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会社案内パンフレットの作り方|載せるべき項目・ページ数別の台割とデザイン発注の進め方、準備チェックリスト

会社案内パンフレットの作り方|載せるべき項目・ページ数別の台割とデザイン発注の進め方、準備チェックリスト

取引先に渡す、展示会で配る、採用説明会で手に取ってもらう——会社案内パンフレットは、Webサイトがある今でも「会社の顔」として求められる場面が少なくありません。一方で、いざ作ろうとすると「何を載せればいいのか」「何ページにすればいいのか」「どこまで社内で準備して、どこからデザイン会社に任せるのか」で手が止まりがちです。

この記事では、会社案内パンフレットを初めて作る、または久しぶりに作り直す担当者の方向けに、作る前に決めること、載せるべき項目の早見表、ページ数別の台割(ページ割り)の考え方、紙とPDFの使い分け、制作の工程表、デザイン会社への依頼で準備するもの、発注前のチェックリストまでを順番に整理します。

チラシやポスターも含めたデザイン発注全般の基礎(依頼先のタイプ、入稿データ、著作権)は、グラフィックデザインの依頼ガイドでまとめています。本記事は会社案内という冊子の「中身の組み立て方」に絞った内容です。

会社案内パンフレットとは|Webサイトとの役割の違い

会社案内パンフレットは、会社の事業内容・強み・実績の見せ方・体制・沿革・所在地などを、手に取れる冊子(またはPDF)にまとめたものです。営業資料と違って特定の商品を売り込むものではなく、「この会社と付き合って大丈夫か」を判断する材料を渡すのが役割です。

Webサイトとの大きな違いは、読む順番を作り手が設計できることと、手元に残ることです。Webは読者が好きなページから入りますが、冊子は表紙から順にめくられます。だからこそ、どの順番で何を見せるか(台割)が出来を左右します。また、商談後に机の上に残る、社内の決裁者に回覧される、といった「担当者がいない場所で読まれる」場面を想定しておく必要があります。

よく使われる場面

  • 新規取引先との初回商談・訪問時の手渡し
  • 展示会・セミナーでの配布
  • 採用説明会・会社見学での配布(採用パンフレットと兼ねる場合も)
  • 金融機関・自治体・株主など、事業内容の説明を求められる場面
  • 来客時の受付・応接室への設置

展示会での配布物まで含めて準備する場合は、展示会出展の準備と費用の内訳もあわせて確認しておくと、配布部数や納期の逆算がしやすくなります。

作る前に決めておく3つのこと|読者・場面・寿命

いきなり掲載項目を並べ始めると、「全部載せ」の分厚くて読まれない冊子になりがちです。先に次の3点を決めておくと、載せる・載せないの判断がぶれません。

1. 主な読者は誰か

取引先の担当者なのか、決裁者なのか、求職者なのかで、知りたいことが変わります。担当者は「何を頼めるか・どう進むか」、決裁者は「信頼できるか・継続性はあるか」、求職者は「どんな人が働いているか」を見ています。読者を1〜2種類に絞ると、ページ配分が決めやすくなります。

2. どの場面で、どう渡すか

商談で説明しながら一緒にめくるのか、展示会で手渡して後で読んでもらうのか、郵送するのかで、適したページ数や判型が変わります。説明しながら使うなら情報量が多くても成立しますが、「後で読んでもらう」前提なら、表紙と最初の見開きだけで要点が伝わる構成が必要です。

3. 何年使うつもりか

会社案内は一度作ると数年使われることが多い制作物です。役員構成・拠点・従業員数・取引実績のように変わりやすい情報をどこに置くかを最初に決めておくと、改訂時のコストを抑えられます。変わりやすい情報は差し替えやすいページにまとめる、あるいは挟み込みの別紙にする、といった設計がよく取られます。

会社案内に載せるべき項目【早見表】

掲載項目は、ほぼすべての会社案内に入る「基本項目」と、目的に応じて足す「選択項目」に分けて考えると整理しやすくなります。次の表は、項目ごとの役割と、素材がどこから出てくるかをまとめたものです。

