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飲食店メニュー表のデザイン依頼|載せる順番・写真の扱いと、紙・ラミネート・差し替え運用の考え方

飲食店メニュー表のデザイン依頼|載せる順番・写真の扱いと、紙・ラミネート・差し替え運用の考え方

「開業に合わせてメニュー表を作りたい」「写真付きのメニューに変えて客単価を上げたい」「値上げに合わせてメニューを作り直したい」——飲食店のメニュー表は、お客さまが注文を決める瞬間に必ず目を通す、店にとって最も読まれる販促物です。並べ方や写真の扱いひとつで、注文の傾向が変わることもあります。

この記事では、発注する側の目線でメニュー表の種類と役割、載せる順番の考え方、写真の扱い、紙・ラミネートなど仕様の選び方、費用が動く要因、改訂と差し替えの運用、依頼前のチェックリストを整理します。ロゴや名刺、チラシなど店まわりの紙もの全体の発注については、ハブ記事のグラフィックデザインの依頼ガイドにまとめています。

メニュー表の種類と役割

ひと口にメニュー表といっても、置き場所や使い方によって役割が違います。最初にどの種類を、何のために作るかを決めておくと、デザインや仕様の判断がぶれにくくなります。

種類主な役割向いている場面
グランドメニュー定番の料理・飲み物をすべて伝える店の基本となるメニュー。冊子や見開きの形が多い
おすすめ・季節メニュー期間限定や今日のおすすめで注文を後押しする差し替え前提の1枚もの、卓上の小さなスタンド
ドリンクメニュー飲み物の追加注文を促すグランドメニューとは別にして、卓上に置きっぱなしにする
店頭・壁のメニュー入店前に料理と価格帯を伝える店の外の看板、黒板、壁に貼るメニュー
テイクアウト用メニュー持ち帰り・電話注文に使ってもらうチラシ型。持ち帰ってもらえる大きさに

載せる順番|お客さまの視線から逆算する

メニュー表は、上から順にすべて読まれるわけではありません。お客さまは最初に目が向かう場所を見て、気になる料理を探し、価格を確かめるという流れで選びます。そのため、どこに何を置くかが注文に影響します。

見開きのメニュー表で、お客さまの視線が最初に向かう位置と、看板メニューを置く場所を示した図解
メニュー表は、最初に目が向かう位置に「選んでほしい料理」を置き、迷わず選べる順番に並べる
  • 最初に目が向かう場所に看板メニューを置く……見開きなら右上や中央寄りの位置が目に入りやすいといわれる。店がいちばん選んでほしい料理を置く
  • カテゴリは注文の順に並べる……前菜→メイン→ご飯もの→デザート、のように食事の流れに沿うと選びやすい
  • 1カテゴリの品数を絞る……選択肢が多すぎると迷って決められない。おすすめに印をつけて選ぶ手がかりを作る
  • 価格は料理名の近くに、目立たせすぎずに……価格を縦一列にそろえると価格だけで比べられやすくなる
  • セット・トッピングは選ぶ流れの中に置く……メインの近くに置くと追加注文につながりやすい

なお、価格を表示する際は税込みの総額を表示することが求められています。テイクアウトとイートインで税率が異なる場合の表示方法など、迷う点は国税庁などの公的な情報で確認しておきましょう。

写真の扱い|載せる・載せないの判断と撮り方

写真は注文を後押しする強い要素ですが、すべての料理に写真を付ければよいわけではありません。店の業態や価格帯によって、写真の量と質の考え方が変わります。

方針向いている店注意点
全品に写真を付ける初めての来店客が多い店、料理名だけでは中身が伝わりにくい店メニュー表が大きくなりやすい。写真の質がそろっていないと安っぽく見える
看板メニューだけ写真を付ける多くの業態で取り入れやすいどの料理に写真を付けるかが、そのまま「おすすめ」のメッセージになる
写真なし(文字中心)落ち着いた雰囲気を大切にしたい店、品数が日々変わる店料理の説明文を丁寧に書く。店員の説明と組み合わせる

