カスタマーサクセスのKPIとは?正しい設定をして目標を達成したい!
顧客の定着率向上を目指すカスタマーサクセスですが、導入する際はKPI(重要業績評価指標)を定め、業務における目的を明確化する必要があります。
KPIはさまざまな業務・役職に設定されますが、カスタマーサクセスにはどのようなKPIを設定するべきなのでしょうか。
今回はカスタマーサクセスのKPIの設定方法について解説します。
カスタマーサクセスの導入を考えている企業・カスタマーサクセスの業務に興味がある方は、ぜひ参考にしてください。
カスタマーサクセスのKPIとは?
カスタマーサクセスは、自社の商品・サービスを利用した顧客に能動的にはたらきかけて、より自社やサービスを長く利用してもらうためのアプローチを行う部門を指します。
顧客の定着率を高め自社商品・サービスの継続的な利用を目指すため、利用した商品の評価や不満を聞くほか、顧客の悩みに合った自社商品を紹介する場合もあります。
カスタマーサクセスを実際に導入する際に重要なのが、KPI(Key Performance Indicator)を設定することです。
KPIは重要業績評価指標の略で、業務による具体的な目標・目指すべき数字を具体的に設定することを指します。
カスタマーサクセスとしての業務目標を明確にし、より営業活動による成果の向上を目指しましょう。
KGIとは?
KPIとともに注目されているのがKGI(Key Goal Indicator)です。
日本語では経営目標達成指標と呼ばれ、こちらは企業全体の目標や成果を設定するうえでの指標です。
カスタマーサクセス部門や個人への目標設定では、個人の業務に対する目標指標を掲げられるKPIを設定する必要があります。
ただしKPIは闇雲に数字や目標を設定するのではなく、まずはKGIを設定し企業全体の目標を掲げてから、逆算してその指標に必要な目標を設定しなければいけません。
KPIは個人や部門の業績指標を、KGIは企業全体の業績指標を掲げるものであるため、それぞれの指標を混同させないよう設定・周知させることが大切です。
カスタマーサクセスKPIの活用ポイント
カスタマーサクセスの業務において、KPIはどのように設定し活用する必要があるのでしょうか。
ここではカスタマーサクセスにおけるKPIの活用方法について解説します。
自社に合ったKPIを選択すること
まずは自社に合ったカスタマーサクセスのKPIを設定しましょう。
扱う商品やサービス、目標とする売上高や顧客定着率の増加数など、企業によって設定するべき指標は変わります。
KGIをもとに具体的な数字を検討するほか、現実的に達成可能な数字であるかどうかも検討したうえで、KPIを設定することが大切です。
定期的な見直しをすること
同じ商品・サービスを扱っていても、その年の業績や金融経済の状況・業界全体の需要により、設定するべきKPIは変わってきます。
そのためKPIは定期的に見直して、現実的な数字に修正していくことも必要です。
見直しは半年や1年など決算に合わせて見直すほか、1ヶ月ごとに小目標を設定しながら検討していくのもおすすめです。
KPIに対する評価を実施する(PDCAを回す)
KPIを設定し期限まで業務を進めたら、設定したKPIと期間内の実際の成果を比較評価し、PDCAサイクルを回しましょう。
あらかじめ設定したKPIの指標を達成できているかどうかはもちろん、達成できた・できなかったことの要因や改善案についても検討する必要があります。
達成できなかった要因や改善案を具体的に検討することは、次期により的確なKPIを設定するうえでも重要です。
カスタマーサクセスKPIの設定手順
カスタマーサクセスのKPIを設定するには、達成可能な指標を設定できるよう、指標についても慎重に検討する必要があります。
無茶なKPIの設定は社員の士気を下げる結果にもなるため、正しい手順でKPIを検討しましょう。
以下では、カスタマーサクセスのKPIを設定する3つの手順を解説します。
KGIの設定
社員個人や部門の目標としてKPIを設定するには、まず企業全体の目標指標であるKGIを設定しましょう。
KGIを設定したうえで、その指標を達成するために必要な目標を検討し、カスタマーサクセスをはじめ各部門に割り当てていく必要があります。
ただしKGIの設定についてもPDCAサイクルを回し、現実的に達成可能な数字を設定することがポイントです。
現状を把握する
達成可能なKGI・KPIを設定するには、現状の売上や顧客獲得率を正しく把握する必要があります。
特にカスタマーサクセスの分野においては、顧客の継続利用率の高さや顧客の要望・意見を正しく取り入れられているかどうかなど、顧客の動向における指標を把握しなければいけません。
そのためには正しく顧客や業務について管理できるシステムを導入するなど、管理・現状把握における環境も整えることが大切です。
事業における現状を正確に・スムーズに把握できる環境を整えることも視野に入れて、KPIの設定を目指しましょう。
KGIをもとにKPIを設定する
KGIが決まったら、その指標をもとにKPIを設定します。
KGIとして掲げた指標から逆算し、KGIを達成するために必要なカスタマーサクセスでの目標を検討します。
カスタマーサクセスの場合、顧客の利用継続率・解約率などの数値を目安にKPIを設定していくことがポイントです。
達成可能であることはもちろん、KGIの達成も目指せる具体的な数値を検討し、KPIとしてカスタマーサクセスを担当する社員に周知しましょう。
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カスタマーサクセスKPIを設定したらどこを見るべき?