見開きページの割り付けを並べた台割から、矢印で一冊の冊子に仕上がる流れを表した図解
掲載項目を洗い出してページに割り付ける(台割)ことで、冊子の流れが決まる。
項目伝えること優先度素材の出どころ
表紙社名・ロゴ・会社の印象を一目で伝える必須ロゴデータ、メインビジュアル(撮影 or イラスト)
トップメッセージ経営者の考え方・会社の向かう先高い代表へのインタビュー、肖像写真
理念・ビジョン判断の拠りどころ、大切にしている価値観高い既存の理念文、社内資料
事業内容何を提供しているか、誰の役に立つか必須事業部ごとの説明資料、サービス資料
強み・特徴他社ではなく自社を選ぶ理由高い営業担当へのヒアリング、顧客の声
事業の流れ・体制依頼から納品までの進み方、担当の分担中業務フロー図、組織図
数字で見る会社従業員数・拠点数・創業年など(自社で確認できる値のみ)中総務・経理の公式データ
沿革どのように成長してきたか、継続性中社史、登記情報、過去の会社案内
会社概要社名・所在地・設立・資本金・代表者・連絡先必須登記事項、総務部の公式情報
拠点・アクセス所在地と行き方中地図、拠点一覧
働く人・社風どんな人が働いているか(採用目的なら必須)選択社員インタビュー、職場の写真
取り組み(品質・環境・地域など)社会的な姿勢、取得している認証選択認証の登録情報、活動記録

ポイントは、「数字で見る会社」や取引実績のような事実情報は、必ず社内の公式データで裏取りしてから載せることです。会社案内は社外に長く出回るため、古い数字や確認の取れない表現が残ると、信頼を損ねる原因になります。取引先名を載せる場合は、掲載の許可が取れているかも確認しておきましょう。

ページ数別の台割の考え方|4P・8P・12P・16P

台割(だいわり)とは、冊子のどのページに何を載せるかを一覧にした設計図です。会社案内の出来は、デザインの良し悪しより先に、この台割でほぼ決まります。冊子を中綴じ(ホチキス留め)で作る場合、ページ数は4の倍数になるため、4P・8P・12P・16Pが基本の選択肢です。

ページ数向いている会社・用途台割の例注意点
4P(二つ折り)事業が1つに絞られている/配布中心表紙→見開きで事業と強み→裏表紙に会社概要詰め込みすぎない。メッセージは短く1つに
6面(三つ折り)展示会・店頭での配布、低コストで部数が多い表紙→開いた3面で事業・強み・流れ→裏面に概要・地図折った状態で見える面の順番を先に決める
8P中小企業の標準的な会社案内表紙→メッセージ→事業内容(見開き)→強み→沿革・概要→裏表紙見開き1つを「最も伝えたいこと」に使う
12P事業が複数ある/採用でも使う8Pの構成に事業別ページ・体制・働く人を追加事業ごとのページ量をそろえ、優劣に見えないようにする
16P以上グループ企業・拠点が多い・事業の幅が広い事業ごとの章立て+数字で見る会社+取り組み改訂頻度が高い情報は別紙や後半にまとめる

台割を作るときは、いきなりページを埋めるのではなく、「この冊子を読み終えた人に、何を覚えて帰ってほしいか」を1文で書き、それを最も目立つ見開き(表紙を開いた最初の見開き)に置くのがコツです。残りのページは、その1文を裏付ける材料として並べていきます。

折り方の種類(観音折り・巻き三つ折りなど)や、印刷に回すデータの作り方の詳細は、制作会社と相談しながら決めれば問題ありません。発注側が押さえておきたいのは「何ページで、何を、どの順番で」という台割の部分です。

紙の冊子・PDF・Webの使い分け

最近は、印刷した冊子とあわせてPDF版を用意し、メール添付やWebサイトからのダウンロードで配るケースも増えています。それぞれ得意なことが違うため、主な渡し方に合わせて組み合わせを決めましょう。

