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クリエイティブで投資を変える、GO FUNDという新しいファンド

クリエイティブで投資を変える、GO FUNDという新しいファンド

2020年3月に誕生した投資ファンド「The Breakthrough Partners GO FUND」。代表を務めるのは、「アドバンテッジパートナーズ」や「あすかホールディングス」で投資事業に従事してきた小池藍さんです。従来の広告会社・PR会社のような、クライアントとエージェンシーという関係を超え、ワンチームでプロデュースすることを強みとしたクリエイティブカンパニー「The Breakthrough Company GO」の代表・三浦崇宏さんが、大学時代からの友人である小池さんと意気投合して生まれた同社。極めて論理的な投資の世界と、極めて感覚的なクリエイティブな世界が交わることで、どのような化学反応が起こるのでしょうか。

次世代を担う新しい職業を生業としている方々へのインタビュー企画「シゴトとワタシ」。今回は、論理と感性のどちらにもどっぷり浸っていた経歴を持ち、現在はGO FUNDの代表を務める小池さんにお話を伺いました。

そもそも「ファンド」ってなんですか?

ーー本日はよろしくお願いいたします。GO FUNDさんは業種で言うと投資ファンドになりますが、そもそもファンドとは何なんでしょうか? 根本的すぎてお恥ずかしいのですが……。

小池藍さん(以下、小池さん):いえいえ。ファンドって日本ではまだまだ一般的ではないですよね。端的に説明するとファンドは、人のお金をお預かりして(集めて)、それをいろんな企業に投資し、増やした上でお預かりした方々に返す、というものです。ファンドには、企業を買収して経営しバリューアップした上で売却し、その差益で稼ぐプライベートエクイティファンド(PE)や、上場企業の株を売買するヘッジファンドなどがあって、私たちGO FUNDはベンチャー企業に対して投資をするベンチャーキャピタル(VC)となります。

ファンドについて、あれこれ丁寧に教えてくれる小池さん。まるで聖母のよう……

ーーGO FUNDさんの場合、お金を出すと同時に、会社運営でさまざまなお手伝いもされるわけですよね。

小池さん:お金を出すだけのところもありますが、「ハンズオン」と言って、投資と合わせてさまざまなお手伝いをする投資ファンドもあり、弊社はそのタイプです。ハンズオンをするファンドも、財務を中心としたアドバイスをするところが多いのですが、GO FUNDはクリエイティブカンパニーの「GO」と一緒に設立したので、マーケティングやPR、クリエイティブのお手伝いをすることが大きな特徴ですね。その上で出資先の価値を高め、リターンをより大きくしお返しするという目的があります。

ーー言い方は悪いのですが、お金を出すので口も出す、みたいな側面もあったりとかは……。

小池さん:そこは正直、出資先の会社と思いっきり本音で話し合うので、とてもカロリーがかかります。でもその分、信頼関係が強くなり、真剣に向き合うことになるんですよね。先ほどお話しした通り、ファンドが投資に使うお金は多くが外部からお預かりしたもの。私たちは他者や投資家の方々からお預かりしたお金を投資運用しているので、その責任を考えると、どうしても投資先にさまざまなことを追求するのも仕方ないことかなって。

GO FUNDは2020年3月に設立

ーーGO FUNDさんでは、そうした投資資金はどこからお預かりしているのでしょうか。

小池さん:弊社もPEもヘッジファンドも、その資金のほとんどが機関投資家や事業会社などからですね。

ーー機関投資家??

小池さん:機関投資家とは大口の投資家のことです。たとえば、国の年金を運用している組織だったり、農協さんのような組合だったり、銀行や大学などの場合もあります。これらの運用資金は、誰かの預金、年金や組織の資金が元になっているもの。つまり、突き詰めると国民の皆さんのお金ということなんですよね。投資をミスして返せなくなる=国民や市民のお金を使って損する、ということになります。

ーーたしかに、それは責任重大ですね……。

小池さん:もちろん、すべての投資会社が同じ思想というわけではないでしょうけど、私はかつて勤めていたPEで、こうした責任感を意識することを徹底して叩き込まれました。良い経験だったと思います。

