【3分で学んで収入は3倍差!?】個人事業主に給与所得控除はある?
従業員として会社で働いている場合、年末調整で所得税の計算をしてもらうため、自身で税金に関して把握している人はあまり多くない傾向にあります。
しかし、個人事業主としてフリーランスで働くようになれば、確定申告や納税を自分で行う必要が生じます。
そこでこちらでは、給与所得者が年末調整で計算している給与所得控除は、個人事業主でどのような取り扱いになるのかを見ていきます。
給与所得控除の概要と個人事業主の取り扱い
給与所得控除とは、会社から給与を受け取っている給与所得者が所得税の計算をするときに給与から差し引くことができるものです。
この他にも、基礎控除や扶養控除、配偶者控除、社会保険料控除など様々なものがあります。
給与所得控除は給与所得者のみが利用できる控除で、年収に応じて計算方法は異なります。
これは個人事業主が経費を差し引けるのに対し、給与所得者が通勤や資格取得、衣類の購入などを経費として差し引くことができないため、公平性を期すために導入しているものです。
固定給の他に各種手当や現金・現物支給の一部などを全て合計した収入金額から給与所得控除を差し引いたものが、その年度の所得金額になります。
個人事業主の控除と確定申告
個人事業主が独自に受けられる控除は、青色申告特別控除です。
この控除を受けるには、事前に管轄の税務署に所得税の青色申告承認申請書を提出しなければなりません。提出した日の属する年度から青色申告特別控除が受けられます。
なお、この手続きをしなかった年度は白色申告の扱いになり、簿記は簡略化されますが控除を受けることができません。
青色申告特別控除は、条件に応じて10~65万円の控除を受けることが可能です。
10万円の控除を受ける場合は、複式簿記と単式簿記のどちらでも記帳してよいことになっており、確定申告時に貸借対照表や損益計算書を提出する必要もありません。
一方、55万円の控除を受ける場合には、不動産所得か事業所得のいずれかがあり、複式簿記で記帳していること、確定申告では貸借対照表と損益計算書を添付すること、申告期限内に提出することの全てを満たす必要があります。
さらに、65万円の所得控除を受けたいのであれば、これらの条件をすべて満たした上でその年度の事業に係る仕訳帳や総勘定元帳を電子帳簿保存していることか、確定申告書等の提出をe-taxで提出することのいずれかを実行しなければなりません。
青色申告の届出自体は金額に関わらず同じ内容であり、その年度に満たせた条件に応じて自分で控除金額を申告するようになっています。
所得税の計算方法と納税における注意点
個人事業主として確定申告をする場合、慣れないうちは計算方法や控除について戸惑うことが多いものです。
基本的には、決算書を作成し、控除内容を証明する書類をそろえて、各控除額を計算して申告書に記載していくという流れになります。
収入欄は売上金額や給与の総額、所得欄は経費や青色申告特別控除、給与所得控除などを差し引いた金額です。
さらに、所得から差し引かれるものとして社会保険料や生命保険料等の控除、基礎控除などがありますし家族構成によっては配偶者控除や扶養控除が加わります。
ふるさと納税等の寄付をしていれば寄付金控除、高額の医療費を支払っていれば医療費控除など、内容はそれぞれに異なりますので、見落としがないように注意しましょう。
これらの証明書は当該年度の9~10月頃に郵便で届けられます。 全ての控除を差し引いたものが課税対象所得金額になり、これに所定の税率を乗じて源泉徴収された金額を差し引いたものが最終的な所得税額です。 個人事業主の場合、売上によっては消費税や事業税なども発生することがあります。
前々年度の売上が1000万円を超えていれば消費税も確定申告が必要になりますので、自分が課税事業者となっているかきちんと確認しておきましょう。
個人事業主は給与所得者とは異なり、健康保険料や市県民税の天引きがない代わりに、まとまった金額の納税義務が何度か発生します。納税時期がそれぞれ異なるため、納税時期を把握できるようになるまでは、ある程度突発的な支出に耐えうるだけの余裕資金を用意しておくことをおすすめします。
正しい申告で節税効果も期待
このように、給与所得者と個人事業主では控除に関する考え方や税金の計算方法にかなり違いがあります。
個人事業主は正しく経費を計上し、青色申告の控除を受ける条件を満たせれば大幅な節税効果が期待できますし、資金繰りのシミュレーションもしやすくなりますので、最初のうちは自力で申告ができるように挑戦してみましょう。
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