写真を使う場合は、料理の撮影はプロのカメラマンに依頼するか、少なくとも明るさ・角度・器をそろえて撮ることをおすすめします。写真と実際の料理が大きく違うと、お客さまの不満につながるため、実際に提供する盛り付けで撮影しましょう。料理撮影を含めた冊子づくりの考え方は{a(15131, ‘カタログ制作の進め方’)}も参考になります。

仕様の選び方|紙・ラミネート・形状

飲食店のメニュー表は、油や水、繰り返しの使用にさらされる過酷な環境で使われます。見た目と耐久性、差し替えのしやすさのバランスで仕様を選びましょう。

仕様特徴向いている使い方
紙のまま(厚手の紙)手触りがよく、雰囲気を出しやすい。汚れや水には弱い頻繁に変わる日替わりメニュー、使い捨ての前提
ラミネート加工水や油に強く、拭いて清潔に保てるグランドメニュー、ファミリー向けの店
合成紙・耐水紙破れにくく水に強い。ラミネートより薄く仕上がる屋外席、水まわりの多い店
差し込み式のファイル・バインダー中身だけ差し替えられる。表紙で店の印象を出せる改訂が多い店、ページ数の多いメニュー
卓上スタンド・黒板テーブルや店内で常に目に入るおすすめ、ドリンク、季節限定の訴求

費用が動く要因

メニュー表の費用は、デザイン料、撮影費、印刷・加工費に分けて考えます。同じ「メニュー表」でも、品数や写真の点数で工数が大きく変わるため、見積もりは条件をそろえて比べましょう。

  • 品数とページ数……載せる料理が多いほど、レイアウトの工数が増える
  • 写真の点数と撮影の有無……新しく撮影する場合は、撮影費やスタイリングの費用が加わる
  • メニューの種類数……グランド・ドリンク・ランチ・テイクアウトと種類が増えるほど費用が上がる
  • 仕様と部数……ラミネートや特殊な紙、冊子の製本は費用が上がりやすい
  • 翻訳・多言語対応……外国語の併記は翻訳とレイアウト調整の工数が加わる
  • 改訂の頻度……価格改定や季節替えのたびに修正費がかかるため、年間でどのくらい改訂するかも考える

改訂と差し替えの運用|作った後に困らないために

メニュー表は、価格改定、季節の入れ替え、品切れなどで作った後も変わり続ける印刷物です。最初の発注の段階で運用を決めておくと、改訂のたびの手間と費用を抑えられます。

  • 変わる部分と変わらない部分を分ける……定番はグランドメニュー、季節ものは別紙にするなど
  • 編集用データを受け取る……価格の修正を自分たちでできるか、毎回デザイナーに頼むかを決めておく
  • テンプレート化する……日替わりや季節メニューは、文字と写真を差し替えるだけで作れる型を用意してもらう
  • 改訂履歴を残す……いつ、どの価格に変えたかを記録しておくと、店内の掲示物との食い違いを防げる

制作の工程表と依頼前チェックリスト

  1. メニュー構成の整理……載せる料理、カテゴリ、価格、看板メニューを決める
  2. 方針の決定……写真の方針、メニューの種類、仕様、部数を決める
  3. 撮影……必要な料理を、実際に提供する盛り付けで撮影する
  4. デザイン・校正……料理名、価格、表示の誤りを1品ずつ確認する
  5. 印刷・加工・納品……実際に店で使ってみて、読みやすさや扱いやすさを確認する
  6. 運用……改訂のルールに沿って差し替える
  • □ 作るメニューの種類(グランド・ドリンク・おすすめなど)を決めた
  • □ 載せる料理と価格(税込みの総額)を確定した
  • □ いちばん選んでほしい看板メニューを決めた
  • □ 写真を付ける料理と、撮影の方法を決めた
  • □ 店の雰囲気やロゴ、色など守るべきルールを確認した
  • □ 紙・ラミネート・ファイルなどの仕様と部数を決めた
  • □ 外国語の併記が必要か決めた
  • □ アレルギーなどの情報をどう案内するか決めた
  • □ 改訂の頻度と、差し替えの方法を決めた
  • □ 編集用データを受け取れるか確認した
  • □ 開業日・切り替え日から逆算した納期を確認した