代表的なファンドの種類

ファンド名概要や特徴
プライベートエクイティファンド(PE)未上場企業に投資するファンド。経営権を取得した上でインパクトのある経営支援などを行うことで企業価値を高め、その企業を上場やM&Aで売却し、大きな利益を得ることを目的とする。
ヘッジファンドリスクヘッジしながらも積極的な運用を基本とし、いかなる市況環境でも利益を出すことを目的にしたファンド。主に上場企業へ投資する。
ベンチャーキャピタル(VC)起業して間もないベンチャーの株式を取得するファンド。企業価値を高めるため、経営に対してサポートやアドバイスを行うこともある。ベンチャーの成長や上場、M&A(企業の合併や買収)によって得られた利益を株主へ還元する。

突然、部外者が経営の中枢核に。刺激的で面白いファンドの世界

ーーここで改めて小池さんの経歴を振り返らせてください。学生時代から起業に関わっていたそうで。

小池さん:大学のサークルで、ベンチャーの立ち上げに関わっていました。そこにいた仲間や先輩はみんな、ベンチャー企業を起業したいという意識があるメンバーばかりでした。当初は新卒からコンサルや投資銀行に就職、その後起業という流れがあったのですが、私の就活の年にリーマンショックが起きちゃって……。目指していた外資には行けなくなってしまったんです。

ーーうわー、大変ですね。

小池さん:そのとき、たまたま社内起業家を育てたい、社内で新規事業を作ることに取り組んでいきたいと呼びかけていたのが、博報堂だったんです。起業できるなら面白いだろうと試験を受けて採用になりました。その後、デジタル系の部署に2年いたんですが、大企業であるがゆえ、なかなか物事がうまく進まなくて大変な思いをしていましたね。そうこうするうちに金融市場が回復してきて、また外資の採用が始まったので、アドバンテッジパートナーズというPEに転職することとなりました。

ーーPEではどのようなお仕事を?

小池さん:PEは先ほどもお話しした通り、企業を買収して価値を上げて売るのが仕事なのですが、たとえば買収ってものすごく短期決戦なんです。ある企業を買うとなったら、経営権を取得するために51%以上の株式を入手する必要があるので対象企業との交渉が必須で、そのために弁護士・会計士・税理士・コンサルタントからなる総勢20〜30名くらいのデューデリチームを、私たちファンドメンバーが3人程度で取りまとめます。対象会社を調査・分析して、いくらで買収するのか、どの程度のリスクがあるのか、また、買収後にどのようなバリューアップをするのかといった中長期計画などを3カ月ぐらいで決めて、交渉し、投資実行していくんです。情報が外に出ちゃうと交渉が決裂してしまう場合があるので、とにかく一気に。その間はとにかく激務ですね。

「PE時代はとにかく寝てなかったですね」と振り返る

ーーで、買収したらようやく落ち着けるんですか?

小池さん:いえ、買収したら今度は翌日からその会社に入り、経営側として働くことになります。ちなみに情報を表に出さずに動いているので、買収された企業の人の多くも買収成立をメディア報道や対象会社が出すリリースなどで知ることになります。

ーーこれまで全くの部外者だった人たちが経営者として入ってくるなんて。なんだかドラマの『半沢直樹』や『ハゲタカ』みたいな展開ですね。

小池さん:実際に救世主なのか悪魔なのかみたいな言われ方もしますよね。社員のみなさんも最初はすごく動揺されます。なので、最初の会社への入り方ってすごく気をつける必要があるんです。「私たちは敵じゃありません」「一緒にこの会社を良くしたいんです」というのを言葉でも行動でも伝えるようにして。たとえば、社員の誰よりも早く出社したり、現場のプロジェクトを一緒にまわしたり、営業を手伝ったりとか。

ーーPEとして、そういう真っ直ぐな姿勢を見せるのが大事なんですね。

小池さん:そうですね。朝から晩までその会社のために働いて一緒にやっているという姿勢を、とくに最初の100日間、徹底して行います。こうして信頼を獲得しながら、今後の道筋もつくらなければいけません。イメージは『半沢直樹』や『ハゲタカ』かもしれませんが、実際にはバトってばかりじゃ進みませんから。なかでも一番つらいケースは、赤字が酷い場合に、買収先に元々いる従業員のリストラを行うことです。会社が倒れては元も子もないので。ただ、その際も再就職先を一緒に見つけるまでやり抜くというのは、どの投資会社でも気にかけてやっている点ではないでしょうか。そもそも投資先に対して酷いと思われるような行為をしていると悪いウワサが立って、次の投資もできなくなりますし、関係者全員にとって最善の道を探す努力は常に必要ですね。