形式得意なこと苦手なこと向いている場面
紙の冊子手元に残る、紙質や加工で印象を作れる、回覧しやすい改訂のたびに刷り直しが必要、在庫と保管場所が要る対面の商談、展示会、来客対応
PDFメールで即送れる、差し替えが容易、印刷コストがかからない画面サイズによっては読みにくい、埋もれやすいオンライン商談、問い合わせへの返信、資料請求
Webサイト常に最新にできる、検索から見つけてもらえる読む順番を設計しにくい、手元に残らない初めて会社を知る人の入口、詳細情報の置き場

紙とPDFを両方使う場合は、最初から両方で読まれる前提でレイアウトを組むのがおすすめです。見開き前提のデザインはPDFでは1ページずつ表示されることが多く、意図した見え方にならないことがあります。Webサイト側の整備も同時に検討している場合は、Web制作会社の選び方と費用相場で依頼先のタイプや見積書の見方を確認できます。

会社案内パンフレット制作の進め方【工程表】

会社案内の制作は、デザインに入る前の「中身を固める工程」に時間がかかります。期間は、ページ数、撮影の有無、社内確認の人数で大きく変わるため、以下はあくまで工程の並びと所要時間の目安です。

工程主な作業主に動く人所要期間の目安
1. 企画目的・読者・使う場面・寿命を決める、予算と納期の枠を決める発注側1〜2週間程度
2. 依頼先選定制作会社に相談・見積もり依頼、提案内容の比較発注側+制作会社1〜3週間程度
3. 台割・構成掲載項目の決定、ページ割り、原稿の担当分け制作会社が提案、発注側が決定1〜2週間程度
4. 取材・撮影・原稿インタビュー、写真撮影、原稿執筆、データの裏取り双方2〜4週間程度
5. デザインデザイン案の提出、修正、全ページのレイアウト制作会社2〜4週間程度
6. 校正・社内確認誤字・数字・固有名詞の確認、関係部署と役員の承認発注側1〜2週間程度
7. 印刷・納品入稿、色校正(必要な場合)、印刷・製本、PDF書き出し制作会社・印刷会社1〜2週間程度

全体ではおおむね2〜4か月を見ておくと安心です。特に遅れやすいのは4の原稿と6の社内確認です。役員の確認が必要な場合は、確認する人と締め切りを企画段階で決めておくと、終盤で止まるのを防げます。展示会や周年行事など使う日が決まっているなら、その日から逆算して着手時期を決めましょう。

デザイン会社に依頼するときの準備と、費用の考え方

渡しておきたい素材

  • ロゴの元データ(ベクター形式のもの)と、色・使い方のルールがあればその資料
  • 既存の会社案内・営業資料・Webサイトの原稿
  • 会社概要・沿革など、公式に確認された事実情報の一覧
  • 使える写真(撮影者や権利関係が分かるもの)と、撮影が必要なシーンのメモ
  • 参考にしたい他社の冊子や、避けたい雰囲気のイメージ
  • 使う場面・配布部数の見込み・紙とPDFのどちらを主に使うか

ロゴのデータが手元に無い、または古い画像しか無い場合は、会社案内を作る前に整えておくと後工程がスムーズです。ロゴの作り直しも含めて検討するなら、ロゴ制作の費用相場と依頼の流れを参考にしてください。

費用は「何で動くか」で理解する

会社案内の費用は、デザイン料だけで決まるわけではありません。見積書は、次のような内訳に分かれていることが一般的です。金額は依頼先や条件によって大きく異なるため、総額ではなくどの項目が含まれているかで比較することが大切です。

費用の内訳金額を動かす要因確認したいこと
企画・ディレクション費打ち合わせ回数、台割の提案範囲構成の提案まで含むのか、原稿どおりに組むだけか
デザイン・レイアウト費ページ数、デザイン案の数、修正回数初回提案の案数と、修正の回数上限
取材・ライティング費取材人数、原稿の量、専門性原稿は誰が書くのか、校正は何回までか
撮影費撮影カット数、ロケーション数、人物撮影の有無撮影データの使用範囲(Webでの再利用可否)
印刷・製本費部数、ページ数、紙の種類、加工(箔押し・型抜きなど)部数違いの見積もり、増刷時の条件