よくある失敗と対策

メニュー表は、開業や改装の慌ただしい時期に作ることが多く、細かな確認が後回しになりがちです。よくある失敗を事前に押さえておきましょう。

よくある失敗起きる理由防ぐための対策
品数が多すぎて、お客さまが選べないすべての料理を同じ扱いで並べ、選ぶ手がかりがなかったカテゴリごとの品数を絞り、看板メニューやおすすめに印をつけて選ぶ手がかりを作る
写真と実物が違うと言われる撮影用に特別な盛り付けをした、または古い写真を使い続けた実際に提供する盛り付けで撮影し、料理を変えたら写真も差し替える
数か月で汚れて読めなくなる使い方に対して耐久性の低い紙を選んだグランドメニューはラミネートや耐水紙など、拭いて清潔に保てる仕様を選ぶ
値上げのたびに全部作り直している価格を差し替えやすい構造を考えずに作った差し込み式にする、価格を別紙にする、編集用データを受け取るなど、改訂の方法を最初に決める
店内の掲示とメニュー表の内容が食い違う改訂した内容を、すべての掲示物に反映できていなかったメニューと価格の正本を1つ決め、改訂履歴を残して全掲示物を同時に更新する

メニュー表は毎日、すべてのお客さまが手に取る販促物です。小さな読みにくさや誤りも積み重なると店の印象に影響するため、作った後の運用まで含めて設計しておきましょう。

よくある質問

Q. メニュー表のデザインは自分で作るのとプロに頼むのとどちらがよいですか?

A. 日替わりのおすすめなど頻繁に変わるものは、テンプレートを使って自分たちで作るほうが効率的です。一方、店の印象を左右するグランドメニューや、写真を多く使うメニューは、デザインと撮影をプロに任せることで仕上がりに差が出やすい部分です。グランドメニューは依頼し、日替わりは自作、という分担もよくあります。

Q. アレルギーの情報はメニュー表に載せたほうがよいですか?

A. お客さまの安全に関わる情報なので、何らかの形で案内できるようにしておくことが望ましいといえます。メニュー表に記号で示す方法のほか、別の一覧表を用意して店員に尋ねてもらう方法もあります。表示する場合は内容の正確さが重要なため、食材の変更時に必ず更新できる体制にしておきましょう。

Q. 値上げのたびにメニュー表を作り直すのは大変です。よい方法はありますか?

A. 価格だけを差し替えやすい構造にしておくのが有効です。差し込み式のファイルにする、価格を別紙にする、編集用データを受け取って自分たちで修正できるようにする、などの方法があります。最初の発注時に、改訂の頻度と方法をデザイナーに伝えておきましょう。

Q. QRコードで注文する店でも、紙のメニュー表は必要ですか?

A. スマートフォンでの注文が中心の店でも、看板メニューやおすすめを卓上で見せる紙のメニューは注文のきっかけとして役立ちます。料理の一覧はスマートフォン、おすすめは卓上の紙、と役割を分けて考えるとよいでしょう。

まとめ|選んでほしい料理から逆算して設計する

メニュー表のデザインで大切なのは、お客さまの視線と注文の流れから逆算して、選んでほしい料理を目立つ位置に置き、迷わず選べる順番に並べることです。写真の量と質、紙やラミネートなどの仕様、改訂の運用まで最初に決めておくことで、長く使えるメニュー表になります。

メニュー表とあわせて店のロゴや名刺も整えたい場合はロゴ制作の費用相場と依頼の流れや名刺デザインの依頼ガイドを、チラシやポスターでの集客も考えている場合はチラシ・ポスター制作の費用相場を参考にしてください。

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