ーーそういう思いや姿勢でお仕事されていたとは意外です。なんというか、テレビや映画の世界では、ピンヒールに黒いスーツを着た方がいきなり会社を乗っ取るという展開が多いので。

小池さん:ドラマの世界ではそうなりますよね。私も一時期、黒のワンピースやスーツしか着てない時期がありました(笑)。私の場合は、仕事以外に気がまわらずほかの服を選ぶ余裕も発想もなかっただけですが。

「メディアで見るイメージとは違い、買収先の社員の方とコミュニケーションをちゃんと取るんですよ」と小池さん

ーーそれにしても、いきなり経営者になるというのもすごいですよね。

小池さん:大学時代にベンチャーの立ち上げに関わっていたことで、小さい規模の事業なら回し方を理解していました。でも、やっぱりプロの経営者でもプロの投資家でもなかったので、仕事と並行して投資や経営、法律、財務会計を分厚い専門書で勉強もしましたね。おそらく人生で一番勉強した時期だと思います。それでも全く足りてはいなくて、長い長い道のりだというのはわかりました。

ーーそれだけの魅力がファンドの世界にはあった、と。

小池さん:そうですね。社会人経験を何十年と積んで60代などシニア世代になって、どこかの会社の経営者になるという道なら割と一般的にあると思うのですが、20代30代で大きな会社の責任者として意思決定や運営をしたり、ましてや巨額の金額を動かせるというのは、とても刺激的だし勉強にもなる。PE投資家以外ではなかなかできないことだと思うんです。そこにやはり大きな魅力を感じていましたね。

極端な理詰め思考を変えたアートとの出会い

ーー小池さんはPEの後、また別の投資会社に転職されていますよね。

小池さん:PEを3年半ぐらいやりながらも、学生時代からの「自分は起業をするんだ」という思いが心の奥底にずっとあったんです。でもいまからベンチャーを立ち上げたとしても、おそらく日本の中に閉じこもってしまう。 自分のルーツを遡ってみても、高校生のタイミングで親の転勤でいきなり韓国へ引っ越し、インターナショナルスクールを出たこともあって、そもそものフィールドがアジアでした。だからもう少し世界にも目を向けたいと思いました。そんなタイミングで、たまたま海外に投資をしたいというファミリーオフィスと出会ったんです。

ーーファミリーオフィス?

小池さん:たくさん資産を持っていらっしゃるロックフェラー家のような個人資産の管理会社のことです。そこでアドバンテッジパートナーズから転職し、今度はインドと東南アジアのベンチャーに投資するようになりました。

ーーなるほど。ここでVC(ベンチャー投資)が出てくるわけですね。

小池さん:はい、新たな投資対象である海外のスタートアップを3年弱くらい勉強と研究をして。現地にも頻繁に出向いて投資実行をしていました。ただ、ここまでずっと投資の仕事にしか時間を使っていなかったからか、さまざまな苦しさも出てきていたんです。投資って人の多額のお金を扱っているので、すべての行動に対して、なぜその選択をしたのか常々理由を説明できるようにしておく責任があるんですね。それが癖になっていて日常生活の中でも、どんな些細なことでも理由が100%述べられない行動はしないし、受け入れられない、という支障が出てきていました。

ーーなんだか生きづらそうですね。

小池さん:そうですね。たとえば、道を歩くときですら真ん中、右端、左端のどこを選ぶのかを考えるわけです。最短ルートは左側だけど、真横に工事中の高層ビルがあるから物が落ちてくるリスク考えると右端だとか、起きている間はずっとそんな感じで全てに対して「理由」を考えてるんですよ。投資業以外の友人に会っても、なぜそういう言動をするのか、どうしてその選択をするのか、なぜそう思うのか……。他人の言動もいちいちどんな理由に基づいているのか? と気になってしまうんです。

