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お金を稼ぐために、知っておくべき自分の限界|澤円コラムVol.03

お金を稼ぐために、知っておくべき自分の限界|澤円コラムVol.03

元日本マイクロソフト業務執行役員で、「プレゼンの神様」とも呼ばれる澤円さんが、「時間とお金」をテーマにしたコラムをつづります。今回のテーマは、お金を稼ぐために知っておいた方がいい自分自身の限界について。

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みなさんこんにちは、澤円です。
連載第3回目をお届けします。

今回のテーマは、「自分のことを知る」です。
といっても、別に自己啓発的なことをお伝えしたいのではなく、もうちょっとシンプルなことです。
それは「自分の体力の限界」です。

ボクがキャリアについて語るとき、「お金」「時間」「体力」の三要素を意識しましょう、とお伝えしています。
その中で最も余裕があるものを武器にして、キャリアアップを目指しましょうという意図です。
この三要素は非常に密接に関わっています。
時間はお金と体力によって調整できます。
どこかに行く時、タクシーで時間を短縮したり、睡眠時間をちょっと削って労働時間を捻出したりするわけです。
体力はお金と時間によって増やしたり回復させたりできます。
お金があればジムに行ってトレーニングすることで体力増強できます。
たっぷりと睡眠時間を確保できれば、しっかりと回復させることができます。

そして、お金を生み出すには時間と体力を使うことになります。いかなる仕事も体力を使います。
肉体労働は言うまでもなく、デスクワークにおいても体力はしっかりと消耗します。
時給ベースの仕事であれば、長時間労働はそのまま収入アップにつながります。
しかし、長時間労働をするということは、回復の時間が短くなる運命にあります。
回復し切らないうちに翌日の仕事が始まってしまうと、疲労の借金が増えていきます。
休日までどうにかたどり着いて回復できているうちはいいのですが、体力が低下していると、どうしても抵抗力も下がってしまって、ちょっとしたことで風邪をひいてしまうかもしれないし、このご時世であれば世界的に超有名な厄介なウイルスが忍び込んでくるリスクもあります。

長時間労働とひと口に言っても、「どれくらいから長時間か」というのは個人差がありますし、その人の健康状態や心の状態によって体力の消耗スピードにはムラがあるものです。

ということで、ビジネスパーソンとして絶対に知っておかなくちゃいけないのが「自分の体力の限界」です。
わかりやすいところでは「最低限の睡眠時間」ですね。
自分は何時間眠れば体力が回復するのかを知っておくことが大事です。
それを知っておいた上で睡眠の環境に投資をすれば、体力の回復スピードをアップすることができます。
体力の絶対量がなくても、回復のペースを掴んでいれば、常にパフォーマンスを発揮できる状態で仕事に向き合うことができます。
いい仕事をすれば、多く稼ぐ確率は上がります。

また、お酒を飲む人であれば「自分が酔っ払う量」を把握しておくのも大事ですね。
前後不覚に酔っ払ってしまって道路で寝てしまうとかはビジネスパーソンとしてお話になりませんが、そうでなくても「ほかのことがほとんど何もできない」という量を知っておけば、積み残した仕事を後回しにして飲みに行った場合の量を調整することができるでしょう(もっとも、お酒が入った状態で仕事はしないに越したことはないですけどね。とくにメールなどで人とやり取りするときは、シラフでないと危なくて仕方ないので)。

そして、睡眠と同様に「お酒が抜けるスピード」も把握しておかなくてはなりません。
どのくらい飲んだらどれくらいで回復するのかを知っておけば、お酒が残っている状態で低いクオリティの仕事をするリスクを避けられます。
睡眠時間や飲酒量については「そんなのわかってますよ」と思う人の方が多いでしょう。
でも、他人と共有できる状態になっているかどうかは、再確認することをおすすめします。
「漠然とこれくらい」だと、ほかの人のペースに巻き込まれて自分が調子を崩す原因にもなります。

・「私は7時間の睡眠を確保しないとパフォーマンスが下がります」
・「これ以上飲むと明日の仕事に差し支えるのでこの辺りで」

こういう線引きをほかの人に説明できる状態にしておくと、自分のペースを守りながら仕事ができるように思います(そんなの聞き入れてくれない人と働いてますって方は、転職を考えて方がいいかもしれませんね。この話だけで数回分の原稿が書けそうw)。

ほんの30数年前までは、日本は自分の限界を超えて働くことでお金を得ていた時代でした。
でも、そんな時代はもはや教科書の中の話。弓矢や刀で戦ったり、黒船が来たって騒いでいたりした時代と同列に語ってもいいでしょう。

今の時代、自分のペースをどうやって作るかが至上命題ではないかと考えています。
自分の価値観に従って稼いでこそ、人生を豊かにしてくれるでしょう。

澤円(さわ まどか)

株式会社圓窓 代表取締役、元・日本マイクロソフト株式会社 業務執行役員、武蔵野大学アントレプレナーシップ学部 専任教員。

立教大学経済学部卒業後、生命保険のIT子会社勤務を経て、1997年、大手外資系IT企業に転職。情報共有系コンサルタントを経てプリセールスSEへ。最新のITテクノロジーに関する情報発信の役割を担う。2006年よりマネジメントに職掌を転換し、ピープルマネジメントを行うようになる。直属の部下のマネジメントだけではなく、多くの社内外の人たちのメンタリングも幅広く手掛けている。数多くのイベントに登壇し、プレゼンテーションに関して毎回高い評価を得ている。2015年より、サイバー犯罪に関する対応チームにも参加。2019年10月10日より、(株)圓窓 代表取締役就任。企業に属しながら個人でも活動を行う「複業」のロールモデルとなるべく活動中。また、美容業界やファッション業界の第一人者たちとのコラボも、業界を超えて積極的に行っている。テレビ・ラジオなどの出演多数。

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