【5分で楽に予習】フリーランスと起業は何が違うの?お金や税金面もしっかり解説!
「フリーランス」と「起業」
この2つは同一視されることがありますが、両者には異なる点があり、厳密にはそれぞれ別物です。
しかし、具体的にどのような違いがあるのかよくわからないという方もいるでしょう。
そこで、今回はフリーランスと起業のそれぞれの基本的な相違点、確定申告や税金などお金の面で見た違いなどをご紹介します。
フリーランスと起業の違いとは
「フリーランス」と「起業」は、どちらも雇用されない働き方として似ている部分があります。
混同されることも少なくありませんが、この2つには決定的な違いがあります。フリーランスと起業、それぞれの詳しい内容に触れながら、どのような点が異なるのか見ていきましょう。
・フリーランスとは
フリーランスは特定の企業や団体に雇用されることなく、自分で自由にクライアントと契約を結びながら働くスタイルのことです。
例を挙げると、デザイナー、プログラマー、ライター、カメラマンなどの職種において、フリーランスで活動する人がよく見られます。なお、フリーランスには決まった給与がありません。クライアントから依頼された業務を行い、その対価として支払われた報酬が収入となります。
・起業とは
起業とは、自分で事業を起こしてビジネスを行うことを言います。
企業や団体に雇用されるのではなく、自分が経営者としてクライアントと契約を結び、業務を行います。このように見ると、ビジネスのスタイル自体はフリーランスと非常に似ています。
フリーランスとの最大の違いは、「開業届」を提出することです。
自分が事業を営む拠点を管轄する税務署に開業届を提出することで「個人事業主」と登録されます。なお、個人で事業を営む場合は個人事業主となりますが、会社を設立し法人として事業を行う場合も起業に当たります。
フリーランスと起業の確定申告の違い
フリーランスと起業は、開業届提出の有無が異なることを述べましたが、確定申告のやり方にも大きな違いがあります。ここでは、フリーランスと起業のそれぞれの確定申告の方法を見ていきましょう。
・フリーランスの確定申告
フリーランスが行う確定申告は、一般の人が個人で行う確定申告とほぼ同じ内容です。
会社に雇用されて給与を得ている人は「給与」での申告になりますが、フリーランスの収入は給与ではなく各契約での報酬ですので、「雑収入」として計上します。
なお、フリーランスの場合は業務に使用した経費を売上から差し引くことができません。
例えば、業務上必要だった消耗品、クライアントとの打ち合わせで出向いた際の旅費など業務で使った経費が発生したとしても、それを経費として計上する箇所が確定申告書類の中にないからです。また、給与収入がないことから、給与所得控除を受けることはできません。そのほかの控除類に関しては、基本的な確定申告と同様です。
・起業を行った場合の確定申告
開業届を提出している個人事業主の確定申告は、「青色申告」か「白色申告」のどちらかになります。
青色申告は複式簿記で帳簿をつける場合の申告で、「青色申告特別控除」を受けることができます。
青色申告特別控除の金額は55~65万円です。
これは帳簿の保存の仕方や提出方法によって金額が異なります。白色申告は簡易帳簿の場合の申告で、「白色申告特別控除」を受けることができます。白色申告特別控除額は15万円です。そして、事業主としての確定申告で最も大きいのが、事業に要した経費を計上し、売上から差し引けることです。経費の種類は仕入れ、水道光熱費、通信費、消耗品費、地代家賃、給料賃金など多岐に渡ります。なお、確定申告時には一般的な申告書のほか、損益計算書の提出も必要です。
・フリーランスと起業の確定申告の違い
フリーランスと起業の確定申告の大きな違いは、受けられる控除の種類と経費の計上の可否です。
フリーランスには帳簿付けなどの義務はありませんが、その分確定申告の際、特別な控除を受けたり、経費を計上することはできません。
起業して確定申告を行う場合は、帳簿付けや事業主用の確定申告書類を提出する必要がありますが、その分特別な控除を受けられ、また売上から経費を差し引くこともできます。経費が大きいほど所得金額が抑えられるため、結果大きな節税も可能になります。
フリーランスと起業の税金の違い
フリーランスと起業を行った人では、かかる税金も変わります。
それぞれどのような税金が発生するのか、具体的に見ていきましょう。
・フリーランスにかかる税金
フリーランスで活動する場合、一般的なもの以外で特別に発生する税金はありません。
毎年の収入に対して発生する所得税、住民税などです。そのほか、自動車を有していれば自動車税、家や土地などの不動産があれば固定資産税などが発生しますが、これはフリーランスであるか否かは関係ありません。
・起業を行った人にかかる税金
個人事業主には、事業を行っていることに関連したさまざまな税金が発生します。
まず、事業所得に対する所得税や住民税があります。そして、事業を行っていることに対して課税される個人事業税も発生します。また、課税売上の金額によっては消費税も納めなければなりません。なお、消費税の納税に関しては、所得税とは別に確定申告書類を作る必要があります。
・フリーランスと起業の税金の違い
フリーランスと起業では課せられる税金の種類が大きく異なります。
フリーランスは事業を行っていない人と納めるべき税金の種類はほぼ変わりません。しかし、事業主となると事業や売上に対して課せられるさまざまな税金を納める必要があります。
フリーランスと起業のお金の違いについての考え方
ここまでフリーランスと起業について、確定申告や発生する税金の種類という観点から違いをご紹介しました。
それでは、どちらの働き方をするのがお金の面で得なのかといえば、これはケースバイケースで一概には言えません。
フリーランスは確定申告時に事業主の特別な控除が受けられず、また業務に使った経費も収入から差し引くことができないデメリットがあります。そのため、同程度の売上がある個人事業主と比較して所得税が高くなりやすいと言えるでしょう。ただし、事業主特有の税金などは発生しないため、納める税金の種類は非常にシンプルです。
起業して事業主になった場合は、確定申告時に特別控除を受けたり、必要経費を売上から差し引いたりすることが可能です。その分所得額を小さくできるため、結果所得税を抑えやすくなります。ただし、個人事業税や消費税など事業を行っているゆえの税金などが課せられますので、全ての税金の支出額で見れば高くなりやすいでしょう。
フリーランスで働き続けるか、起業を行うか、どちらが良いか迷った場合は自分の収入や経費の状況などを鑑み、具体的にシミュレーションを行うことが大切です。
現在の売上で個人事業主になった場合、どのような税金がどのくらいの金額で発生するのか計算してみましょう。また、事業に関する税金の中には一定の条件に当てはまった場合、納めなくても良いものもあります。各税金に関してしっかり詳しい内容を理解した上で、細かくシミュレーションすることをおすすめします。
フリーランスと起業にはお金の面でも大きな違いがある
フリーランスと起業には届出の有無のほか、お金の面に関しても大きな違いがあります。
どちらを選ぶのが自分にとって有利なのか判断するためには、それぞれの違いを理解した上での具体的な検討が必要です。ぜひ今回ご紹介した内容を参考に、自分の事業の状況を当てはめて、フリーランスと起業それぞれのパターンのシミュレーションを行ってみてください。
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