「ファンドの概念が染み付いていた私は、なんでもかんでも理由や根拠を求めてしまっていましたが、人の言動の一つひとつには理由や根拠なんてないんですよね」と話す

ーーそれはしんどいです……。

小池さん:その悩みや課題だったら解決の選択肢はこれとこれで、それぞれ試してみれば少なくともこれぐらいの結果は最低でも担保できるでしょ、何でそうしないの? みたいに思っちゃって。でも、たとえばカフェにいて隣から聞こえてくる会話とか、深く考えていない内容も多かったりするじゃないですか。人の言動や意思決定に論理的な理由なんて、実際そんなになかったりしますよね。気分だったり、何となくそうした、みたいな。そういう外での環境がほとんど受け入れられなかったし、テレビなどメディアも見られなかった。投資の仕事は効率いいし、楽しいし、人より多分稼げる。だけど、この状態で生きていくのは結構しんどくない?って、そう思うようになった。その頃、現代アートと出会ったんです。

ーー理詰め人間が感性の世界に触れたんですね。

小池さん:それまでの私なら、とんでもなく理解できないものですよね。でも、たまたますごくいい先生に出会う機会があり、アートをどう見たらいいのか、どう対峙したらいいのか教えていただけたんです。アートも歴史や文脈は重要で、ある程度ルールはあるんですけど、大前提にあるのはダイバーシティ、多様性なんですよね。まずは、あらゆる立場を認めなければならない。そして、考えや思いを言語だけで表現できないから物理的な作品で表現していたりするので、こちらも感じ取らなければいけない。そうやって作品を見る訓練をしているうちに、それまでのいわゆる左脳だけに寄った思考が緩和され、センスの世界を行ったり来たりでなんとなくバランスが取れていったんです。

小池さんがナビゲーターを務めるアート専門のYouTube番組『MEET YOUR ART』

ーーあぁ、良かった。人間らしさを取り戻して、なんだか安心しました。

小池さん:仕事をほとんどせずに3年間アートに没頭して、バランスを取り戻して、多種多様な人とも普通に楽しく会えるようになって。その頃に、大学時代からの友人でもある、すでにGOをスタートしていた三浦崇宏と会ったときに、「VCをやりたいんだよね」と話してくれて。私は私で、海外でVCを見ていたので、これからはVCも強みが必要な時代だと感じていて、アートやデザインを強みとした投資ファンドはありなんじゃないかと思っていました。そのときのGOとニーズが一致し、それでGO FUNDを設立するに至りました。

世界を変えるスタートアップと女性投資家

ーーなぜGOさんはVC事業をやりたかったんですか?

小池さん:GOは博報堂出身の三浦と、電通出身の福本龍馬が立ち上げたクリエイティブカンパニーです。電通や博報堂にいると携わるのは大企業の案件ばかりで、それはそれでインパクトがあった。でも大きく世の中を変えるのは挑戦者、スタートアップだよね、そういう人たちを一流のクリエイティブでサポートしたら素晴らしい世界を作ることに役立てるんじゃないか、という想いで立ち上げたのがGOなんです。

ーーなるほど。

小池さん:ですが、GOの立ち上げ当初はスタートアップのサポートをたくさんやっていたものの、会社の知名度が上がるにつれて大企業の案件が増えていったんです。しかもスタートアップってやっぱりお金がないから、GOという会社の成長を考えると、より大企業案件が中心になってしまっていました。だけど本来はスタートアップを支援したくて会社を立ち上げたはずで、ならばどうしたらいいんだと。そこで考えついたのが、スタートアップからフィーをもらうのではなく、投資して成長を支援し、後で成果を回収するVCを立ち上げるのがいいだろうと。

スタートアップを支援したいという思いに立ち返るべく、GO FUNDを設立した

ーーそのタイミングで投資経験者にしてアートやクリエイティブも理解できる小池さんと再会しファンドを設立した、ということですね。GO FUNDさんでは、投資対象の選出基準ってあるんですか?

小池さん:尖った経営者の方とご一緒したいです。何かに熱中していて、それが好きで好きで仕方ない。死ぬほどそのことを考えた結果、事業にしていた。または、社会の課題を解決することに意義を見出して起業した日本の未来をつくりたい事業家。そういったシャープで個性が強いスタートアップに投資したいという気持ちがあります。あと、やはり重要なのは、クリエイティブの力で事業を伸ばすお手伝いができそうかどうか。

ーーその上で、ビジネス的な勝算があるかどうかを見分けるんでしょうか?

