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NPO法人は「やばい」って本当?実態と株式会社との違い・怪しい団体の見分け方

NPO法人は「やばい」って本当?実態と株式会社との違い・怪しい団体の見分け方

NPO法人は「やばい」と言われるのはなぜ?【結論】

「NPO法人 やばい」と検索されるのは、NPO法人という仕組み自体に問題があるからではありません。多くは次の3つが混ざって語られているためです。

「やばい」と言われる背景実際のところ
「非営利なのに給料が出るのはおかしい」非営利とは「利益を分配しないこと」であって、無給という意味ではない。職員への給与支払いは法律上まったく問題ない
「税金が優遇されていてずるい」優遇があるのは事実だが、収益事業には法人税がかかる。事業報告書の提出も義務づけられている
「実態のない団体・怪しい団体がある」ここは事実。名称に「NPO法人」とあっても活動実態が乏しい団体は存在する。ただし所轄庁への提出書類は公開されており、外部から確認できる

つまり「NPO法人だから危ない」のではなく、「個別の団体を確認する手段があるのに使われていない」という話です。この記事では仕組みを整理したうえで、怪しい団体を見分けるチェック方法まで具体的に説明します。

NPO法人という会社形態を耳にしたことはあっても、具体的にどのような事業を展開しているのかまではよくわからない、という方は多いかもしれません。

アルファベットを使わずに表すと、NPO法人は「特定非営利活動法人」で、公的に認められた法人団体の1つの形です。しかし「非営利」とあるように、NPO法人は営利目的での活動は行わないため、事業内容によっては設立の際にその仕組みをよく理解しておかなくてはいけません。

そこで本日の記事では、NPO法人の仕組みや設立のメリット・デメリットについて詳しく解説します。

NPO法人とは?

NPO法人とは非営利で事業を執り行う法人団体のことで、アルファベットを略さずに言うと「Non-Profit Organization」です。

事業内容の主となるのは慈善事業や社会貢献活動で、その主事業で利益を得ることはありません。

NPO法人の設立が可能になったのは、特定非営利活動促進法(NPO法)が施行された1998年のことです。

社会貢献活動をより円滑に行えるよう施行され、設立することで特定の社会貢献活動に専念することも可能となりました。しかし、社会貢献活動を法人化することにはどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。以下でそれぞれを解説します。

NPO法人を設立するメリット

まずはNPO法人を設立するメリットについてご覧ください。

・社会貢献活動に専念しやすい

・慈善活動により発生する費用が優遇される

・社会貢献活動における外側からの信頼を得やすい

・社会貢献活動のため人員を採用できる

仮に活動内容が同じでも、団体名のない慈善事業団体とNPO法人では後者の方が社会的信用度が高まりますよね。

そのため、より規模の大きい社会貢献活動をするのであれば、NPO法人を設立した方がスムーズに活動が進むでしょう。また、社会貢献を活動の軸とするため、NPO法人は法人としての活動費が優遇されます。

具体的には資本金、登録免許税など、会社設立に掛かる費用や手数料が、NPO法人の場合は免除されています。また、法人税は「収益事業を行わない限り課税されない」という扱いです。法人税法上の収益事業(物品販売業や請負業など34業種)にあたる事業を行う場合は、その部分に法人税がかかります。なお法人である以上、人を雇用して給与を支払うことは可能です。

そのため特定の社会貢献活動を行うために必要な人員を雇用したり、活動する人の生活を保証し慈善活動に専念させられることも、NPO法人設立における大きなメリットでしょう。

NPO法人を設立するデメリット

一方で、NPO法人にはデメリットも存在します。

・設立までに時間がかかる

・社会貢献活動をした税務報告が義務付けられている

・事業や税務報告について厳しく見られている

NPO法人は一般的な株式会社や合同会社よりも、設立までの道のりが長い傾向にあります。

それはNPO法人が税法上で優遇されている反面、設立・活動には所轄庁の厳しい認証が必須だからです。さらに法人としてお金を動かし、社員に給与を支払う以上は活動内容は慈善事業でも、税務報告しなければいけません。

事業報告書は誰でも見られるように開示されるため、設立・活動、そして法人として継続するためには相応の労力も必要です。

株式会社と何が違う?

