【株式会社と同じ】NPO法人の実態を暴きます!
NPO法人という会社形態を耳にしたことはあっても、具体的にどのような事業を展開しているのかまではよくわからない、という方は多いかもしれません。
アルファベットを使わずに表すと、NPO法人は「特定非営利活動法人」で、公的に認められた法人団体の1つの形です。しかし「非営利」とあるように、NPO法人は営利目的での活動は行わないため、事業内容によっては設立の際にその仕組みをよく理解しておかなくてはいけません。
そこで本日の記事では、NPO法人の仕組みや設立のメリット・デメリットについて詳しく解説します。
NPO法人とは?
NPO法人とは非営利で事業を執り行う法人団体のことで、アルファベットを略さずに言うと「Non-Profit Organization」です。
事業内容の主となるのは慈善事業や社会貢献活動で、その主事業で利益を得ることはありません。
NPO法人の設立が可能になったのは1988年のこと。
社会貢献活動をより円滑に行えるよう施行され、設立することで特定の社会貢献活動に専念することも可能となりました。しかし、社会貢献活動を法人化することにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。以下でそれぞれを解説します。
NPO法人を設立するメリット
まずはNPO法人を設立するメリットについてご覧ください。
・社会貢献活動に専念しやすい
・慈善活動により発生する費用が優遇される
・社会貢献活動における外側からの信頼を得やすい
・社会貢献活動のため人員を採用できる
仮に活動内容が同じでも、団体名のない慈善事業団体とNPO法人では後者の方が社会的信用度が高まりますよね。
そのため、より規模の大きい社会貢献活動をするのであれば、NPO法人を設立した方がスムーズに活動が進むでしょう。また、社会貢献を活動の軸とするため、NPO法人は法人としての活動費が優遇されます。
具体的には資本金、登録免許税など、会社設立に掛かる費用や手数料が、NPO法人の場合は免除されています。さらに法人税も原則非課税のため、納税に掛かる支払いが大きく減免される上、法人である以上人を雇用し給与を支払うことも可能です。
そのため特定の社会貢献活動を行うために必要な人員を雇用したり、活動する人の生活を保証し慈善活動に専念させられることも、NPO法人設立における大きなメリットでしょう。
NPO法人を設立するデメリット
一方で、NPO法人にはデメリットも存在します。
・設立までに時間がかかる
・社会貢献活動をした税務報告が義務付けられている
・事業や税務報告について厳しく見られている
NPO法人は一般的な株式会社や合同会社よりも、設立までの道のりが長い傾向にあります。
それはNPO法人が税法上で優遇されている反面、設立・活動には所轄庁の厳しい認証が必須だからです。さらに法人としてお金を動かし、社員に給与を支払う以上は活動内容は慈善事業でも、税務報告しなければいけません。
事業報告書は誰でも見られるように開示されるため、設立・活動、そして法人として継続するためには相応の労力も必要です。
株式会社と何が違う?
会社の形として、多くの方がまず「株式会社」を思い浮かべるかもしれません。
この株式会社とNPO法人には、どのような違いがあるのかも知っておかなくてはいけません。メリットでもお伝えした通り、NPO法人は一般的な株式会社の設立に必要な登録免許税をはじめとした費用や法人税が免除・減免されています。
そのため見方によっては、新たな団体を立ち上げる上で株式会社よりもNPO法人の方が魅力的に思えるかもしれません。しかし、NPO法人と株式会社には明確な違いがあります。中でも決定的な違いは、その団体の目的にあるでしょう。
大切なのは、その団体の「目的」
一般的に株式会社は、何らかの商品やサービスを作り出しそれを社外に売り出すことで利益を得ます。いわば「営利目的で活動する団体」とも言い換えられるでしょう。対してNPO法人は「非営利団体」、つまり活動することで利益を求めることはありません。この「営利」目的の違いがNPO法人と株式会社の決定的な違いです。
NPO法人の「非営利」目的の活動の一例として、以下のようなものが挙げられます。
・公共の福祉・環境保全などにおける活動
・地域の安全や人権擁護に関わる活動
・災害救援・復興に関わる活動
・性別や人種などによる差別をなくすための活動
以上のように、現在では幅広い活動を目的としたNPO法人が設立されています。
さらに詳細なNPO法人の活動可能範囲については、NPO法人制度の公式HPにて開示されているため、設立の際は参考にしてみてください。
NPO法人は設立に時間と労力がかかる
NPO法人設立におけるデメリットとして、設立までに圧倒的な時間と労力がかかることが挙げられます。
これはNPO法人が非営利活動を行うため、税制面が減免されていることが大きな理由です。そのためNPO法人は、設立に際してはもちろん活動においても、厳しくその事業内容が見られています。
そのため新たなNPO法人の立ち上げには、相応以上の時間と労力が掛かることは覚悟しておかなくてはいけません。
またNPO法人の設立には最低でも3〜4ヶ月が必要で、一般的な株式会社の設立と比較しても圧倒的に時間がかかることがわかります。
お金がからんでいるのになぜ「非営利」と言うの?
NPO法人は税務報告が必要な上、所属する社員には給与を支払うことも可能です。
それなのにどうして「非営利団体」だと言えるの?と純粋に疑問を持つ方も少なくありません。この点について理解するには、法務状の「営利」の定義を知っておくことが大切です。
会社や法人団体における「営利」、つまり「利益を出す」ことの定義は「利益を分配しないこと」です。
例えば事業においてある人物が出資したとして、株式会社であればその出資金を使い事業を行い、利益が出れば一定額を出資者に分配します。しかし、非営利団体であるNPO法人の場合は、出資ではなく寄付。ここで寄付された金銭を後に利益として分配することはありません。
また「給与を支払う」ことは個人の利益では?と疑問に思うかもしれませんが、給与は法人経営においては「人件費」として見なされます。言わばNPO法人は金銭的な利益を求めるために活動する組織ではなく「社会をより良くすること」を最大の利として活動している団体だと言えるでしょう。
NPO法人は常に厳しい目で見られる
金銭的な利益は数字で見て明らかですが、NPO法人における「社会をより良くすること」はそう簡単に物差しで測ることはできません。
一方でNPO法人は税制面では優遇されている部分が多いため、所轄庁はもちろん一般からもその活動を厳しい目で見られることになり、設立・運営にはより細心の注意を払う必要があります。
中でも気をつけたいのが活動における金銭のやりとりです。
厳しく見られるからこそ、お金の管理を徹底することでより良い活動へと結びつけましょう。この会計管理をよりスマートに、間違いが起こらないようにするために取り入れたいのが、金銭の流れを一括管理できる請求書管理ツールを活用するなどしていきましょう。
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