ブランディングの一環として会社案内を位置づけ、ロゴやWebサイトと合わせて予算を組む場合は、ブランディングの予算の組み方で配分の考え方や相見積もりのそろえ方を解説しています。また、納品データの形式や、写真・イラストの権利の扱いは後から揉めやすい部分なので、契約前に確認しておきましょう。

会社案内パンフレット 発注前チェックリスト(12項目)

制作会社に相談する前、または見積もりを依頼する前に確認しておきたい項目です。「いいえ」が多い場合は、先に社内で決めておくと、見積もりの精度もスケジュールの見通しも良くなります。

  • □ 主な読者(取引先担当者・決裁者・求職者など)を1〜2種類に絞った
  • □ 使う場面(商談・展示会・郵送・採用など)と渡し方を決めた
  • □ 読み終えた人に覚えてほしいことを1文で書いた
  • □ 掲載項目を「必須・高い・選択」に分けた
  • □ ページ数(4P・8P・12P・16Pなど)の候補を決めた
  • □ 紙・PDF・Webのどれを主に使うかを決めた
  • □ 会社概要・沿革・数字は公式データで裏取りした
  • □ 取引先名や顧客の声を載せる場合、掲載許可を確認した
  • □ ロゴの元データと、使える写真の権利関係を確認した
  • □ 原稿の担当者と、社内確認・承認をする人を決めた
  • □ 使う日(展示会・周年など)から逆算した納期を決めた
  • □ 改訂しやすい構成(変わりやすい情報の置き場所)を考えた

よくある質問

Q. 会社案内とパンフレットは何が違いますか?

パンフレットは小冊子や折りの印刷物全般を指す言葉で、会社案内はその中でも「会社そのもの」を紹介するものです。商品パンフレットやサービスパンフレットが特定の商品の購入を後押しするのに対し、会社案内は会社全体の信頼性や考え方を伝えることが目的です。

Q. 自社でテンプレートを使って作るのと、デザイン会社に頼むのはどちらが良いですか?

配布部数が少なく、載せる情報が会社概要中心であれば、テンプレートで自作する方法もあります。一方、商談や採用で会社の印象を左右する場面に使う、撮影や取材が必要、紙とPDFの両方で使う、といった条件がある場合は、構成の提案から任せられるデザイン会社に依頼したほうが結果的に手戻りが少なくなります。

Q. 何部くらい印刷すればよいですか?

配布する場面と期間から逆算します。展示会や説明会の予定数、営業担当者の人数と1か月あたりの商談数などを掛け合わせて、改訂予定時期までに使い切れる量にするのが基本です。印刷は部数が多いほど1部あたりの単価が下がる傾向がありますが、刷りすぎて内容が古くなると無駄になるため、部数違いの見積もりを取って比べましょう。

Q. 採用パンフレットと兼ねてもよいですか?

兼ねることはできますが、取引先と求職者では知りたいことが違うため、どちらか一方の読者に寄せると、もう一方には物足りない内容になりがちです。兼ねる場合は、共通部分(理念・事業・会社概要)と、採用向けの別紙(働く人・制度・募集要項)を分けると、改訂もしやすくなります。

まとめ|会社案内は「台割」で8割が決まる

会社案内パンフレットは、デザインに入る前の準備で出来が大きく変わる制作物です。

  • まず読者・使う場面・寿命の3つを決める
  • 掲載項目を早見表で必須・選択に分け、事実情報は公式データで裏取りする
  • ページ数を決め、最初の見開きに最も伝えたいことを置いた台割を作る
  • 紙・PDF・Webのどれで主に読まれるかを決めてからレイアウトする
  • 工程表で原稿と社内確認の締め切りを先に押さえ、見積もりは内訳で比較する

この順番で準備しておけば、制作会社との打ち合わせもスムーズに進み、「作ったけれど使われない会社案内」になるのを避けられます。依頼先の選び方や入稿データ、著作権の基本は、グラフィックデザインの依頼ガイドもあわせて確認してください。

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