会社の形として、多くの方がまず「株式会社」を思い浮かべるかもしれません。

この株式会社とNPO法人には、どのような違いがあるのかも知っておかなくてはいけません。メリットでもお伝えした通り、NPO法人は一般的な株式会社の設立に必要な登録免許税をはじめとした費用や法人税が免除・減免されています。

そのため見方によっては、新たな団体を立ち上げる上で株式会社よりもNPO法人の方が魅力的に思えるかもしれません。しかし、NPO法人と株式会社には明確な違いがあります。中でも決定的な違いは、その団体の目的にあるでしょう。

大切なのは、その団体の「目的」

一般的に株式会社は、何らかの商品やサービスを作り出しそれを社外に売り出すことで利益を得ます。いわば「営利目的で活動する団体」とも言い換えられるでしょう。対してNPO法人は「非営利団体」、つまり活動することで利益を求めることはありません。この「営利」目的の違いがNPO法人と株式会社の決定的な違いです。

NPO法人の「非営利」目的の活動の一例として、以下のようなものが挙げられます。

・公共の福祉・環境保全などにおける活動

・地域の安全や人権擁護に関わる活動

・災害救援・復興に関わる活動

・性別や人種などによる差別をなくすための活動

以上のように、現在では幅広い活動を目的としたNPO法人が設立されています。

さらに詳細なNPO法人の活動可能範囲については、NPO法人制度の公式HPにて開示されているため、設立の際は参考にしてみてください。

特定非営利活動(NPO法人)制度の概要

NPO法人は設立に時間と労力がかかる

NPO法人設立におけるデメリットとして、設立までに圧倒的な時間と労力がかかることが挙げられます。

これはNPO法人が非営利活動を行うため、税制面が減免されていることが大きな理由です。そのためNPO法人は、設立に際してはもちろん活動においても、厳しくその事業内容が見られています。

そのため新たなNPO法人の立ち上げには、相応以上の時間と労力が掛かることは覚悟しておかなくてはいけません。
またNPO法人の設立には最低でも3〜4ヶ月が必要で、一般的な株式会社の設立と比較しても圧倒的に時間がかかることがわかります。

お金がからんでいるのになぜ「非営利」と言うの?

NPO法人は税務報告が必要な上、所属する社員には給与を支払うことも可能です。

それなのにどうして「非営利団体」だと言えるの?と純粋に疑問を持つ方も少なくありません。この点について理解するには、法務状の「営利」の定義を知っておくことが大切です。

会社や法人団体における「営利」、つまり「利益を出す」ことの定義は「利益を分配しないこと」です。

例えば事業においてある人物が出資したとして、株式会社であればその出資金を使い事業を行い、利益が出れば一定額を出資者に分配します。しかし、非営利団体であるNPO法人の場合は、出資ではなく寄付。ここで寄付された金銭を後に利益として分配することはありません。

また「給与を支払う」ことは個人の利益では?と疑問に思うかもしれませんが、給与は法人経営においては「人件費」として見なされます。言わばNPO法人は金銭的な利益を求めるために活動する組織ではなく「社会をより良くすること」を最大の利として活動している団体だと言えるでしょう。

NPO法人は常に厳しい目で見られる

金銭的な利益は数字で見て明らかですが、NPO法人における「社会をより良くすること」はそう簡単に物差しで測ることはできません。

一方でNPO法人は税制面では優遇されている部分が多いため、所轄庁はもちろん一般からもその活動を厳しい目で見られることになり、設立・運営にはより細心の注意を払う必要があります。

中でも気をつけたいのが活動における金銭のやりとりです。

厳しく見られるからこそ、お金の管理を徹底することでより良い活動へと結びつけましょう。この会計管理をよりスマートに、間違いが起こらないようにするために取り入れたいのが、金銭の流れを一括管理できる請求書管理ツールを活用するなどしていきましょう。

