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目的別・動画の選び方ガイド|採用・ブランド・商品PR・イベントで変わる企画設計と予算配分

目的別・動画の選び方ガイド|採用・ブランド・商品PR・イベントで変わる企画設計と予算配分

「動画をつくりたい」と社内で決まったとき、最初に迷うのは「どんな動画をつくればいいのか」です。採用のための動画と、ブランドを伝える動画と、商品を売るための動画は、見た目が似ていても中身の設計がまったく違います。ここを曖昧にしたまま制作会社に相談すると、話が「尺は何分にしますか」「実写かアニメーションか」といった手段の話から始まってしまい、あとから「思っていたものと違う」となりがちです。

この記事は、目的から逆算して動画の種類を選ぶための入り口としてまとめました。採用・ブランド・商品PR・イベントという4つの代表的な目的ごとに、何を設計すべきか、予算配分はどう変わるか、成果をどう測るかを整理します。

なお「どの制作会社に頼むか」の選定基準は別の記事で扱っています。会社選びの手順や依頼時の注意点は動画制作会社・映像制作会社の選び方6選を、料金の細かい内訳は動画制作会社の料金相場をご覧ください。この記事は「その前段階」――つくるものそのものを決めるためのガイドです。

目的が決まらないまま動画をつくると、何が起きるのか

動画制作でよくつまずくのは、技術やクオリティの問題ではありません。多くは「誰に、何をしてほしくてつくるのか」が決まらないまま進んでしまうことに起因します。典型的なのは次のような状態です。

  • 要素が盛り込まれすぎる――採用にも使いたい、営業にも使いたい、展示会でも流したい、と用途が増えるほど、どの用途にも刺さらない総花的な内容になります
  • 修正が終わらない――判断基準が「良いか悪いか」の感覚論になり、社内で意見が割れて修正回数が膨らみます
  • 公開後に成果がわからない――何をもって成功とするかを決めていないため、次につながる学びが残りません
  • 予算配分がちぐはぐになる――撮影に費用をかけたのに、届ける場所(広告や導線)の予算が残っていない、というケースです

逆に言えば、目的・視聴者・視聴場所・成果指標の4つを最初に決めておくだけで、これらの多くは防げます。まずはこの4つの軸を押さえましょう。

最初に決める4つの軸|目的・視聴者・視聴場所・成果指標

制作会社に相談する前に、社内で次の4点を言語化しておくと、その後の打ち合わせが一気に具体的になります。逆にここが空欄のまま相談すると、ヒアリングだけで数週間かかることも珍しくありません。

1. 目的(何を動かしたいのか)

「認知を広げたい」だけでは足りません。「応募数を増やしたい」「内定辞退を減らしたい」「商談で説明する時間を短くしたい」というように、動画が公開されたあとに何がどう変わってほしいのかまで落とし込みます。ここが決まると、尺も構成も自動的に絞られていきます。

2. 視聴者(誰が見るのか)

同じ採用動画でも、新卒の学生と中途の経験者では知りたいことが違います。学生は職場の雰囲気や成長環境を、経験者は裁量や技術スタック、評価制度を見ています。視聴者像を1つに絞れないときは、優先順位をつけて「主たる視聴者」を決めてください。

3. 視聴場所(どこで再生されるのか)

視聴場所は尺と画面設計を決める要素です。SNSのフィードでは音声オフで数秒のうちに離脱が起きるため、冒頭の数秒と字幕が生命線になります。一方、会社説明会や展示会ブースのように「見ることが前提」の場では、もう少し長い尺でじっくり伝えられます。縦型か横型かもここで決まります。

4. 成果指標(どうなったら成功か)

再生回数だけを指標にすると判断を誤りやすくなります。採用動画なら応募数やエントリー率、商品PRなら遷移率やコンバージョン、ブランドムービーなら指名検索数やアンケートでの印象変化、といった具合に、目的に対応した指標を先に決めておきます。測れないものを目標にしないのがコツです。

動画の種類ごとに予算配分と制作期間が変わることを示す図解
目的が変われば、費用の重心も制作期間も変わる。同じ「動画」でも設計はまったく別物になる

目的別・動画タイプ早見表

4つの軸を踏まえて、代表的な目的ごとの特徴を一覧にしました。尺や費用は案件の規模・撮影日数・出演者の有無で大きく変わるため、あくまで検討の出発点となる目安としてご覧ください。