カスタマーサクセスは顧客の満足度・利用継続率の向上を目的とする部門であるため、KPIを設定する際もその目的に合致した数字を指標として設定しなければいけません。
なかでもKPIの設定において検討したい3つの指標について、以下で解説します。
解約率
カスタマーサクセスは顧客の利用満足度・利用継続率の向上を目指す必要があります。
特にサブスクリプションサービスをはじめ、顧客に長く利用してもらうことが売上に直結する場合は、解約率の低下を指標に加えましょう。
顧客の解約率は、以下の計算式で求められます。
・解約率(%)=解約者数 ÷ 総顧客数 × 100
以上の数字が大きければ大きいほど、顧客がサービスを利用しても満足度を維持できず解約してしまっていると受け取れます。
そのためカスタマーサクセスのKPIを設定する際は、解約率をより低くすることを指標として検討することが大切です。
オンボーディング完了率
オンボーディング完了率とは、顧客が商品・サービスを購入してから、利用が定着するまでの長さを指します。
顧客は自社のサービスを利用するまでに、初期設定を行うほか操作方法を把握するなど、さまざまな準備をする必要があります。
顧客のなかにはサービスを購入しても設定が煩雑でオンボーディングを進めていなかったり、設定や操作の手間が煩雑であることを理由に他のサービスに移ってしまう場合もあるでしょう。
オンボーディングが完了しない顧客はすぐにサービスを解約してしまう可能性も高いため、オンボーディング完了率を高めるためのサポートやサービスの向上は欠かせません。
アップセルとクロスセル率
アップセル率・クロスセル率は、それぞれ以下の数値を意味します。
・アップセル率:顧客が商品・サービスの追加オプションを購入する確率
・クロスセル率:顧客が利用中の商品と組み合わせて利用できる商品を購入する確率
いずれの数字も、すでに購入している自社商品・サービスに加えて、自社のほかの商品やサービスも購入しているか否かを判断できる数字です。
顧客が自社の複数サービスを継続的に利用していれば、売上・顧客利用率ともに向上を目指せるため、自社で扱う商品・サービスの種類が豊富であれば、アップセル率・クロスセル率もKPIに組み込みましょう。
カスタマーサクセスのKPIをうまく設定しましょう!
カスタマーサクセスのKPI設定について解説しました。
KPIは重要業績評価指標を指し、あらかじめ社員や部門に設定することで、具体的な業務目標を周知できます。
具体的な数字で示すことが中心で目標の達成・未達成がわかりやすく、カスタマーサクセスの業務目標も明確にできるため、定期的に見直しながら設定していくことが大切です。
大きなポイントが、達成可能な数値を設定することに加え、企業全体の成功・目標成功に必要な目標を設定できているかどうかです。
企業全体の業績評価指標であるKGIの設定も検討しながら、より企業にとって利のあるKPI設定を目指しましょう。
文/おかねチップス編集部
監修文/おかねチップス編集部
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