NPO法人・一般社団法人・株式会社の違い早見表

比較項目NPO法人一般社団法人株式会社
主な目的特定非営利活動(法で分野が定められている)目的の制限なし営利(利益の分配)
利益の分配できないできないできる(配当)
設立時の必要人数社員10人以上社員2人以上1人から可
設立手続き所轄庁の認証が必要登記のみ登記のみ
設立にかかる期間の目安おおむね数か月数週間程度数週間程度
設立登記の登録免許税非課税課税課税
法人税収益事業を行う部分に課税区分により異なる課税
情報公開事業報告書等の提出・公開が義務決算公告決算公告

「手続きの軽さ」だけを見れば一般社団法人や株式会社が有利です。それでもNPO法人が選ばれるのは、公開が義務づけられている=外部から信頼を確認してもらえるという点に価値があるからです。

怪しいNPO法人の見分け方|公開情報で確認できる6項目

NPO法人は、事業報告書や活動計算書などを所轄庁へ提出する義務があり、これらは誰でも閲覧できます。寄付や就職を検討するときは、次の順に確認すると判断しやすくなります。

#確認すること気をつけたいサイン
1内閣府NPOポータルサイトや所轄庁のページに登録があるかそもそも法人として登録が見当たらない
2事業報告書が毎年提出されているか提出が何年も途切れている
3活動計算書で収入の内訳が分かるか内訳がほとんど書かれていない
4支出のうち事業費と管理費の割合管理費が極端に大きい
5役員名簿と定款の活動分野掲げる活動と実際の事業内容がずれている
6活動報告が継続的に発信されているか数年間まったく更新がない

1つ当てはまるだけで「怪しい」と決めつける必要はありませんが、2〜4のようにお金の流れが読み取れない場合は、寄付や入職の前に直接問い合わせて確認するのが安全です。

NPO法人で働くと給料はどうなる?

「非営利だから無給では」と誤解されがちですが、NPO法人の職員には通常どおり給与が支払われます。雇用契約を結び、社会保険にも加入します。ボランティアとは立場が異なります。

ただし、押さえておきたい前提があります。

  • 役員報酬には人数制限がある……報酬を受け取れる役員は、役員総数の3分の1以下と定められています
  • 収入源が事業収益だけとは限らない……会費・寄付・助成金・委託事業などの構成によって、資金の安定度が団体ごとに大きく変わります
  • 助成金依存度は要確認……単年度の助成金に頼っている場合、翌年度の採択状況で人件費が変動することがあります

就職・転職先として検討するなら、求人票の給与額だけでなく活動計算書で収入の構成を見ておくと、その団体の安定度を判断しやすくなります。

NPO法人についてよくある質問

NPO法人は儲けてはいけないのですか?

利益を出すこと自体は禁止されていません。禁止されているのは利益を構成員に分配することです。生まれた剰余金は次年度の活動に充てます。

NPOとNPO法人は同じ意味ですか?

異なります。NPOは非営利で活動する団体の総称で、法人格の有無を問いません。そのうちNPO法に基づいて所轄庁の認証を受け、登記した団体がNPO法人(特定非営利活動法人)です。

認定NPO法人とは何が違うのですか?

認定NPO法人は、NPO法人のうち一定の基準を満たすものとして所轄庁の認定を受けた法人です。寄付をした側が税制上の優遇を受けられる点が大きな違いで、認定を受けるにはより厳しい要件を満たす必要があります。

一人でもNPO法人を作れますか?

作れません。NPO法人の設立には社員が10人以上必要です。少人数で法人格を持ちたい場合は、一般社団法人など別の選択肢を検討することになります。

まとめ|「やばい」かどうかは団体ごとに確かめられる

NPO法人は、利益を分配しないという一点で株式会社と決定的に違う一方、給与の支払いも収益事業も行える法人格です。「やばい」という評判の多くは、この仕組みが正しく伝わっていないことから生まれています。

そして重要なのは、NPO法人には情報公開の義務があり、個別の団体を自分で確認できるということです。寄付先や就職先として迷ったときは、この記事の6項目を手元に置いて事業報告書を見てみてください。働き方やお金の判断材料はおかねチップスの豆知識でも紹介しています。

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