目的主な視聴者尺の目安費用の目安主な成果指標
採用求職者・学生2〜5分(SNS用は30〜60秒)数十万円〜300万円前後応募数・エントリー率・辞退率
ブランド顧客・取引先・社員60秒〜3分100万円〜数百万円以上指名検索数・印象調査・想起率
商品PR見込み顧客15〜90秒数十万円〜200万円前後遷移率・購入率・問い合わせ数
イベント参加者・不参加層30秒〜3分数十万円〜150万円前後申込数・当日満足度・二次利用回数
マニュアル・研修社員・顧客3〜15分数十万円〜100万円前後問い合わせ削減数・理解度テスト
費用は撮影日数・出演者・アニメーションの量で大きく上下します。実写かCGか、既存素材を使えるかでも変動します

この表で注目してほしいのは、目的によって「何にお金がかかるか」の重心が違う点です。採用動画は出演者(社員)の拘束と撮影日数が、商品PRは商品の見せ方(照明・小道具・CG)が、ブランドムービーは企画とコピーの練り込みが、それぞれコストの中心になります。

採用動画|「良い会社に見せる」より「合う人に届ける」

採用動画で最も多い失敗は、良い面だけを集めた結果、どの会社にも当てはまる内容になってしまうことです。応募数だけを追うと、入社後のミスマッチが増えて辞退率や早期離職に跳ね返ります。

効果を出しやすいのは、働く人の言葉と、実際の仕事の様子を軸にした構成です。オフィスの外観や設備よりも、「どんな判断をする仕事なのか」「1日の流れはどうか」が伝わるほうが、求職者の意思決定を助けます。あえて大変な部分に触れておくと、応募段階での自己選別が働き、結果的に採用効率が上がることもあります。

  • 新卒向け:職場の雰囲気、若手の成長、教育体制。若手社員の登場が効きやすい
  • 中途向け:裁量範囲、技術・業務の具体、評価と報酬の考え方。現場責任者の言葉が効きやすい
  • アルバイト・パート向け:シフトの実際、覚えることの量、初日の流れ。短尺・スマホ縦型が有効

採用領域に強い制作会社の顔ぶれや実績を比較したい場合は、採用動画・映像制作会社おすすめランキング30選が参考になります。

ブランドムービー|短期の数字を追わない設計にする

ブランドムービーは、商品の機能ではなく企業や事業の姿勢・世界観を伝えるための動画です。ここで気をつけたいのは、短期のコンバージョンを目標に置かないこと。売上直結を求めるなら商品PR動画や広告クリエイティブのほうが適しており、役割を混ぜると企画が中途半端になります。

制作費の重心は、撮影よりも企画・コンセプト設計にあります。「自社が何者で、なぜそれをやっているのか」を一文に凝縮する作業が核であり、ここが決まっていれば映像表現の選択肢は自然と絞られます。逆に、コンセプトが固まらないまま撮影に入ると、編集段階で迷走して修正費が膨らみます。

また、ブランドムービーは公開後の寿命が長いのが特徴です。2〜3年使う前提なら、時期が特定できる要素(季節感の強い風景、流行の表現、期間限定の商品)を入れすぎないほうが結果的に安く済みます。表現の傾向や制作事例はブランドムービー制作会社おすすめ30選でも比較できます。

商品PR動画|「わかる」より「試したくなる」を優先する

商品PR動画は、機能説明を詰め込みたくなる領域です。しかし視聴者が知りたいのは仕様の一覧ではなく、「自分の困りごとが解決するのか」です。冒頭で課題を提示し、商品がそれをどう変えるかを見せる構成のほうが、最後まで見られます。

配信先によって必要な尺と形が変わる点にも注意が必要です。1本つくって全部に流用しようとすると、どの媒体でも中途半端になります。最初から本編1本+切り出し数本を前提に設計し、撮影時に素材を多めに押さえておくのが効率的です。

