勤め人がより多くお金を手にするための2つの方法|澤円コラムVol.04
元日本マイクロソフト業務執行役員で「プレゼンの神様」とも呼ばれる澤円さんが、「時間とお金」をテーマにコラムをつづる本連載。今回は、勤め人が収入をアップするための方法を「稼ぐ」と「儲ける」の2つの観点から紐解きます。
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こんにちは、澤円です。
連載第4回目をお届けします。
みなさん、収入アップしたくないですか?
といきなり書くと、なんか怪しげな商材とか売りつけそうな印象ですね(笑)。とはいえ、勤め人の多くは「収入を増やしたいな」って思っているのではないかと予想しております。今回は勤め人がお金をたくさん手に入れられる方法について考えてみました。
お金を多く手にするためのアプローチは、めちゃくちゃざっくりと分けると2つなのかな、と思っています。それは、「稼ぐ」と「儲ける」です。これはあくまでボクの感覚的な言葉の定義です。国語辞典レベルの話をしたいのではなく、このあとに書く内容を便宜的に分けると、この言葉になるかなと思っています。
「稼ぐ」というのは、「仕事を通じてお金を得ること」です。勤め人は、会社の仕事をすることによって稼ぐ生き物です。月給をもらうこと=稼ぐ、というメカニズムの上で生きています。手にするお金を増やすためには、会社にたくさんのお給料を払ってもらわなくちゃいけません。
一番手っ取り早いのは、残業をして残業代を稼ぐ方法。でも、最近「生産性をアップしましょう」とか、「Well-Beingの観点から残業は禁止です」なんて会社も増えてきているようですね。それなれば、昇格して給与をアップしてもらう、というのが1つの方法になります。たいていの場合、立場が上がれば合わせて給与もアップするように制度化されていると思います。そこに乗っかって収入アップを狙うわけです。
このアプローチを選ぶなら、昇格するための方法を知ることが大事です。昇格試験があるのか、必要な資格などがあるのか、経験年数が必要なのかなど、調べられることを徹底的に調べておきましょう。人事部の人と親しくするのもアリですね。
ただ、会社によっては、昇格基準がめちゃくちゃ曖昧だったりするかもしれません。その場合には、昇格したポジションについている人に、あれこれインタビューしても面白い発見があるかもしれません。とにかく、情報収集するマインドをもたないと、チャンスがなかなか回ってこない可能性があります。多くのお金を手に入れたいなら、まずは情報を得ることです。
また、昇格した時の仕事に自分が対応できるかを見極めたほうがいいですね。昇格するとマネージャーでチームを持つことになり、違う能力が必要になる場合があるのです。昇格はしたものの、その後の仕事で信頼を得られないと、それ以上収入がアップしないどころか、「仕事ができないヤツ」の烙印を押されて、降格人事の憂き目にあうかもしれないのです。自社において、昇格とマネジメント職の関係を調べておくのも大事ですね。マネジメント職に向いてない人がマネージャーになることほど不幸なことはありません。なった本人も不幸ですし、そのチームのメンバーも不幸になるからです。ということで、自分の強みを見極めるというのが大事なアクションです。
そこでまずやっといた方がいいのは、自分の職務経歴書を書くことです。自分のキャリアやスキルの棚卸をすることで、「稼ぐ能力」を把握して、人に知ってもらえるように準備するのです。その能力は汎用的であればあるほど、リスクが減ります。
ビジネスのフロント業務であれば、顧客との折衝能力や提案能力、新しい情報のキャッチアップ能力などですね。デジタルを駆使したマーケティングプランの作成能力なども、めちゃくちゃ市場価値が高いでしょう。バックオフィス能力もDXという文脈と絡めて表現できれば、引く手あまたになる可能性があります。特定の組織でしか通用しないスキルは、所属組織の状態にまともに影響を受けるし、組織と共倒れになりかねません。人材としての市場価値を把握しておくのは、勤め人の生存戦略として、絶対条件と言ってもいいでしょう。
勤め人として稼ぐ額をアップさせるのは、結果が出るまで時間かかるかもしれません。その一方で、確実な継続性があります。汎用スキルなら稼げる会社への転職や独立もできます。汎用かどうかを測るには、人材サイトに登録したりエージェントと面談するとよいでしょう。
手軽にできるアクションはいくらでもあります。どんどん行動しましょう。
では、次に「儲ける」について考えていきましょう。「儲ける」のは「お金を手に入れる仕組みを知る」から始まります。普段会社で仕事しているなら、不労所得を手に入れる手段を作りましょう。金融商品や不動産への投資がそれに当たります。これなら、会社で副業を禁止していたり、昇格しても給料アップが見込めない場合でも、手にするお金を増やすことができます。
また、このアプローチは「経済に関する知識や感度がアップする」という、実にステキな副産物があります。経済について理解している勤め人は、めちゃくちゃ強いです。そして、意外と詳しい人が少ない領域だったりもします。というのも、勤め人をしていると、経済のことを知らなくてもなんとなくお金が入ってきたりするからです。
ボクは経済学部なのですが、まったく経済のことを意識せずに社会人生活を送っていました。それでもどうにか生きることはできていました。しかし、経済について俯瞰的に考えたり、その分野に詳しい人たちとの付き合いが増えるようになってから、自分がもともと持っていたテクノロジーにかかわる知識や経験とのシナジー効果が生まれて、活躍できる場が一気に広がった感覚があります。
投資について学ぶということは、経済を学ぶことに直結しますし、自分の勤める会社を適切に評価する目も養われます。かなりおすすめのアプローチですね。
ただ、そちらにあまりにかまけてしまうと、本業がおろそかになってしまい、安定的に元本を手に入れる手段が失われかねません。以前勤めていた会社で、株式投資にはまりすぎてトイレの個室にずっとこもってデイトレーダーのようなことをしていた人がいました。当たり前ですが、その人の評価は厳しいものになりました。
「稼ぐ」と「儲ける」をうまく組み合わせていける人は、今後は多くのお金を得ることができるようになるでしょう。まずは、「自分ができること」を見つけて、小さくてもいいので「すぐに始めてみる」のが大事なのではないかな、と思っています。
澤円(さわ まどか)
立教大学経済学部卒業後、生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、大手外資系IT企業に転職。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。最新のITテクノロジーに関する情報発信の役割を担う。2006年よりマネジメントに職掌を転換し、ピープルマネジメントを行うようになる。直属の部下のマネジメントだけではなく、多くの社内外の人たちのメンタリングも幅広く手掛けている。数多くのイベントに登壇し、プレゼンテーションに関して毎回高い評価を得ている。2015年より、サイバー犯罪に関する対応チームにも参加。2019年10月10日より、(株)圓窓 代表取締役就任。企業に属しながら個人でも活動を行う「複業」のロールモデルとなるべく活動中。また、美容業界やファッション業界の第一人者たちとのコラボも、業界を超えて積極的に行っている。テレビ・ラジオなどの出演多数。
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