人事企画とはどんな仕事内容なのか？必須の能力とスキルは？

社員の管理業務において欠かせないのが「人事企画」です。

人事企画とは、どのような雇用形式で・どんな人材を配置するのかを決定し、実行の司令塔となる立ち位置を指します。

しかし、順調な雇用を実現するには、人事企画の具体的な仕事内容や必要とされる能力を把握しておかなくてはいけません。

そこで今回は、人事企画の仕事について解説します。

人事企画を任された方・人事の仕事に力を入れたい経営者は、ぜひ参考にしてください。

人事企画とは

人事企画とは、経営戦略を把握し求められる人材を適所に配置する業務です。

どの人をどこに配置するかによって、企業の命運は分かれるため、責任重大な仕事だといえるでしょう。

また、配置するだけでなくどのような人材を採用するのか、社員をどのように評価するのかも、人事企画が選定します。

社内の「人」にまつわる部分に広く携わるため、人事企画の仕事は多岐に渡ります。

人事企画の仕事内容は？

人事企画の仕事内容は、大きく分けると3つです。

ここでは、人事企画の3つの仕事内容について、さらに詳しく解説します。

人員配置

社員をどの部署・どの役割に配置するのかは、人事企画が行う企業がほとんどです。

社員1人1人のスキルを把握し、適材適所に配置するには膨大な知識と優れた分析力が必要とされるでしょう。

また、人員配置を間違えると、社員同士で不和が起こり離職者が出る可能性もあります。

そのため、人事企画の主な仕事内容であると同時に、じっくり時間を掛けて、慎重に行いたい仕事です。

評価システム・待遇の選定

人員配置とともに、社内での評価システムや給与（人件費）、待遇の選定も人事企画が行います。

その企業の就業規則における社員のサポートにまつわる業務を一手に担います。

福利厚生や給与の規定作成は、限られた予算のなかで社員がよりのびのびと働くために欠かせないポイントです。

そのため、社内や社員の声にしっかりと耳を傾けることも欠かせません。

安心して働ける快適な社内環境を形作れるかどうかは、人事企画に委ねられているといえるでしょう。

採用方針の決定

社員の管理と合わせて重要なのが、新たに雇う人材の選定です。

社員のスキルや経営戦略を把握し、順調な経営を実現するにあたって足りない人材や求めるスキルを分析します。

そして分析した内容をもとに、採用担当者に「どのような人材を積極採用したいのか」を共有し、実際の採用活動に繋げます。

ただ、人材の分析は人事企画とは別に採用担当者が選定し、人事企画の承認を得る形を取る企業も少なくありません。

企業の規模が大きく、社内人事も採用もすべて人事企画に任せるのは現実的ではない場合は、役割を分けるのも良いでしょう。

人事企画に必要な能力とスキル

人事企画の仕事は非常に責任重大で、人事企画を任せる人材そのものの選定も慎重に行わなくてはいけません。

ここでは、人事企画に必要な能力・スキルについて解説します。

情報収集スキル

人事企画は雇用や社員管理におけるより効率的で離職率が低くなる方法を模索すると同時に、社員の情報も把握しておかなくては成り立ちません。

そのため、常にアンテナを張り幅広い情報をキャッチする力が求められます。

どのような就業規定を設定すれば社員がのびのびと働けるのか、自社が現実的に導入可能な福利厚生は何かなどを、正確に把握して実行に移す必要があります。

そのため、常に雇用に関するトレンドをキャッチすることとともに、社内の情報を積極的にキャッチできる力は不可欠です。

情報分析スキル

社員の情報や雇用のトレンドを把握できても、それを実際の企画に反映できなければ意味がありません。

そこで必要なのが、情報分析スキルです。

例えば、自社で開発した情報伝達ツールがあまり使われていない場合、そのツールは使いづらく、原因は自社内のエンジニアの人数が足りていなかったり、開発に必要なスキルを持つ技術者がいないなどが考えられます。

また、離職者が増加傾向にあるとき、その離職者たちの配属部署を見ると偏りがあり、その部署内でのパワハラが発覚するケースもあります。

このように、受け取る情報を鵜呑みにするのではなく、問題点や課題を見出し人事として解決できることはないか分析できることも、人事企画が求められる能力です。

コミュニケーション能力

社内の人間関係や意見を聞くには、コミュニケーション能力が不可欠です。

人事企画は社員が気兼ねなく意見を出せるよう上手く話を引き出したり、必要な情報を他の社員とすぐにやりとりしなくてはいけません。

また、人事企画は社内での人員配置や新規雇用する人材の選定も行います。

もしこれらの配置・雇用意図が他社員に伝わっていないと、社員から人事へのフラストレーションが溜まる場合もあるでしょう。

そこで、社員と綿密にコミュニケーションを取り、社員が納得しながら働ける人員配置・雇用を実現する力も求められます。

キャリアを積んで人事企画を目指すのもアリ。人事は人気なんです

人と関わる仕事が好きなら、人事企画を目指すことも選択肢の1つです。

人事企画は社内の人員配置から採用まで、人を雇うことに幅広く対応するポジションです。

しかし、社内環境の命運を握る仕事でもあるため、人事企画に就くには必要な素養を備えることから始めなくてはいけません。

また、人事企画は人事関連業務のなかでも根幹に関わる仕事のため、一定以上の人事経験が求められる仕事でもあります。

そのため、まずは人事業務に関するキャリアを積んでから、人事企画を目指すのも選択肢の1つです。

人事に関する経験・キャリアを積んで、自分が目標とする仕事に就きましょう。