配信先推奨の尺画面比率設計上のポイント
SNSフィード広告6〜15秒縦型・正方形音声オフ前提。冒頭2秒で結論と字幕を出す
動画プラットフォーム広告15〜30秒横型スキップ前の5秒で興味を引く
自社サイト・LP60〜90秒横型能動的な視聴者向け。詳細説明を入れてよい
ECサイト商品ページ15〜60秒正方形・縦型サイズ感・使用シーンを具体的に見せる
展示会・店頭30〜60秒ループ横型途中から見られる前提。ループしても違和感がない構成に
同じ素材から複数の尺・比率を書き出す前提で撮影しておくと、追加撮影の費用を抑えられます

商品PRやプロモーション映像の制作実績を持つ会社を探す場合は、PV制作会社おすすめ27選おすすめのプロモーション映像制作会社23選が候補選びの助けになります。

イベント動画|「集客用」と「記録用」を分けて考える

イベント関連の動画は、実は用途が3つに分かれます。ここを一緒くたにすると、当日の撮影体制も納期も見誤ります。

  • 事前の集客動画――開催の1〜2か月前に公開。前回の様子や登壇者の紹介で申込を促す
  • 当日の演出映像――オープニング映像や登壇者紹介など。会場の画面サイズと明るさに合わせた設計が必要
  • 事後のダイジェスト――来場できなかった層への訴求と、次回の集客素材を兼ねる

特に見落とされやすいのが事後ダイジェストの納期です。イベントの熱が残っているうちに公開したいなら、当日中〜数日以内の納品が必要になり、その場合は撮影と並行して編集を進める体制(当日編集)が求められます。通常編集より費用は上がるため、企画段階で「いつ公開したいか」を決めて見積もりに反映させてください。

また、イベント動画は出演者の許諾が問題になりやすい領域です。登壇者・来場者の顔が映る場合、二次利用の範囲(SNS掲載の可否、使用期間)を事前に取り決めておかないと、公開直前に使えない素材が出てきます。

予算配分の考え方|制作費だけで予算を使い切らない

動画関連の予算でよくある失敗が、制作費に全額を投じてしまい、公開後に「届ける」ための費用が残らないケースです。特に商品PRのように広告配信を伴う動画では、制作と配信を合わせて予算を組む必要があります。

厳密な正解はありませんが、目的別におおまかな重心を示すと次のようになります。自社の状況に合わせて調整してください。

  • 採用動画:制作に比重を置く。配信は自社の採用サイト・求人媒体が中心のため、広告費は限定的でよい
  • ブランドムービー:企画・コンセプト設計に厚く配分。長期利用が前提なので撮影の品質も落とさない
  • 商品PR動画:制作と配信を分けて確保する。良い動画でも届かなければ成果は出ない
  • イベント動画:当日の体制(カメラ台数・音声)と、納期短縮のための編集体制に配分

加えて、修正費の想定を最初から見込んでおくことをおすすめします。見積もりに含まれる修正回数は制作会社によって異なり、規定回数を超えると追加費用が発生するのが一般的です。社内の承認者が多い組織ほど修正が増えるため、決裁ラインを事前に整理しておくと結果的にコストが下がります。費用項目の細かい内訳は動画制作会社の料金相場で確認できます。

相談前チェックリスト|これが埋まれば見積もりの精度が上がる

制作会社に問い合わせる前に、次の項目を埋めておくと打ち合わせが短く済み、見積もりのブレも小さくなります。すべて埋まらなくても構いませんが、上から5つは決めておきたいところです。

  • □ この動画で何を変えたいのか(応募数・問い合わせ数・説明工数など)を一文で言える
  • □ 主たる視聴者を1つに絞れている
  • □ どこで再生されるか(媒体・画面比率)が決まっている
  • □ 成功の判断基準(指標と目標値)を決めている
  • □ 公開したい時期と、その理由(イベント・採用スケジュール等)が明確
  • □ 予算の上限と、制作費/配信費の内訳の考え方を持っている
  • □ 出演者(社員・顧客)の協力を得られる見込みがある
  • □ 使える既存素材(写真・ロゴ・過去映像・BGM)を洗い出している
  • □ 社内の決裁ラインと、修正意見をまとめる担当者が決まっている
  • □ 二次利用の範囲(期間・媒体・改変の可否)の希望が整理できている
  • □ 参考にしたい動画を2〜3本挙げられる(好きな理由も言語化してある)

