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電子帳簿保存法は義務化されたの?すぐに対応を始めるべき理由を説明

電子帳簿保存法は義務化されたの?すぐに対応を始めるべき理由を説明

電子帳簿保存法は、急速に進む社会のIT化への対応・ペーパーレス社会を目指す取り組みを目的に施行され、度々法改定がなされています。

なかでも2021年に法改定された電子帳簿保存法では、電子取引された帳簿・国税関連書類は電子データでの保存が義務化されました。

この点は2021年の法改定のなかでも大きなポイントで、あらゆる事業者は義務化に対応した保管方法を検討しなければいけません。

今回は電子帳簿保存法において義務化されたポイントについて解説します。

2022年1月法改正で2024年1月から義務化に

新しい電子帳簿保存法は、2021年に発表され2022年1月より施行されました。

この法改定により、電子帳簿の保存におけるさまざまなポイントに変更点があるため、ビジネスに携わる人なら必ず知っておきたい内容だといえます。

なかでも注目したいのが、電子取引された帳簿は、原則的に電子データで保存しなければいけない点です。

従来は印刷して保管することが義務付けられていたため、大きな方向転換です。

そのためあらゆる事業者は、2022年1月から施行された電子帳簿保存法に合わせた保存体制を築くため、要件に沿った電子データの保存体制を導入することが求められています。

猶予期間がある

大きな方向転換である点を踏まえ、電子帳簿保存法には猶予期間が設けられています。

猶予期間は原則2年間で、2022年1月から2023年12月末までは法に則った保存体制を完璧に導入できていなくても、取り締まりの対象にはなりません。

さらに令和5年度税制大綱改正では猶予期間(宥恕期間)の定義についても改められ、やむを得ない場合に限り、2年間を超えて保存環境の整備を続けても問題にならないことが定められました。

もちろん今後の社会情勢などを鑑みて、猶予期間が廃止され完全に義務化するケースも十分に考えられます。

そのため基本的には、2023年末までの猶予期間内に、電子帳簿の保存体制を築き上げる必要があるでしょう。

他に改正されたポイントは?

電子取引された帳簿の電子保存義務化に加え、電子帳簿保存法ではほかにもさまざまな変更点が存在します。

以下では法改正により大きく変わったポイントを、さらに詳しくご覧ください。

要件の緩和

電子保存の義務化に伴い、電子帳簿の保管体制はさまざまな点で緩和措置が取られています。

・税務署での事前承認の廃止

・適正事務処理要件の廃止

・検索要件の設定が3つに絞られた

従来の法では、2名以上での管理体制を用意しなければいけないなど個人事業主や小規模事業者では実現不可能な要件もありました。

しかし法改定により上記の点が緩和され、導入のハードルが下がっています。

どんな点が緩和されたの?法改定された電子帳簿取引法をわかりやすく解説!

罰則の強化

一方で、義務化に伴い保存体制における罰則も強化されています。

・青色申告の承認取り消し

・追徴課税35%・推計課税10%の徴収

・100万円以下の過料の徴収

上記のように、青色申告ができなくなり税額控除を受けられなくなるほか、追徴課税35%・推計課税10%の加重など、税収において厳しい措置が取られます。

上記の罰則は、さまざまなケースで発生します。

・電子帳簿保存法の要件に従わない保存体制を敷いている

・電子帳簿の隠ぺいまたは改ざんが行われている

・経理・電子帳簿の扱いにおいて税務署長の指示に従わない

そのほか、さまざまな要件があり、電子帳簿保存法に則った管理体制を築くことが非常に重要であることがわかります。

正しい保存要件って?電子帳簿保存法における保存要件を詳しくチェック

電子帳簿保存法の義務化に対応すべき人は?

電子帳簿保存法の義務化は、企業・個人事業主含め経済活動を行うあらゆる人が対応しなければいけません。

今までは紙面で保存していたなど、電子帳簿保存に対応していなかった事業者も、電子帳簿を扱うなら必ず導入の必要があります。

これは自社が手書き・紙面の税務書類を扱っていたとしても、取引先からメール等で電子データでの請求書・見積書が届いた場合も同様です。

電子データで取引される書類は電子データでの保存義務が発生するため、ビジネスにおいて電子取引が行われる場合は、必ず法に則った保存体制を導入しましょう。

個人事業主と法人は注意

個人事業主や法人のなかには、今まで電子帳簿の保存に対応していない体制で帳簿を保存してきた事業者もあるかもしれません。

その場合は、2023年12月末までに速やかに法に則った保存体制を導入することが大切です。

保存体制は要件を満たす形であれば、複数の選択肢が存在します。

保存方法によっては外部サービスを導入するなどコストが掛かる場合もあるため、自社の電子帳簿の取扱や扱う書類の種類・量に合わせて、相性の良い方法を選択することが大切です。

その点でも、電子帳簿保存法について正しく知ることは、事業者にとって欠かせないことだといえるでしょう。

2024年1月からは電子保存のみが認められることになる

電子帳簿保存法の義務化について解説しました。

2022年1月より施行された新しい電子帳簿保存法では、電子取引された帳簿は電子データとして保存することが義務化されています。

ただし大きな変更であるため、法に則った保存体制の導入には2023年12月末まで、2年間の猶予期間が設けられています。

2024年1月からは原則的に電子保存が完全に義務化されるため、2023年内に要件を満たした電子帳簿の保存方法を導入しておきましょう。

文/おかねチップス編集部
監修文/おかねチップス編集部

おかねチップス編集部

おかねチップスは、毎月30件以上の記事配信と業界人へのインタビュー記事等を多く取り上げており、創刊1年で月間25万PVと22万UUの購読者数へと成長。
20代後半から40代後半にかけた、ビジネスマンがメインであり、フリーランス、パラレルワーカー、スタートアップ等の読者層が多数。数多くの著名人にも登壇頂いていると同時に各種専門記事については、記事の信頼性を最新性を担保するために、税理士や各業界のプロフェッショナルを監修に迎えたうえで、各記事を編集・校閲・確認を経て制作。

おかねチップス:https://okanechips.mei-kyu.com/

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