小池さん:もちろんそうですね。経営チームとディスカッションして、ビジネスモデルとしてこの事業が稼げるかどうかを見極めていきます。だけど、私たちはアーリーステージ(企業の創業初期段階)で投資をするので、その時点でビジネスモデルが完璧である必要はないと思っていて。実現のプロセスを踏む過程で、むしろどんどん良い形に柔軟に変えて実行していける。そういう可能性や将来性を感じられる創業チームのスタートアップに投資したいと考えています。

ーーGO FUNDさんを創設されて約1年半が経ちました。どのくらいの企業に投資されたんですか?

小池さん:現在、6社に投資しています。どこも濃くて才能あふれる会社ばかりですね。私たちがクリエイティブ面で携わるのは、社名やロゴといった会社のリブランディング、新しい商品サービスをローンチするときのマーケティングなど。さらにCM制作もしましたし、PR活動は恒常的に行っています。会社のニーズに合わせて手伝う内容は変えていきますし、少しずつですけど結果も伴ってきている状況です。

ーー小池さんはファンドをご自身で立ち上げて、投資の世界でご活躍されていますが、そもそも女性投資家ってどのくらいいらっしゃるんですか?

小池さん:女性投資家は日本だけでなく、世界的に少ないです。私が把握している限り、VCだと日本で投資ファンドの代表をしている女性は、私を含めてたったの4名だけ。でも、お金に関する意思決定の場に男性ばかりというのは未来を考えるとどうなのかなって。性別をはじめとするダイバーシティがないのは問題ですよね。金融業界全体を見渡すと、銀行の窓口やセールス担当などには女性が大勢いますけど、決済者や投資運用のポジションには女性があまりにも少ないんです。

ーー投資家が女性に向いていない職業、というわけもなさそうですよね。

小池さん:そうなんです。投資銀行でM&A仲介をやっていたとか、コンサルティング会社にいた、というような経歴があれば、性別関係なく投資家になるという選択肢はあり得ます。論理的に物事を考えられて、財務などの基本的な知識があれば性別は関係ありません。投資に関わる実務は、私のように入社してから勉強する人も多いです。むしろMBAホルダーでも学校での知識では足りないので実務を通じて覚えていく世界です。そういうステップを踏んで、未来に対するお金の配分の意思決定の場に女性を増やす、多様性を考慮することがもっと社会的に進んだらいいですね。

ーー小池さん率いるGO FUNDさんのような新しいファンドができたことで、業界的にも大きな変化が起こりそうです。ライバルとかっているんですか?

小池さん:クリエイティブのハンズオンを特徴とするVCとなると、いまのところファンドの形でやっているのは弊社だけですね。投資責任者は投資だけでなくクリエイティブについても理解している必要がありますし、クリエイターもスタートアップへの理解がないと成立しないので、それをクリアした優秀なメンバーが揃っているのはGO FUNDの大きな強みだと思っています。とはいうものの、日本のスタートアップ全体の活性化という意味で、今後「クリエイティブ」「女性」双方の側面において、似たVCがほかにも出てくることに期待しています。

「女性投資家も多いファンド投資の世界を築いていけたらいいですね」と小池さん 

小池藍(こいけ あい)

「The Breakthrough Partners GO FUND」代表パートナー
慶應義塾大学在学中にスタートアップを経験した後、2010年博報堂入社。その後、2012年から2015年までプライベートエクイティファンドのアドバンテッジパートナーズにてレバレッジドバイアウト(LBO)投資と投資先の経営及び新規事業運営に携わる。2016年より、あすかホールディングスにて東南アジア・インドのスタートアップ投資に従事し、独立。2020年よりGO FUNDをスタート。また、現代アートの知見を深めることとコレクション、普及に努める。2021年京都芸術大学芸術学部専任講師にも着任。

GO FUNDのHP:https://goinc.co.jp/go_fund/
小池さんのTwitter:@aiko21jpn

撮影/武石早代
取材・文/田中元

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