最後の「参考動画」は特に有効です。言葉で伝えにくいトーンや雰囲気を共有でき、認識のズレによる大きな手戻りを防げます。ただし「なぜそれが良いと思ったのか」を添えてください。理由がないと、表面的な模倣になってしまいます。

制作期間の目安と、逆算のしかた

公開希望日から逆算するとき、見落とされやすいのが企画期間と社内確認の時間です。撮影・編集の日数は制作会社が管理してくれますが、社内の意思決定にかかる時間は自社でしか読めません。

  • 企画・構成(2〜4週間)――目的の整理、構成案、絵コンテの確定まで
  • 準備(1〜3週間)――出演者の調整、ロケハン、小道具や衣装の手配
  • 撮影(1〜3日)――規模により増減。複数拠点なら日数が伸びる
  • 編集(2〜4週間)――初稿、修正、ナレーション収録、BGM・効果音、書き出し
  • 社内確認(読みにくいが要確保)――承認者が多いほど時間がかかる

合計すると、一般的な企業向け動画でおおむね2〜3か月を見ておくと安全です。短尺のSNS用動画や既存素材の再編集ならもっと短くできますが、撮影を伴う場合は季節や天候、出演者のスケジュールに左右されるため、余裕を持った計画をおすすめします。

よくある質問

1本の動画を採用にも商品PRにも使い回せますか?

おすすめしません。視聴者も伝えるべき内容も違うため、両立を狙うとどちらにも刺さらなくなります。ただし撮影を1回にまとめて、編集で用途別に分ける方法は有効です。企画段階で「この撮影から何本つくるか」を決めておけば、撮影費を共有できて全体コストを抑えられます。

実写とアニメーション、どちらを選べばいいですか?

「実在する人や場所を見せたいか」で判断すると迷いません。職場の雰囲気や人柄が価値になる採用動画は実写向きです。一方、目に見えない仕組みやサービスの流れを説明する場合、抽象的な概念を図解できるアニメーションが向いています。修正のしやすさでもアニメーションに分があり、撮り直しが不要なぶん、公開後の情報更新にも対応しやすい傾向があります。

尺は短いほうがいいのでしょうか?

視聴者の姿勢によります。SNSのように受動的に流れてくる場面では短いほうが有利ですが、自社サイトを訪れて能動的に情報を探している相手には、必要な情報を削るほうが不利になります。「短くする」ではなく「その場面で必要な情報だけを入れる」と考えるのが適切です。

BGMや素材は自由に使えますか?

使用できる範囲はライセンスによって異なります。「Webのみ可、テレビCMは不可」「1年間のみ」といった条件が付くことが多く、契約内容の確認が欠かせません。制作会社に任せる場合も、納品時に使用許諾の範囲を書面で受け取っておくと、二次利用のときに困りません。出演者の肖像についても同様です。

社内で撮影するのと、制作会社に頼むのはどちらがいいですか?

頻度と目的で分けるのが現実的です。日常的に更新するSNS用の短尺動画や社内向けの説明動画は、内製したほうが速く安く回せます。一方、採用の要になる動画やブランドムービーのように長く使い、外部に対する印象を左右するものは、企画から入ってもらう価値が大きい領域です。両方を組み合わせ、要になる1本だけ外注する運用も一般的です。

まとめ|つくる前の30分が、制作費より効く

動画制作の成否は、機材やクオリティより前の段階――目的・視聴者・視聴場所・成果指標を決める作業で大きく決まります。ここを埋めてから相談すれば、提案の質が上がり、修正回数が減り、結果として費用も抑えられます。

  • 目的を「公開後に何が変わってほしいか」まで落とし込む
  • 視聴者は1つに絞り、視聴場所から尺と画面比率を決める
  • 採用・ブランド・商品PR・イベントは設計も予算の重心も別物と考える
  • 制作費だけで予算を使い切らず、届けるための費用と修正費を確保する
  • 相談前チェックリストを埋めてから問い合わせる

つくるものが決まったら、次は依頼先の検討です。会社選びの基準と依頼の流れは動画制作会社・映像制作会社の選び方6選で、実績のある制作会社の比較は動画制作会社のおすすめ35選で確認できます。

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目的別・動画の選び方ガイド|採用・ブランド・商品PR・イベントで変わる企画設計と予算配分

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