請求書を発行できないフリーランスの方、あるいは個人事業主と取引する企業が減少する可能性が高いと言えるのです。
フリーランスの方や個人事業主にとっては、インボイス制度は大きな課題になるかもしれません。
インボイス制度に向けてやるべきこと
前述したように、インボイス制度はフリーランス、個人事業主にとって課題にもなり得る制度です。
したがって、制度の適用までに以下の2つの手続きをしておくことが重要になります。
①適格請求書発行事業者として登録する
②消費税課税事業者選択届出書を提出する
本来免税事業者は適格請求書を発行できませんが、適格請求書発行事業者になれば納税額などに関係なく適格請求書を発行できるようになります。
そのためには、消費税課税事業者届出書の提出と合わせて適格請求書発行事業者の登録申請をする必要があります。現在フリーランス・個人事業主として活動している方は、制度導入までにこれらの手続きを済ませておくことで、制度導入後も安定的に仕事を得られるでしょう。
インボイス制度に向けて準備を進めよう
インボイス制度は免税事業者であるフリーランス・個人事業主に大きく影響する制度であり、制度適用によって仕事の供給量に悪影響が出る可能性もあります。
活動を安定して続けていくためには、インボイス制度についてしっかり理解し、適切な対応をとることが重要です。
フリーランスや個人事業主として活動している方は、ここでの内容を参考にしながらインボイス制度に向けて準備を進めてみてください。
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